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2026.09.23 / 更新日:2026/09/23
【スクワットで膝が痛い】痛くなる人・ならない人の違いとは?

スクワットで膝が痛くなる人・ならない人の違い
「スクワットをすると膝が痛い」
「健康のために始めたのに、逆に膝が気になるようになった」
「膝をつま先より前に出さないようにしているのに痛い」
こんな経験はありませんか?
スクワットは、太ももやお尻など下半身を鍛えられる代表的なトレーニングです。
椅子から立つ、しゃがむ、階段を上るといった日常動作にもつながるため、50代、60代からの身体づくりでも取り入れたい動作の一つです。
ところが、同じようにスクワットをしていても、
「全然膝は痛くない」
という人もいれば、
「数回やっただけで膝が気になる」
という人もいます。
この違いを見ると、
「膝が弱いから痛いのかな?」
と思うかもしれません。
でも、私はスクワット中に膝が痛い方を見るとき、膝だけを見ることはありません。
なぜなら、スクワットは膝だけで行っている運動ではないからです。
足首。
膝。
股関節。
骨盤。
体幹。
足部。
そして、それらをどう連動させるか。
さまざまな要素が関係しています。
つまり、
スクワットで膝が痛くなる人・ならない人の違いは、「膝の強さ」だけでは説明できない
ということです。
スクワットは「膝の運動」ではなく全身運動
スクワットを見ると、膝が大きく曲がるので「膝を使う運動」というイメージを持つ方が多いと思います。
もちろん、膝関節は使います。
ただ、実際には股関節も曲がりますし、足首も動きます。
身体が倒れないように体幹も働きます。
足の裏では床から力を受けています。
そして、立ち上がるときには膝だけではなく、股関節周辺の筋肉なども使いながら身体を持ち上げます。
つまり、スクワットは、
足部 → 足首 → 膝 → 股関節 → 骨盤・体幹
といった身体全体の連動で考える必要があります。
このどこかがうまく動かなかったとき、その代わりを別の場所が引き受けることがあります。
その結果として、膝周辺に負担や痛みを感じるケースもあるわけです。
だから、
「スクワットで膝が痛い」
↓
「膝が悪い」
↓
「膝を鍛えよう」
とすぐに決めないことが大切です。
違い① 足首が動いているか
スクワットで膝が気になる方を見るとき、私が確認したい場所の一つが足首です。
しゃがむ動作では、足首にも背屈と呼ばれる動きが必要になります。
足首が十分に動きにくい状態で無理に深くしゃがもうとすると、身体はどこかで動きを補おうとします。
かかとが浮く。
足が潰れる。
身体が大きく前へ倒れる。
しゃがみ方そのものが変わる。
こうした代償が起こることがあります。
だから、スクワットで膝が痛いときに、
「膝だけを見るのではなく、足首はちゃんと動いている?」
という確認が必要です。
「膝が痛いのに足首を見るんですか?」
と思われるかもしれません。
でも、身体は一つにつながっています。
痛い場所と、動きの問題が起きている場所が必ず同じとは限らないのです。
違い② 股関節を使えているか
もう一つ重要なのが股関節です。
スクワットでは、膝だけを曲げて下へしゃがむのではなく、股関節も曲げながら身体を下げていきます。
このとき股関節をうまく使えないと、膝を中心とした動きになりやすい場合があります。
例えば、
しゃがんだときに前ももばかりが疲れる。
お尻を使っている感じがほとんどない。
膝だけが前へ動いているように感じる。
こうした場合には、単純にスクワットの回数を増やすのではなく、股関節の動きも確認してみる必要があります。
ただし、ここで注意したいのが、
「膝が前へ出る=悪いスクワット」ではない
ということです。
「膝をつま先より前に出してはいけない」は絶対ルールではない
スクワットについて検索すると、
「膝をつま先より前へ出してはいけない」
という説明を見ることがあります。
そのため、膝が痛い方ほど、
「膝を前へ出さないようにしないと」
と意識していることがあります。
しかし、これはすべてのスクワットに当てはまる絶対的なルールではありません。
しゃがむ深さ、足幅、足首の動き、脚の長さ、身体の傾きなどによって、膝がつま先より前へ出ることはあります。
むしろ、膝を絶対に前へ出さないようにすると、上半身を大きく前傾させたり、股関節や腰側へ負担を移したりする可能性もあります。
大切なのは、
「膝がつま先より前へ出たか」だけでフォームの良し悪しを判断しないこと。
です。
スクワットは、その人の身体に合わせて見る必要があります。
違い③ 膝とつま先の方向が合っているか
スクワットで確認したいポイントの一つに、膝の動く方向があります。
例えば、しゃがんだときに膝が大きく内側へ入ってしまう。
左右で膝の向きが大きく違う。
片方の足へ体重が偏る。
こうした動きが見られることがあります。
ここで、
「膝が内側に入っているから、お尻の筋肉が弱い」
とすぐに決めるのも注意が必要です。
足部の使い方。
足首の可動性。
股関節。
体幹。
運動経験。
負荷。
疲労。
など、さまざまな要素が関係する可能性があります。
だから私は、
フォームの崩れを「悪いクセ」として直すのではなく、「身体から出ている情報」として見る
ことが大切だと思っています。
違い④ 体幹を安定させられているか
「膝が痛いのに体幹?」
と思う方もいるかもしれません。
でも、スクワットでは体幹も重要です。
身体の中心が安定しなければ、しゃがんだときに身体が左右へ流れたり、骨盤の位置が大きく変わったりすることがあります。
そうすると、下半身の動き方も変わります。
スクワットでは、
「脚を鍛えているから脚だけを見る」
のではなく、
上半身と下半身をどうつなげているか
を見る必要があります。
呼吸を止めすぎていないか。
お腹を固めすぎていないか。
反対に身体を支えられていない状態になっていないか。
こうした部分も確認します。
違い⑤ 「自分に合った深さ」でしゃがんでいるか
スクワットは、
「深くしゃがんだほうが効く」
と思っている方もいます。
もちろん、深くしゃがむスクワットにもメリットはあります。
しかし、全員が最初から同じ深さでしゃがむ必要はありません。
足首や股関節の動き。
筋力。
バランス。
運動経験。
痛みの有無。
これらによって適切な深さは変わります。
浅いスクワットなら問題なくできるのに、深くなった瞬間に膝が痛くなるのであれば、
「もっと我慢して深くしゃがもう」
ではなく、
「どの深さから動きが変わる?」
を確認してみます。
椅子を使って高さを調整する方法もあります。
最初は浅い範囲。
身体が慣れてきたら少しずつ深くする。
これでも十分です。
違い⑥ 回数や重量が今の身体に合っているか
フォームが悪くなくても、負荷設定が合っていなければ痛みにつながることがあります。
例えば、運動習慣がほとんどなかった方が、
「健康のためにスクワット100回」
を突然始める。
初日から毎日続ける。
膝に違和感が出ても、
「筋肉痛みたいなものだろう」
と続ける。
これでは身体が負荷へ適応する前に、負担が大きくなってしまう可能性があります。
スクワットで大切なのは、
「何回できるか」ではなく、「今の身体に適切な刺激になっているか」。
です。
10回で十分な人もいます。
5回から始めたほうがいい人もいます。
重量を持てる人もいます。
まず自重で動きを練習したほうがいい人もいます。
全員が同じスクワットをする必要はありません。
「膝が痛い=スクワット禁止」とも限らない
膝が痛くなると、
「もうスクワットはやらないほうがいいですか?」
と聞かれることがあります。
これも一概には言えません。
まず重要なのは、
なぜ痛みが出ているのかを確認すること。
です。
しゃがむ深さを変える。
足幅を調整する。
負荷を下げる。
椅子を使う。
可動域を小さくする。
別の種目に変更する。
こうした方法によって運動を続けられるケースもあります。
一方で、強い痛みや腫れがある、膝がロックする、力が抜ける、転倒や外傷をきっかけに痛くなった、安静時にも痛みが強い、といった場合には、無理にスクワットを続けるのではなく医療機関での評価が必要になることがあります。
痛みを我慢して続けることが、正しいトレーニングではありません。
スクワットで膝が痛い人に確認してほしいこと
スクワットをすると膝が気になる場合、鏡や動画を使って自分の動きを確認してみてください。
どのくらいしゃがむと痛いのか。
右と左のどちらが痛いのか。
膝はどちらへ動いているのか。
かかとは浮いていないか。
左右どちらかへ身体が寄っていないか。
足首は動いているか。
股関節を曲げられているか。
そして、回数や重量を増やした直後ではないか。
ここまで確認すると、
「膝が弱い」
だけでは説明できないことが見えてくる場合があります。
だから、
痛い場所だけを見るのではなく、痛みが出る「動き」を見る。
この視点を持ってみてください。
YAMATO355では「膝が痛い=膝を鍛える」とは考えません
名古屋・伏見のYAMATO355で、私、田中(ボディメンター)がお客様を見るときも、
「スクワットで膝が痛いんですね。では膝周りを鍛えましょう」
とは、すぐに決めません。
まず実際のスクワットを見ます。
そして、
足部。
足首。
膝。
股関節。
骨盤。
呼吸。
体幹。
左右差。
立ち方。
歩き方。
などを確認します。
例えばスクワットで膝が内側へ入っている方がいたとしても、
「お尻が弱いから」
だけで終わらせません。
足首は動いているのか。
足の裏で床を支えられているのか。
股関節は動いているのか。
体幹は安定しているのか。
負荷が強すぎないのか。
一つずつ確認します。
そして、
評価 → アプローチ → 運動 → 再評価。
例えば足首へアプローチしたあとに、もう一度スクワットをしてもらう。
動きや痛みがどう変わったのかを見る。
股関節へアプローチして、また確認する。
私はこれを、
「身体の答え合わせ」
だと考えています。
「スクワットで膝が痛い」という結果だけを見て、全員へ同じストレッチや筋トレを行うのではありません。
「なぜ、この人はこのスクワットをすると膝が痛くなるのか?」
を考える。
そして、その方に必要な方法を一緒に探していく。
これが、YAMATO355で大切にしている考え方です。
公的機関の情報も確認しておきましょう
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人・高齢者ともに筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されています。
一方で、運動は個人差を踏まえ、強度や量を調整しながら可能なものから取り組むことも重要です。
つまり、
「スクワットが健康にいいから、痛くても続ける」
という考え方ではありません。
自分の身体の状態に合わせて、種目、負荷、回数、可動域などを調整することが大切です。
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
よくある質問
スクワットで膝がつま先より前に出ても大丈夫ですか?
膝がつま先より前に出ることだけで、良い・悪いを判断することはできません。身体の骨格、足首の動き、しゃがむ深さ、足幅、上半身の傾きなどによって膝の位置は変わります。「膝を絶対に前へ出さない」ことより、全体の動きや痛みの有無を見ることが大切です。
スクワットで膝が痛い場合は中止したほうがいいですか?
強い痛みを我慢して続けることはおすすめできません。深さや負荷、フォームなどを見直します。腫れ、ロッキング、膝崩れ、外傷後の強い痛みなどがある場合は医療機関へ相談してください。
膝が痛いのは太ももの筋肉が弱いからですか?
筋力が関係する可能性はありますが、それだけで判断することはできません。足首、股関節、足部、体幹、フォーム、運動量なども確認する必要があります。
50代・60代でもスクワットをしていいですか?
年齢だけでスクワットができないと決める必要はありません。ただし、運動経験や筋力、関節の状態などは人によって違います。椅子を使う、浅い範囲から始めるなど、身体に合わせて調整しましょう。
まとめ|膝を見るだけでは、膝が痛い理由が分からないことがある
スクワットで膝が痛くなると、
「スクワットは膝に悪い」
と思ってしまうかもしれません。
でも、同じスクワットでも痛くなる人と、ならない人がいます。
その違いを見るためには、
膝だけではなく、
足首。
股関節。
足部。
体幹。
しゃがむ深さ。
フォーム。
負荷。
回数。
これまでの運動習慣。
まで考える必要があります。
だから、
「膝が痛い=膝が弱い」
と決めつけない。
そして、
「膝が痛い=スクワットが悪い」
とも決めつけない。
大切なのは、
「なぜ自分は、この動きをすると膝が痛くなるのか?」
を見ることです。
50代、60代からのトレーニングでは、たくさん回数をこなすことよりも、今の身体に合った動きを見つけること。
スクワットで膝が痛くなる場所は、身体からの一つの情報です。
痛みを我慢して30回続けるより、
一度止まって身体を確認する。
必要なところへアプローチする。
もう一度スクワットする。
そして変化を見る。
「鍛える前に、まず身体を見る」。
これが、安全に長くトレーニングを続けるために大切だと思っています。
YAMATO355 田中(ボディメンター)
2026.09.22 / 更新日:2026/09/22
【健康寿命と筋肉】敬老の日の機会に50代から考える身体作り

敬老の日をきっかけに考えたい「健康寿命」と筋肉
敬老の日になると、
「いつまでも元気でいてね」
「これからも長生きしてね」
と、お父さんやお母さん、おじいちゃん、おばあちゃんへ声をかける方も多いと思います。
長く元気でいてほしい。
これは家族なら誰もが願うことではないでしょうか。
でも、「長生き」という言葉について少し考えてみると、単純に年齢を重ねることだけが大切なのではないことに気づきます。
例えば、自分が70代、80代になったとき。
自分の足で買い物へ行ける。
友人と旅行へ行ける。
好きなレストランへ食事に行ける。
階段を自分で上れる。
家族と出かけられる。
自分で身の回りのことができる。
そして、行きたい場所へ自分の身体で行ける。
こうした生活をできるだけ長く続けたいと思う方は多いのではないでしょうか。
そこで考えてほしいのが、
「健康寿命」
という言葉です。
敬老の日は、親や祖父母の健康を願う日であると同時に、50代の自分自身が10年後、20年後にどんな身体でいたいのかを考えるきっかけにもなると思います。
「何歳まで生きるか」だけではなく「何歳まで自分らしく動けるか」
健康について考えるとき、「平均寿命」という言葉はよく聞くと思います。
一方で、最近は「健康寿命」という言葉も耳にするようになりました。
健康寿命とは、健康上の問題によって日常生活が制限されることなく生活できる期間のことです。
日本では2022年の平均寿命が男性81.05歳、女性87.09歳だったのに対し、健康寿命は男性72.57歳、女性75.45歳でした。
平均寿命と健康寿命の差は、男性で8.49年、女性で11.63年となっています。
もちろん、この差がそのまま「その期間ずっと寝たきりになる」という意味ではありません。
健康寿命は集団について算出される統計的な指標です。
ただ、この数字を見ると、
「何歳まで生きるか」と同時に、「何歳まで自分らしく生活できるか」を考えることも大切
だと感じます。
「健康寿命を延ばしましょう」と言われても、少し漠然としています。
でも、
70代になっても旅行へ行きたい。
80代になっても自分の足で歩きたい。
好きな場所へ食事に行きたい。
趣味を続けたい。
家族と出かけたい。
こう考えると、健康寿命という言葉が少し自分事になってくるのではないでしょうか。
私は健康寿命を考えるとき、
「長生きするために運動する」のではなく、「これからもやりたいことを続けるために身体を動かす」
という考え方を持ってほしいと思っています。
健康寿命を考えると「筋肉」は生活のために必要だと分かる
筋肉という言葉を聞くと、
「マッチョになるため」
「若い人が鍛えるもの」
「見た目を良くするため」
というイメージを持つ方もいると思います。
もちろん、筋肉をつけて身体の見た目を変えることも筋トレの目的の一つです。
でも、筋肉の役割はそれだけではありません。
朝、ベッドから起き上がる。
椅子から立つ。
歩く。
階段を上る。
荷物を持つ。
しゃがむ。
姿勢を保つ。
こうした、私たちが普段何気なく行っている動作にも筋肉が使われています。
つまり筋肉は、
「身体をカッコよくするためのもの」だけではなく、「自分で生活するための身体の土台」の一つ
でもあるのです。
若い頃は、こうしたことを意識することはほとんどありません。
椅子から立ち上がるときに、
「よし、今から立つぞ」
とは考えないですよね。
階段も普通に上れる。
旅行へ行けば、一日中歩ける。
床に座っても普通に立ち上がれる。
でも年齢を重ねていくと、
「最近、階段が以前よりつらくなった」
「椅子から立つときに手を使うようになった」
「旅行へ行っても長時間歩くのがしんどい」
「何もないところでつまずくことが増えた」
といった変化を感じることがあります。
こうした変化が出てから初めて、「筋力が落ちたのかな」と考える方もいます。
だからこそ私は、
動けなくなってから筋肉について考えるのではなく、まだ動けている50代から身体を準備しておくこと
が大切だと思っています。
「毎日歩いているから大丈夫」とは限らない
健康のためにウォーキングをしている50代、60代の方は多いと思います。
ウォーキングは、ぜひ続けてほしい運動です。
特別な器具も必要ありませんし、日常の活動量を増やすことにもつながります。
ただ、
「毎日歩いているから筋トレは必要ない」
と考える必要もありません。
歩くことと筋肉へ負荷をかけることには、それぞれ役割があります。
例えば、椅子から立つ。
階段を上る。
重い荷物を持つ。
床から立ち上がる。
こうした動作では、自分の身体を支えたり、必要な場面で力を発揮したりする能力も必要です。
だから健康寿命を考えるのであれば、
「ウォーキングか筋トレか」ではなく、「ウォーキング+筋トレ」
という考え方を持ってみてください。
歩く習慣を続けながら、スクワットや椅子からの立ち座りなど、身体の状態に合わせた筋力トレーニングも取り入れる。
さらに年齢を重ねるほど、バランス能力や柔軟性なども含めて考えていく。
何か一つの運動だけですべてを解決しようとするのではなく、これからも動き続けるために必要なものを組み合わせていくことが大切です。
健康寿命のために必要なのは「脚の筋肉」だけではない
「将来も歩き続けるためなら、脚を鍛えればいいんですよね?」
と思う方もいるかもしれません。
もちろん、下半身の筋肉はとても重要です。
お尻の筋肉は、立ち上がったり、歩いたり、階段を上ったりするときに使われます。
太ももの筋肉も、椅子から立つ、階段を上る、身体を支えるといった動作に関係します。
ふくらはぎや足首周辺も歩行に関わります。
ただ、人間は脚だけで歩いているわけではありません。
身体の中心を安定させる体幹。
姿勢を支える背中。
歩行時に連動する上半身。
股関節。
膝。
足首。
そしてバランス能力。
これらが連動することで、私たちは身体を前へ運ぶことができます。
だから、
「健康寿命のために脚を鍛えよう」
から、もう一歩進んで、
「健康寿命のために、身体全体を使える状態を維持しよう」
と考えてみてください。
50代からのトレーニングは、単純に筋肉を大きくするだけではなく、今ある身体をこれから先も使い続けられるようにすることにも意味があります。
50代は「まだ大丈夫」だからこそ始めたい
50代の方とお話をしていると、
「まだ普通に歩けるから大丈夫」
「筋トレはもう少し年齢を重ねてからでもいい」
と思っている方もいます。
でも私は、
普通に動けている今だからこそ、運動を始めてほしい
と思っています。
もちろん、60代や70代になってから運動を始めても遅いと決めつける必要はありません。
何歳からでも、その方の身体に合わせてできることはあります。
ただ、50代のうちから運動習慣を作ることができれば、
「できなくなったことを取り戻す」
だけではなく、
「今できていることを、できるだけ長く維持する」
という身体づくりができます。
普通に歩ける。
階段を上れる。
椅子から立てる。
旅行へ行ける。
こうしたことは、今できていると当たり前に感じます。
でも、本当は当たり前ではありません。
だから、
「できなくなったら運動する」のではなく、「できている今から身体を使っておく」。
健康寿命を考えるうえで、とても大切な考え方だと思います。
健康寿命のための筋トレは、難しい運動から始めなくていい
「健康寿命のために筋トレしましょう」
と言われると、
重いダンベルを持ったり、ジムのマシンをたくさん使ったりする姿を想像するかもしれません。
でも、運動初心者の方が最初から難しいトレーニングをする必要はありません。
例えば、
椅子に座る。
そこから立ち上がる。
またゆっくり座る。
この動作も、立つために必要な筋肉を使っています。
最初は5回程度でも構いません。
慣れてきたら、身体の状態に合わせてスクワットへ進んでいく。
ほかにも、かかとをゆっくり上げ下げする。
安全な場所につかまりながら片脚で立ってみる。
ヒップリフトでお尻を使う。
ローイング系の運動で背中を使う。
こうした基本的な運動を組み合わせることができます。
ここで大切なのは、
「何回できたか」だけを目的にしないこと。
スクワットを50回できるようになることが最終目標ではありません。
10年後も、自分で椅子から立つ。
階段を上る。
旅行先を歩く。
買い物へ行く。
そのためにスクワットをする。
そう考えると、筋トレの意味が少し変わって見えるのではないでしょうか。
60代・70代になってからでも筋トレは考えられる
「もう60代だから筋トレしても遅い」
「70代になって筋肉を鍛える意味はあるの?」
と感じる方もいると思います。
しかし、年齢だけを理由に筋力トレーニングを諦める必要はありません。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、高齢者について筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されています。
さらに、筋力だけではなく、バランスや柔軟性などを組み合わせた多要素な運動を週3日以上行うことも推奨されています。
つまり、高齢になったら、
「危ないから身体を動かさない」
ではなく、
その方の体力や身体機能に合わせながら、安全に身体を動かしていく
という考え方が大切です。
もちろん、持病や関節の状態、これまでの運動経験などによって適切な運動は変わります。
だからこそ、年齢だけで判断するのではなく、その方の身体を見ながら運動を選ぶ必要があります。
敬老の日のプレゼントに「一緒に歩く時間」もいい
敬老の日には、お花やお菓子、洋服、食事、旅行などをプレゼントする方もいると思います。
どれも素敵なプレゼントです。
でも今年は、
「一緒に身体を動かす時間」
をプレゼントしてみてもいいかもしれません。
お父さんやお母さんと近所を散歩する。
少し離れたカフェまで一緒に歩く。
公園へ行く。
家族で旅行へ出かける。
そして、
「最近、歩くのしんどくない?」
「階段は大丈夫?」
「最近運動してる?」
と聞いてみる。
それだけでも、家族で健康について話すきっかけになります。
そして、親の姿を見ながら、
「自分は20年後、どんな身体でいたいだろう?」
と考えてみる。
敬老の日は、親や祖父母の健康だけではなく、自分自身の未来の身体を考える日にしてもいいと思います。
YAMATO355では「筋肉をつけること」だけをゴールにしません
名古屋・伏見のYAMATO355で、私、田中(ボディメンター)がお客様を見るときも、
「筋肉をつけましょう」
だけでは終わりません。
まず、その方がこれから何をしたいのかを考えます。
旅行へ行きたい。
ゴルフを続けたい。
仕事を元気に続けたい。
家族と出かけたい。
60代、70代になっても自分の足で歩きたい。
人によって、目指したい未来は違います。
そのうえで、姿勢、呼吸、体幹、股関節、足首、左右差、スクワット、片脚での安定性、歩き方などを確認します。
例えば、
「最近、階段がつらくなった」
という方がいたとします。
そこで、
「脚の筋肉が弱いですね。スクワット30回やりましょう」
と、すぐに決めるわけではありません。
姿勢はどうなのか。
股関節は動いているのか。
足首はどうなのか。
体幹を安定させられているのか。
左右差はないのか。
実際の動きを確認します。
そして、
評価 → アプローチ → 運動 → 再評価。
身体の答え合わせをしながら進めていきます。
私は、お客様をトレーニングメニューに当てはめるのではなく、その方に必要な方法を一緒に探すことが大切だと思っています。
筋肉をつけることそのものが最終目的ではありません。
筋肉を使って、
歩く。
立つ。
旅行へ行く。
仕事をする。
趣味を楽しむ。
家族と出かける。
そうした生活をできるだけ長く続ける。
そのために身体を整え、必要な筋肉を使えるようにしていく。
それが健康寿命を考えた身体づくりだと思っています。
公的機関の情報も確認しておきましょう
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、高齢者についても、個人差を踏まえて強度や量を調整しながら、今より少しでも多く身体を動かすことが基本とされています。
目安として、歩行またはそれと同等以上の身体活動を1日40分以上、筋力トレーニングを週2〜3日行うことなどが推奨されています。
さらに、筋力、バランス、柔軟性など複数の要素を含む運動を週3日以上行うことも推奨されています。
ただし、
「40分歩かなければ意味がない」
ということではありません。
現在ほとんど身体を動かしていない方であれば、まず今より少し歩く。
椅子から数回立ってみる。
座っている時間を少し減らす。
身体の状態に合わせて筋トレを始める。
そこからでも構いません。
健康寿命を考えたときに大切なのは、一日だけ頑張ることではなく、
身体を使う生活を、これからも続けていくこと。
です。
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
よくある質問
健康寿命とは何ですか?
健康寿命とは、健康上の問題によって日常生活が制限されることなく生活できる期間のことです。「何歳まで生きるか」だけではなく、「自分らしく生活できる期間」を考えるための指標の一つです。
健康寿命と筋肉には関係がありますか?
筋肉は、歩く、立つ、階段を上る、荷物を持つ、姿勢を保つなど、日常生活のさまざまな動作に使われています。筋肉だけで健康寿命が決まるわけではありませんが、自立した生活を支える身体機能を考えるうえで重要な要素の一つです。
60代・70代から筋トレを始めても遅くありませんか?
年齢だけで「遅い」と決めつける必要はありません。厚生労働省でも高齢者に筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨しています。ただし、体力、持病、関節の状態などに合わせて無理のない内容から始めることが大切です。
健康寿命のためにはウォーキングだけで十分ですか?
ウォーキングは続けてほしい身体活動ですが、筋力やバランスなども重要です。歩く習慣に加えて、身体の状態に合わせた筋力トレーニングや多要素な運動を組み合わせていきましょう。
まとめ|敬老の日に「何歳まで生きる?」ではなく「何歳まで動きたい?」を考える
敬老の日になると、
「いつまでも元気でいてね」
と親や祖父母へ伝えると思います。
でも今年は、その言葉を自分自身にも向けてみてください。
10年後。
20年後。
自分はどんな生活をしていたいでしょうか。
旅行へ行きたい。
好きなものを食べに行きたい。
仕事を続けたい。
趣味を楽しみたい。
家族と出かけたい。
そして、
自分の足で、行きたい場所へ行きたい。
そう思うのであれば、身体づくりを始めるのは「動けなくなってから」でなくてもいいはずです。
50代の今から、歩く。
筋肉を使う。
バランスを保つ。
身体を動かす。
そして、それを習慣にしていく。
筋肉をつけることがゴールではありません。
筋肉を使って、自分らしい人生をできるだけ長く楽しむこと。
私は、そのためにトレーニングがあると思っています。
敬老の日を、親や祖父母の健康を願うだけの日ではなく、
自分自身の「健康寿命」について考えるきっかけ
にしてみてはいかがでしょうか。
YAMATO355 田中(ボディメンター)



