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2026.10.21 / 更新日:2026/10/21
【50代の筋トレ】高重量より大切なことは?身体の使い方も解説

【50代・60代の筋トレ】重い重量より大切なことは?身体の使い方と負荷の選び方
「筋トレは、重い重量を持たないと意味がない」
「軽いダンベルでは筋肉がつかない」
「年齢を重ねたら、筋トレは軽い運動だけで十分」
このような話を聞いたことはありませんか?
50代・60代から運動を始める方にとって、どのくらいの重量を扱えばよいのかは悩みやすい問題です。
一方、すでに筋トレを続けている方の中にも、重量を増やすことばかりに意識が向いている方がいるかもしれません。
しかし、トレーニングで大切なのは、単に重いものを持ち上げることではありません。
筋肉に必要な刺激を与えながら、その負荷を自分の身体で適切にコントロールできているか。
今回は、2026年に発表された最新研究と、身体の機能を評価するトレーニングの考え方をもとに、筋トレの重量設定について解説します。
① 筋トレは重い重量でなければ効果がない?
結論からいうと、筋肉を大きくするために、必ずしも重い重量だけが必要なわけではありません。
2026年、アメリカスポーツ医学会(ACSM)は、筋力トレーニングに関する新しい公式見解を発表しました。
137件のシステマティックレビュー、延べ3万人以上の参加者を含む研究を統合したものです。
その結果、筋力トレーニングには、筋力や筋肉量だけでなく、歩行速度、バランス、身体機能などを改善する効果が確認されました。
ただし、目的によって適した負荷は異なります。
最大筋力を高めたい場合
重い重量を扱うトレーニングが有利です。
特に最大挙上重量の80%以上を使う方法は、最大筋力を伸ばすための有効な条件の一つとされています。
筋肉を大きくしたい場合
重量だけでなく、十分なトレーニング量を確保することが重要です。
比較的軽い重量でも、適切な回数やセット数を設定すれば、筋肥大につながる可能性があります。
つまり、筋トレの正解は「とにかく重くすること」ではありません。
何を改善したいのかによって、必要な負荷は変わるのです。
② 重量を増やす前に、身体の使い方を確認する
ここで、もう一つ大切にしたい視点があります。
それは、重量を持ち上げるとき、身体のどこが、どのように動いているかということです。
例えば、スクワット。
同じ20kgの重量を扱っていても、股関節・膝・足首の動き方や体幹の安定性は、人によって異なります。
ある人は自然にしゃがめる一方、別の人は身体をうまくコントロールできず、特定の部位に負担を感じることがあります。
ただし、見た目のフォームが少し違うからといって、必ずしも間違っているわけではありません。
骨格、筋力、関節の動き、運動経験には個人差があるからです。
大切なのは、理想とされる一つのフォームに全員を当てはめることではなく、目的と身体の状態に合った動作を選ぶことです。
そのために確認したいのが、呼吸・腹圧・関節の動きです。
③ 呼吸と腹圧は、同じものではない
筋トレの指導でよく使われる「腹圧」という言葉。
呼吸と腹圧は密接に関係していますが、同じものではありません。
呼吸は、肺に空気を出し入れする働き。
腹圧は、お腹の内部に生じる圧力。
横隔膜、腹筋群、骨盤底筋群などの働きによって腹圧は調整され、体幹の安定性にも関係します。
例えば、重いものを持ち上げる際には、体幹を安定させることが求められます。
そのとき、呼吸のタイミングや腹部の筋肉の働きが、動作のコントロールに関係する場合があります。
ただし、注意したいことがあります。
必ずしも「呼吸が浅い人は筋トレの効果が出ない」「腹圧が弱いと必ず腰を痛める」というわけではありません。
呼吸や腹圧は、トレーニングを評価するうえでの一つの要素です。
扱う重量、筋力、疲労、運動経験なども含めて考える必要があります。
④ 股関節を使うことが、なぜ重要なのか?
次に考えたいのが、股関節の動きです。
例えば、床にある荷物を持ち上げる動作。
このとき、股関節を曲げ、お尻を後ろへ引く動きを「ヒップヒンジ」といいます。
ヒップヒンジは、デッドリフトなどのトレーニングで重要な基本動作の一つです。
股関節を中心に身体を折りたたむことで、お尻や太ももの裏の筋肉を活用しやすくなります。
ただし、腰を曲げること自体が悪いわけではありません。
背骨も動くための関節であり、日常生活では自然に曲げ伸ばししています。
重要なのは、腰を一切動かさないことではなく、股関節・膝・体幹を協調させ、目的に応じた動き方を選べることです。
また、股関節の動きが少ないことだけで腰痛の原因を特定することはできません。
痛みには、負荷の大きさ、疲労、過去の痛み、睡眠など、さまざまな要素が関係するためです。
⑤ 正しいフォームよりも大切な「その人に合ったフォーム」
ここまで読むと、
「結局、正しいフォームとは何なのか?」
と疑問に思うかもしれません。
トレーニングには、種目ごとに基本となる動作があります。
しかし、すべての人が同じ姿勢、同じ足幅、同じ可動域で動く必要はありません。
例えばスクワットでは、股関節の形状や足首の動き、筋力などによって、しゃがみやすい足幅が異なることがあります。
また、デッドリフトでも、身体の各部位の長さや筋力、運動経験によって、適した開始姿勢が変わる場合があります。
だからこそ、フォームを見るときは、
- 目的の筋肉に適切な刺激が加わっているか
- 動作をコントロールできているか
- 痛みや強い違和感がないか
- 今の重量がその人に合っているか
といった点を総合的に確認することが大切です。
見た目だけで「正しい」「間違っている」と決めつけないことも、身体づくりには必要な考え方です。
⑥ 筋トレは毎回限界まで追い込むべき?
重量と同じくらい重要なのが、どの程度まで反復するかです。
ここで知っておきたいのが「RIR」という考え方です。
RIRとは、あと何回できそうかを表す指標です。
例えば、
- RIR0:もう1回もできない
- RIR1:あと1回できそう
- RIR2:あと2回できそう
という意味です。
筋肉を大きくするためには十分な刺激が必要ですが、毎セット必ず限界まで追い込まなければならないわけではありません。
限界に近づくほど疲労が増え、次のセットの回数や動作の質が低下することもあります。
2026年のACSMの公式見解でも、毎回限界まで行うことが、一貫してより優れた結果につながるとは確認されていません。
特に運動初心者や久しぶりに筋トレを再開する方は、最初から限界まで追い込む必要はありません。
大切なのは、どれだけ疲れたかではなく、必要な刺激を無理なく積み重ねられるかです。
⑦ 筋トレの効果は、トレーニング中だけで決まらない
もう一つ忘れてはいけないのが、回復です。
筋トレをすると、筋肉には普段以上の負荷が加わります。
その後、食事や睡眠、休息を確保しながら、次のトレーニングにつなげていきます。
しかし、重量やセット数を増やし続けるだけでは、疲労が蓄積してしまう場合があります。
例えば、
「前回より重い重量を扱いたい」
という気持ちがあっても、睡眠不足や疲労が強い日は、負荷を下げる判断が適していることもあります。
筋トレの成果を考えるときは、次の3つを組み合わせることが重要です。
① 刺激:筋肉に必要な負荷を与える
② 動作:自分の身体で負荷をコントロールする
③ 回復:次のトレーニングにつなげる
この3つのバランスを考えることで、長期的に継続しやすいトレーニング計画を立てられます。
⑧ 50代・60代から始める筋トレの実践方法
では、実際に何から始めればよいのでしょうか。
おすすめしたいのは、最初から重量を決めるのではなく、今の身体の状態を確認することです。
ステップ1:自重で動作を確認する
例えば、椅子から立ち上がるスクワット。
安定した椅子にゆっくり座り、立ち上がる動作を繰り返します。
まずは痛みなく、無理のない範囲で動けるかを確認しましょう。
ステップ2:股関節を使う感覚を身につける
壁の前に立ち、お尻を後ろに引いて壁に軽く触れる練習をしてみましょう。
膝を軽く曲げ、股関節から身体を倒す感覚を確認します。
この動きは、ヒップヒンジを覚えるための一つの練習方法です。
ただし、全員が必ず行うべきものではありません。
ステップ3:適切な負荷を設定する
自重で無理なく動ける場合は、必要に応じてダンベルやマシンを取り入れます。
初心者なら、まず10〜15回程度を無理なく行える負荷を一例として考えてもよいでしょう。
回数は絶対的な基準ではなく、体力や目的に応じて調整します。
ステップ4:継続しながら少しずつ負荷を高める
厚生労働省は、成人・高齢者に週2〜3日の筋力トレーニングを推奨しています。
ただし、最初からその回数を完璧にこなせなくても構いません。
週1回から始め、生活に合わせて増やしていく方法もあります。
まずは続けられる頻度で、身体に合った負荷を選びましょう。
⑨ YAMATO355が考える「整えてから鍛える」
ここからは、研究によってすべてが証明された手順ではなく、YAMATO355が大切にするトレーニングの考え方です。
私たちは、重量を増やすことだけを目的にするのではなく、一人ひとりの身体の状態を確認したうえで、必要な運動を考えることを重視しています。
例えば、スクワットで腰に違和感がある場合。
腰の筋肉だけを見るのではなく、股関節の動き、足首の動き、体幹のコントロール、扱う重量、運動経験なども確認します。
呼吸や腹圧も、必要に応じて評価する要素の一つです。
ただし、特定の筋肉が弱いことや呼吸の問題が、必ず痛みの原因だと決めつけることはありません。
また、身体を「整える」とは、全員が筋トレ前に整体やストレッチを受けなければならない、という意味でもありません。
今の身体に合った動きを見つけ、必要な負荷を適切にかけられる状態を目指す。
その考え方を、YAMATO355では「整えてから鍛える」という言葉で表現しています。
トレーニングに必要なのは、重い重量を持ち上げる技術だけではありません。
自分の身体を知り、適切な負荷を選び、継続できること。
その積み重ねが、年齢を重ねても動きやすい身体づくりにつながると考えています。
まとめ|重い重量を持つ前に、自分の身体を知る
筋トレは、重い重量を持たなければ効果がないわけではありません。
筋力を高めるには重い負荷が有利な場合がありますが、筋肉量や身体機能の改善には、さまざまな方法があります。
そして、重量を選ぶときには、筋肉への刺激だけでなく、身体の動きや回復状態も考えることが大切です。
今回、特にお伝えしたいのは次のことです。
重い重量を持てることと、自分に合ったトレーニングができていることは、必ずしも同じではありません。
50代・60代からでも、身体の状態に合わせた筋トレを始めることはできます。
もちろん、30代・40代の方にも同じ考え方が当てはまります。
名古屋・伏見のパーソナルジムYAMATO355では、筋力だけでなく、関節の動きや身体の使い方にも目を向けながら、一人ひとりに合ったトレーニングを提案しています。
「筋トレを始めたいけれど、何kgから始めればよいかわからない」
「フォームに不安がある」
「自己流のトレーニングを見直したい」
そんな方は、ぜひお気軽にご相談ください。
2026.10.20 / 更新日:2026/10/20
【腰痛の原因は姿勢だけじゃない】身体の使い方と改善方法

腰痛の原因は姿勢だけじゃない。呼吸・腹圧・股関節から考える身体の使い方
「腰が痛いから、腰をマッサージする」
「猫背だから、背筋を伸ばす」
「腰痛予防のために腹筋を鍛える」
腰に不調を感じたとき、このような対策を考える方は多いのではないでしょうか。
もちろん、これらが役立つ場合もあります。
しかし、腰痛について考えるとき、一つ大切な疑問があります。
本当に、腰だけを見ていればよいのでしょうか?
私たちの身体は、腰だけで動いているわけではありません。
呼吸をするときには横隔膜や腹筋群が働き、立ち上がるときには股関節や膝関節が動き、物を持ち上げるときには全身の筋肉が協力しています。
そのため、腰痛への対応を考える際にも、姿勢だけでなく、身体全体の動きや生活習慣に目を向けることが大切です。
今回は、呼吸・腹圧・股関節という3つの視点を中心に、腰痛と身体の使い方について解説します。
1.腰痛は「姿勢が悪いから」とは限らない
まず知っておきたいのは、猫背や反り腰だからといって、必ず腰痛になるわけではないということです。
腰痛には、筋肉や関節への負荷だけでなく、睡眠、ストレス、身体活動、既往歴など、さまざまな要素が関係します。
特定の姿勢が痛みを強める人もいますが、姿勢の見た目だけで原因を断定することはできません。
例えば、背筋を伸ばして座っていても、長時間動かずにいれば不快感が出ることがあります。
逆に、少し背中が丸まっていても、痛みを感じずに生活できる人もいます。
重要なのは、理想的な姿勢を一つ決めて、それを維持し続けることではありません。
自分にとって負担の少ない姿勢を選び、必要に応じて身体を動かせることです。
2.呼吸は、身体を支える働きにも関係している
呼吸というと、肺に空気を取り込むための働きだと思うかもしれません。
しかし、呼吸に関係する筋肉は、姿勢や身体の安定性にも関わっています。
特に注目したいのが、横隔膜です。
横隔膜は胸とお腹の間にあるドーム状の筋肉で、息を吸うときに収縮して下がり、肺に空気が入るのを助けます。
1997年に発表されたHodgesらの研究では、腕を素早く動かす際に、横隔膜が呼吸だけでなく姿勢調整にも関わることが確認されました。
これは、身体が手足を動かす際に、体幹の筋肉も協調して働いていることを示しています。
では、呼吸が浅いと腰痛になる?
ここは注意が必要です。
横隔膜が姿勢調整に関わることと、呼吸が浅いことが腰痛の直接的な原因になることは同じではありません。
呼吸の特徴や体幹の筋活動を確認することは、身体の使い方を理解する手がかりになります。
しかし、呼吸だけを改善すれば腰痛が治ると断定することはできません。
3.腹圧とは?腰を支えるための身体の仕組み
次に考えたいのが、腹圧です。
腹圧とは、お腹の内部にかかる圧力のことです。
腹圧の調整には、主に次の筋肉が関係します。
- 横隔膜:呼吸と体幹の圧力調整に関わる
- 腹横筋などの腹筋群:腹部を取り囲み、体幹の安定性に関わる
- 多裂筋:脊柱の動きや安定性に関わる
- 骨盤底筋群:骨盤の底から腹部の圧力調整に関わる
これらは独立して働くのではなく、動作や呼吸に応じて協調しています。
例えば、重い物を持つときと、椅子に座って休んでいるときでは、必要な筋活動は異なります。
腹圧を高めれば腰痛は改善する?
腹圧は身体を支える重要な仕組みですが、腹圧を高く保てば保つほどよいわけではありません。
常にお腹を固めたり、呼吸を止めたりすることが、すべての人に適しているわけではないからです。
大切なのは、動作に応じて必要な筋肉を働かせ、呼吸も調整できることです。
腹圧の練習は身体の使い方を学ぶ一つの方法ですが、腰痛に対する万能な治療法ではありません。
4.腰痛を考えるうえで、なぜ股関節が重要なのか?
ここで注目したいのが、股関節です。
股関節は、骨盤と太ももの骨をつなぐ関節で、身体を前に倒す、立ち上がる、歩くといった動作に関わります。
例えば、床に置いた荷物を持ち上げる場面を考えてみましょう。
このとき身体は、股関節、膝関節、腰椎などを組み合わせて動きます。
股関節を使って身体を前に倒す動作は、ヒップヒンジと呼ばれます。
ヒップヒンジは、お尻や太もも裏の筋肉を使いながら、物を持ち上げる動作などを練習する際に役立ちます。
ただし、ここにも重要な注意点があります。
腰を曲げる動作そのものが悪いわけではありません。
腰椎も本来動く関節です。腰をまったく動かさないことが正解なのではなく、扱う重さや動作の目的に応じて、身体を使い分けることが大切です。
また、股関節の動きが小さい人すべてに腰痛があるわけでもありません。
股関節の動きを確認することは、腰痛への運動指導を考える際の一つの評価項目です。
5.「腰を鍛える」だけではなく、動作全体を考える
腰痛がある人に対して、腹筋や背筋のトレーニングが役立つ場合があります。
しかし、同じ運動をすべての人に行えばよいわけではありません。
例えば、椅子から立ち上がる動作を考えてみましょう。
この動作には、体幹だけでなく、股関節、膝関節、足関節、下半身の筋肉が関わります。
そのため、運動指導では次のような点を確認することがあります。
- 立ち上がる際に痛みが出るか
- 股関節や膝関節を無理なく動かせるか
- 呼吸を止めて過度に力んでいないか
- 身体の左右で動きに大きな違いがあるか
- 動作の回数や負荷が現在の体力に合っているか
ただし、これらの評価だけで腰痛の医学的原因を特定できるわけではありません。
身体の特徴を把握し、適切な運動を考えるための情報として活用することが重要です。
6.整体とトレーニング、それぞれの役割
腰痛に悩む方の中には、整体やマッサージを受けた経験がある方もいると思います。
手技による施術は、症状の軽減に役立つ場合があります。
一方、運動には、筋力や身体機能を高め、日常生活での動作能力を維持・向上させる役割があります。
英国NICEの腰痛診療ガイドラインでは、手技療法を検討する場合、運動を含む治療計画の一部として位置づけています。
また、WHOの2023年の慢性一次性腰痛ガイドラインでは、教育的支援や運動プログラムなどが、条件付きで推奨されています。
ただし、どの運動方法が最も優れているかについて、十分な根拠があるわけではありません。
YAMATO355が考える「整える」と「動ける身体づくり」
ここからは、研究結果そのものではなく、YAMATO355の運動指導における考え方です。
身体の状態を確認し、必要に応じて動きやすさを整えること。
そして、その状態で実際に身体を動かし、筋力や動作能力を高めていくこと。
この両方を大切にしています。
例えば、股関節の動きに課題が見つかった場合、単にストレッチするだけではなく、実際の立ち上がりやスクワットなどで、無理なく動かせるかを確認します。
呼吸や体幹の働きを確認する場合も同様です。
呼吸練習だけで終わらせず、必要に応じて日常動作やトレーニングにつなげていきます。
これは腰痛の原因を断定するためではなく、その人がより快適に身体を動かすための選択肢を増やすという考え方です。
なお、運動指導や整体は、医療機関による診断・治療に代わるものではありません。
7.今日からできる身体の使い方を見直す3つの方法
ここまでの内容を踏まえて、日常生活に取り入れやすい方法を3つ紹介します。
① 呼吸を止めず、ゆっくり身体を動かす
椅子に座り、無理のない姿勢で鼻から息を吸い、ゆっくり吐いてみましょう。
お腹や胸郭が自然に動く感覚を確認します。
呼吸を無理に深くしたり、長時間止めたりする必要はありません。
これは腰痛を直接治す運動ではなく、呼吸と身体の緊張に気づくための練習です。
② 股関節を使って前に倒れる動作を練習する
安定した場所で立ち、膝を軽く曲げます。
お尻を後ろに引くようにして、身体を少し前に倒してみましょう。
腰を無理に反らしたり、丸めないように固めたりする必要はありません。
まずは、股関節から身体を動かす感覚を確認します。
痛みがある場合は無理に続けないでください。
③ 長時間同じ姿勢を続けない
デスクワーク中は、適度に立ち上がる機会をつくりましょう。
短時間歩いたり、身体の向きを変えたりするだけでも、同じ姿勢を続けずに済みます。
無理に理想の姿勢を保つよりも、身体の状態に合わせて動きを取り入れることが大切です。
8.腰痛があるときに注意したいこと
腰痛には、医療機関での評価が必要なケースもあります。
特に、排尿・排便の異常、股の周囲の感覚低下、進行する脚の脱力などがある場合は、緊急の医療評価が必要です。
また、発熱、転倒後の強い痛み、原因不明の体重減少などがある場合も医療機関に相談してください。
腰痛が長引く場合や、日常生活に支障がある場合も、自己判断だけで運動を続けないことが重要です。
9.まとめ|腰痛を考えるときは、腰だけを見ない
腰痛は、猫背や反り腰といった姿勢だけで説明できるものではありません。
呼吸、腹圧、股関節、筋力、日常生活の動作など、身体にはさまざまな仕組みが関係しています。
ただし、それらのうち一つを「腰痛の本当の原因」と決めつけることも適切ではありません。
大切なのは、自分の身体の状態を知り、必要な運動や生活習慣を考えることです。
腰だけを鍛えるのではなく、身体全体が協力して動けるようにする。
この考え方を、YAMATO355では大切にしています。
名古屋・伏見のYAMATO355では、姿勢や身体の動きを確認しながら、一人ひとりの目的に合わせたパーソナルトレーニングを提供しています。
運動の始め方や身体の使い方に悩んでいる方は、ぜひご相談ください。
2026.10.19 / 更新日:2026/10/19
【運動が続かない50代へ】21日で習慣は定着するのか?

運動は21日続ければ習慣になる?50代から知っておきたい「続ける力」の本当の話
「健康のために運動を始めよう」
そう思ってウォーキングを始めたり、ジムに入会したりした経験はありませんか?
最初の数日は頑張れる。
でも、仕事が忙しくなったり、疲れがたまったりすると、少しずつ運動する機会が減ってしまう。
そして、いつの間にか運動しなくなっている。
そんな経験がある方もいるのではないでしょうか。
インターネットやSNSでは、よくこんな言葉を見かけます。
「習慣は21日続ければ身につく」
では、本当に21日間頑張れば、その後は自然に運動できるようになるのでしょうか?
実は、習慣化に関する研究では、もう少し複雑なことがわかっています。
今回は、運動が続かない原因を科学的な視点から考え、50代・60代の方でも無理なく取り組める習慣づくりについて解説します。
1.「21日で習慣になる」は本当なのか?
結論からお伝えすると、21日間で必ず習慣が身につくという科学的根拠はありません。
2024年12月に発表された、健康習慣の形成に関するシステマティックレビュー・メタ分析があります。
この研究では、20件の研究、合計2,601人のデータが分析されました。
対象となった行動は、運動、食生活、水分摂取、歯磨きに関連する行動などです。
その結果、習慣形成に必要な期間を直接報告した研究では、次のような結果が示されました。
| 指標 | 研究結果 |
| 習慣化までの期間の中央値 | 59~66日 |
| 平均値 | 106~154日 |
| 個人差 | 4~335日 |
つまり、習慣化には数か月かかる場合もあり、必要な期間には大きな個人差があるということです。
ただし、これはすべての人が60日程度で運動を習慣化できるという意味ではありません。
また、習慣形成までの期間を直接調べた研究は4件と限られ、多くの研究にバイアスのリスクがありました。
「習慣化には個人差がある」という理解が重要です。
2.そもそも「習慣になる」とはどういう状態?
習慣化とは、単に同じ行動を何日も繰り返すことではありません。
心理学では、ある状況やきっかけに反応して、行動が比較的自動的に起こるようになることが重要な特徴とされています。
例えば、朝起きたら歯を磨く。
食事が終わったら食器を片づける。
このような行動は、毎回強い決意をしなくても実行できる方が多いと思います。
運動でも同じことが考えられます。
「今日は運動しなければ」と毎回考える状態から、
「朝食の後は散歩する」
「仕事帰りの水曜日はジムに寄る」
という行動が生活の流れに組み込まれていく。
これが習慣化を考えるうえで重要なポイントです。
2009年に初めてオンライン公開されたLallyらの研究でも、一定の状況で行動を繰り返すことと、行動の自動性が高まることの関係が調べられています。
3.運動が続かない原因は「意志の弱さ」だけではない
運動を続けられないと、自分の意志が弱いからだと考えてしまう方もいるかもしれません。
しかし、運動継続には意志の強さ以外にも、さまざまな要因が関係します。
例えば、次のような状況です。
① 最初から目標が高すぎる
これまでほとんど運動していなかった人が、突然「毎日30分走る」と決める。
体力的にも時間的にも負担が大きく、継続が難しくなる可能性があります。
② 運動するタイミングが決まっていない
「時間ができたら運動しよう」
このような目標では、仕事や家事など、ほかの予定が優先されやすくなります。
③ 自分に合った運動を選べていない
膝や腰に不安がある方が、いきなり強度の高い運動を始める。
すると、痛みや疲労が負担となり、運動から遠ざかる可能性があります。
2026年1月に更新された厚生労働省関連の身体活動促進資料でも、個人の好みや状況に合わせたプログラム、目標設定、行動記録、周囲からのサポートなどが重要とされています。
つまり、運動が続かないときには、気合いを入れ直す前に、運動を続けにくくしている条件を見直すことが大切なのです。
4.50代・60代では、若い頃と同じ方法でよいのか?
ここで考えたいのが、年齢や身体の状態による違いです。
50代・60代になると、仕事や家庭の環境だけでなく、体力、筋力、関節の状態、持病の有無などにも個人差が生じます。
そのため、すべての人に同じ運動メニューを当てはめることは適切ではありません。
2026年8月に発表された高齢者の運動習慣に関するスコーピングレビューでは、25件の研究が分析されました。
その結果、これまでの研究では運動習慣を「頻度」「継続期間」「参加状況」などで捉えることが多く、心理学的な意味での自動性を直接測定した研究が不足していることが指摘されています。
つまり、運動を定期的に行っていることと、運動が自然な習慣として定着していることは、必ずしも同じではないのです。
50代・60代から運動を始める場合も、何日続いたかだけでなく、生活の中で無理なく繰り返せる状態を目指すことが重要だと考えられます。
5.運動を習慣化するための5つの方法
では、実際にどのように取り組めばよいのでしょうか。
研究で示されている考え方を参考に、日常生活で実践しやすい方法を5つ紹介します。
① 最初の目標を小さくする
いきなり毎日30分運動するのではなく、まずは5分の散歩から始めてみる。
筋トレなら、椅子からの立ち座りを数回行うことから始めてもよいでしょう。
最初の目的は、短期間で大きな結果を出すことではありません。
運動を始める負担を小さくすることです。
② すでにある習慣と組み合わせる
例えば、
朝食を食べた後に5分歩く。
歯磨きの後に軽く身体を動かす。
テレビを見る前に椅子から立ち座りをする。
このように、普段の生活で繰り返している行動をきっかけにする方法です。
③ 運動する日時を決める
「週に1回は運動する」よりも、
「毎週水曜日の仕事帰りに運動する」
と決めた方が、行動する場面が具体的になります。
自分の生活リズムに合わせて、実行できる時間帯を選びましょう。
④ 行動を記録する
カレンダーに印をつける。
スマートフォンに歩数を記録する。
運動した日を手帳に書く。
方法は何でも構いません。
記録することで、自分がどれくらい身体を動かせているのか確認できます。
厚生労働省関連資料でも、目標設定やセルフモニタリングは身体活動を促進する方法として紹介されています。Kennet MHLW
⑤ できなかった日を失敗と考えない
個人的に、習慣づくりで特に大切にしたい考え方です。
仕事が忙しい日もあれば、体調が優れない日もあります。
そんなとき、無理に運動する必要はありません。
大切なのは、一度休んだからといって、すべてをやめてしまわないこと。
Lallyらの研究では、行動を実行する機会を一度逃しても、習慣形成の過程に大きな影響は認められませんでした。
もちろん、長期間中断した場合まで同じとは限りません。
それでも、「1日休んだら最初からやり直し」という考え方をする必要はないといえるでしょう。
6.運動はどのくらい行えばよい?
習慣化を考えるとき、もう一つ重要なのが運動量です。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人と高齢者に対して、個人差を考慮しながら今より少しでも多く身体を動かすことが推奨されています。
筋力トレーニングについては、成人・高齢者ともに週2〜3日が推奨されています。Kennet MHLW
ただし、これは最初から週2〜3日できなければ意味がないということではありません。
運動習慣がない方は、現在の体力や健康状態に合わせて、無理のない量から始めることが大切です。
運動に慣れてきたら、少しずつ時間や負荷を調整していきましょう。
なお、持病がある方、関節に痛みがある方、運動中に胸の痛みや強い息切れなどが生じる方は、医師などに相談し、安全性を確認してください。
7.YAMATO355が考える「続けられる身体づくり」
ここからは研究結果そのものではなく、パーソナルトレーニングを提供する立場からの考え方です。
運動を続けるためには、トレーニングメニューだけでなく、その人の生活環境や身体の状態も考える必要があります。
例えば、週に何回運動できるのか。
どのくらいの時間を確保できるのか。
膝や腰に不安はないか。
自宅でも取り組める運動はあるか。
こうした条件を整理することで、現実的な運動計画を立てやすくなります。
また、運動を継続するうえでは、周囲からのサポートも重要な要素の一つです。
ただし、パーソナルトレーニングを受ければ必ず習慣化できるわけではありません。
自分に合った方法を一緒に考え、実践しながら調整していくことに価値があると考えています。
名古屋・伏見のYAMATO355では、一人ひとりの目的や身体の状態に合わせたパーソナルトレーニングを提供しています。
「運動を始めたいけれど、何から取り組めばよいかわからない」
「ジムに通っても長続きしなかった」
そんな方は、まず自分に合った運動方法を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。
8.まとめ|大切なのは21日続けることではなく、生活の一部にすること
運動は21日間続ければ必ず習慣になる。
残念ながら、研究ではそのような単純な結論は示されていません。
習慣化に必要な期間には大きな個人差があります。
だからこそ、何日続けたかだけにこだわる必要はありません。
大切なのは、自分の生活に合った運動を選び、無理のない方法で繰り返していくことです。
そして、途中で休んでしまっても、また戻ってくればよいのです。
継続とは、一度も止まらないことではなく、止まっても戻れること。
健康のための運動を、頑張り続ける特別なイベントではなく、毎日の生活の一部にしていきましょう。
2026.10.18 / 更新日:2026/10/18
【50代食事管理】夜に炭水化物を食べると太る?最新の研究は?

【50代の食事管理】夜に炭水化物を食べると太る?最新研究から考える夕食の正解
「夜はご飯を食べない方が痩せる」
「炭水化物は朝と昼だけにした方がいい」
「夜遅く食べると脂肪になりやすい」
ダイエットや健康に関する情報を見ていると、こんな話を目にすることがあります。
特に50代になると、若い頃より体重が増えやすくなったと感じ、夕食のご飯を減らしたり、炭水化物を抜いたりする方もいると思います。
しかし、ここで一つ疑問があります。
本当に、夜に炭水化物を食べること自体が、太る原因なのでしょうか?
例えば、同じ量のご飯を朝に食べる場合と夜に食べる場合。
身体への影響はまったく同じなのでしょうか?
それとも、食べる時間によって違いが生まれるのでしょうか?
実は近年、食事の内容だけでなく「いつ食べるか」という食事時間と健康の関係も研究されています。
今回は、2026年の研究も参考にしながら、夜の炭水化物と体重管理について考えていきます。
1.夜に炭水化物を食べると太るという考え方は正しい?
最初に結論からお伝えします。
夜に炭水化物を食べたからといって、それだけで必ず体脂肪が増えるわけではありません。
体脂肪の増減には、長期的なエネルギー摂取量と消費量のバランスが大きく関係しています。
食事から摂取するエネルギーが、身体で消費するエネルギーを継続的に上回れば、体重や体脂肪が増加する方向に働きます。
反対に、消費量が摂取量を上回る状態が続けば、体重は減少する方向に働きます。
ただし、人間の身体は単純な計算機ではありません。
食欲、身体活動量、睡眠、健康状態などによってもエネルギーバランスは変化します。
また、食事時間が血糖や代謝に影響する可能性もあります。
そのため、
「夜に食べても絶対に太らない」
という説明も正確ではありません。
大切なのは、炭水化物を食べる時間だけでなく、1日の食事全体と生活習慣を確認することです。
2.2026年の研究では、食事時間について何が分かった?
2026年1月21日、医学誌『BMJ Medicine』に、食事時間を制限する方法と健康指標の関係を調べた研究が発表されました。
この研究は、41件のランダム化比較試験、合計2,287人を対象としたシステマティックレビュー・ネットワークメタ解析です。
研究では、食事を取る時間帯によって、体重や血糖関連の指標などに違いがあるかが検討されました。
その結果、早い時間帯に食事を終える方法は、遅い時間帯に食事を終える方法と比較して、平均で約1.15kg体重が少ないという結果が示されました。
ただし、これは研究対象者の平均的な差であり、すべての人が1.15kg減量できるという意味ではありません。
ここで重要なこと
この研究が調べたのは、主に食事を取る時間帯や食事可能な時間の長さです。
「夜に白米を食べる場合」と「食べない場合」を直接比較した研究ではありません。
また、研究に含まれる参加者の年齢や健康状態、食事制限の内容には違いがあります。
そのため、この研究だけを根拠に、
「夜の炭水化物は太る」
「夕食を17時までに済ませるべき」
と結論づけることはできません。
それでも、食事時間が健康に関係する可能性を考えるうえでは、参考になる研究です。
3.炭水化物を減らせば、必ず痩せるのか?
ここでもう一つ、よく聞く考え方があります。
それは、
「痩せたいなら炭水化物を減らすべき」
というものです。
確かに、炭水化物を減らすことで、食事全体のエネルギー摂取量が減り、体重が落ちる場合があります。
しかし、炭水化物を減らす方法だけが、減量に有効というわけではありません。
2022年に公表されたコクランレビューでは、低炭水化物食と、炭水化物を適度に含むバランスの取れた減量食が比較されました。
その結果、最長2年間の追跡では、両者の体重減少効果に大きな差はないと考えられました。DOI
つまり、減量方法として炭水化物を減らすことが有効な人もいますが、すべての人に必要な方法ではないのです。
ご飯を抜くことが目的になっていませんか?
例えば、夕食のご飯を抜いた結果、夜遅くに空腹を感じ、菓子類を食べるようになったとします。
その場合、夕食の炭水化物を減らしていても、1日全体のエネルギー摂取量が増えてしまう可能性があります。
反対に、夕食で適量のご飯を食べることで、満足感が得られ、間食を減らしやすくなる人もいるでしょう。
もちろん、これは食事行動を考えるための仮定であり、すべての人に同じ反応が起こるわけではありません。
大切なのは、特定の食品を禁止することではなく、自分の食生活全体を見直すことです。
4.炭水化物は身体に必要な栄養素
炭水化物は、たんぱく質や脂質と並ぶ主要なエネルギー源です。
食事から摂取した炭水化物のうち、消化吸収される糖質は、身体活動や脳の働きなどに利用されます。
また、炭水化物には糖質だけでなく、食物繊維も含まれます。
そのため、炭水化物を一括りにして「身体に悪いもの」と考えるのは適切ではありません。
厚生労働省が公表した「日本人の食事摂取基準(2025年版)」でも、炭水化物は食事全体の栄養バランスを考えるうえで重要な栄養素として扱われています。厚生労働省
同じ炭水化物でも、食品によって違いがある
例えば、白米、玄米、パン、麺類、果物などには炭水化物が含まれます。
しかし、食品によって食物繊維やビタミン、ミネラルなどの含有量は異なります。
また、食事全体の組み合わせによっても、摂取できる栄養素は変わります。
だからこそ、炭水化物を食べるか食べないかだけでなく、何と組み合わせて食べるかも大切です。
5.50代・60代の夕食で見直したい3つのポイント
では、実際に夕食をどのように考えればよいのでしょうか?
ここからは、研究結果を踏まえた実践的な方法を紹介します。
① ご飯を抜く前に、食事全体の量を確認する
夕食の炭水化物だけを減らす前に、まずは普段の食事を振り返ってみましょう。
例えば、
朝食はコーヒーだけ。
昼食は麺類が中心。
夕食はご飯を抜いて、おかずを多めに食べる。
夜遅くにお菓子を食べる。
このような食生活では、炭水化物の量だけを調整しても、必要な栄養素を十分に摂取できない場合があります。
まずは朝・昼・夜を含めた1日の食事を確認することが大切です。
② 主食・主菜・副菜を組み合わせる
夕食では、ご飯などの主食に加え、肉・魚・卵・大豆製品などの主菜、野菜やきのこ類などの副菜を組み合わせる方法があります。
例えば、
主食: ご飯
主菜: 焼き魚
副菜: 野菜やきのこの料理
汁物: 具だくさんの味噌汁
このような組み合わせであれば、炭水化物だけでなく、たんぱく質や食物繊維なども摂取できます。
農林水産省と厚生労働省が策定した「食事バランスガイド」でも、主食・主菜・副菜などの組み合わせが紹介されています。Ministry of Agriculture
ただし、必要な量は体格や活動量、健康状態によって異なります。
③ 夕食が遅くなる日は、食べ方を調整する
仕事などで夕食が遅くなる方もいると思います。
その場合、無理に夕食を抜く必要はありません。
例えば、帰宅が遅くなることが分かっている日は、夕方に軽食を取り、帰宅後の食事量を調整する方法があります。
また、夕食の時間を少し早められる日があれば、生活に無理のない範囲で調整してもよいでしょう。
ただし、食事時間を早めることだけで必ず減量できるわけではありません。
食事の内容や量、睡眠時間、仕事のスケジュールも含めて考えることが大切です。
6.トレーナーとして考える、50代からの食事管理
ここからは科学的研究の結果そのものではなく、パーソナルトレーニングで食事管理を考える際の実践的な視点です。
私が大切だと考えるのは、食事を減らす前に、何を目的としているのかを確認することです。
例えば、同じ50代でも、
体脂肪を減らしたい方。
筋肉量を増やしたい方。
現在の体重を維持したい方。
健康診断の結果をきっかけに生活習慣を見直したい方。
それぞれ、食事管理の目的が違います。
筋肉を増やしたい方が、必要なエネルギーまで大きく減らしてしまえば、身体づくりの妨げになる可能性があります。
一方、体重管理が必要な方では、食事全体のエネルギー量を調整することが役立つ場合があります。
だからこそ、
「50代だから夜のご飯を抜く」
「ダイエット中だから炭水化物は禁止」
といった一律の方法ではなく、生活習慣や目標に合わせて考えることが重要です。
YAMATO355でも、運動と食事を切り離さず、身体づくり全体を考えることを大切にしています。
ただし、糖尿病や腎臓病などで食事療法が必要な方については、医師や管理栄養士による個別の指導を優先してください。
7.今日からできる食事管理の3ステップ
特別な食事制限を始める前に、次の方法を試してみてください。
ステップ①:3日間、普段の食事を記録する
まずは、朝・昼・夜に何を食べているか確認します。
間食や飲み物も含めて記録すると、食生活の傾向を把握しやすくなります。
ステップ②:夕食だけでなく、1日の食事を見直す
夜のご飯を減らす前に、朝食や昼食の内容も確認します。
主食・主菜・副菜のバランスや、間食の頻度などを見直しましょう。
ステップ③:無理なく続けられる変更を一つ選ぶ
例えば、夕食に野菜料理を一品追加する。
夕食後の習慣的な間食を見直す。
夕食が遅くなる日は、食事の時間や量を調整する。
最初からすべてを変える必要はありません。
続けられる方法を選び、体調や体重の変化を確認しながら調整していきましょう。
8.まとめ|夜の炭水化物を悪者にしない
今回は、夜に炭水化物を食べると太るのかについて考えてきました。
重要なポイントは、次の3つです。
① 夜に炭水化物を食べたことだけで、必ず体脂肪が増えるわけではない。
② 食事時間が代謝や体重管理に影響する可能性はある。
③ 食事管理では、1日の摂取量・栄養バランス・生活習慣を総合的に考えることが大切。
SNSで紹介されている食事法が、すべての人に合うとは限りません。
大切なのは、自分の身体や生活に合った方法を見つけることです。
50代・60代からの身体づくりでは、体重を減らすことだけを目的にする必要もありません。
筋力を維持する。
健康的に身体を動かす。
好きな食事を楽しむ。
そして、これからも自分らしく生活する。
食事管理は、食べる楽しみをなくすためではなく、これからの生活を支えるためのもの。
まずは今日の夕食から、少しだけ食事の内容を見直してみませんか?
名古屋・伏見で身体づくりを始めたい方へ
YAMATO355では、一人ひとりの目的や運動経験に合わせたパーソナルトレーニングを提供しています。
体重管理だけでなく、筋力づくりや運動習慣を見直したい方も、お気軽にご相談ください。
2026.10.17 / 更新日:2026/10/17
【50代・60代】毎日1万歩は必要?健康づくりに必要な歩数とは?

【50代・60代】毎日1万歩は必要?最新研究でわかった健康づくりに必要な歩数
「健康のためには、毎日1万歩歩いた方がいい」
そんな話を聞いたことはありませんか?
スマートフォンやスマートウォッチで歩数を確認すると、1日の目標が1万歩に設定されていることもあります。
健康診断で運動不足を指摘されたり、年齢とともに体力の低下を感じたりすると、ウォーキングを始めようと考える方も多いと思います。
しかし、実際に1万歩を目指してみると、意外と大変です。
仕事で忙しい日。
雨が降っている日。
身体が疲れている日。
毎日1万歩を達成しようとすると、かえって負担に感じてしまうこともあるでしょう。
ここで、一つ疑問があります。
本当に、健康のためには毎日1万歩歩かなければいけないのでしょうか?
実は、2025年に発表された研究では、1万歩より少ない歩数でも健康との良好な関連が報告されています。
今回は、最新の研究結果をもとに、50代・60代からのウォーキングについて考えていきます。
1.そもそも、なぜ「1日1万歩」と言われるのか?
健康づくりの目標として、長年親しまれてきた「1日1万歩」。
この数字は覚えやすく、毎日の運動量を意識するきっかけとして役立ちます。
しかし、1万歩という数字が、すべての人に共通する医学的な最低条件として決められたわけではありません。
大切なのは、歩数の数字そのものよりも、日常生活でどれくらい身体を動かしているかということです。
例えば、普段から8,000歩歩いている方と、1日2,000歩しか歩いていない方では、身体活動の状況が大きく異なります。
そのため、健康づくりの目標も、現在の活動量に合わせて考える必要があります。
2.2025年の研究で注目された「1日7,000歩」
2025年7月23日、医学誌『The Lancet Public Health』に、歩数と健康に関する大規模な研究が発表されました。
この研究では、57件の研究、35のコホートを対象に、日常の歩数と健康状態の関係が調べられました。
そのうち31件の研究がメタ解析に含まれています。
研究者たちは、1日2,000歩程度の人と、より多く歩く人の健康状態を比較しました。
その結果、1日7,000歩の人は、2,000歩の人と比較して、全死亡リスクが47%低いという関連が報告されました。
また、心血管疾患の発症リスクは25%低く、2型糖尿病の発症リスクは14%低いという関連も示されました。
ただし、ここは誤解しないでください
この研究結果は、
「7,000歩歩けば寿命が47%延びる」
「7,000歩歩けば病気を予防できる」
という意味ではありません。
研究の中心は観察研究であり、歩数と健康状態の関連性を調べたものです。
例えば、もともと健康な人ほど外出する機会が多く、歩数も多い可能性があります。
食事、喫煙、持病など、歩数以外の要因が結果に影響している可能性も残ります。
さらに、研究者自身も、年齢別の詳細な分析が十分ではないことを限界として挙げています。
そのため、7,000歩がすべての50代・60代にとって最適な歩数だと断定することはできません。
それでも、1万歩に届かなくても健康との良好な関連が認められたことは、運動を始めるうえで参考になる結果です。
3.厚生労働省が推奨する歩数は?
では、日本の公的なガイドラインでは、どのような目安が示されているのでしょうか?
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人と高齢者で異なる身体活動の目安が示されています。
| 対象 | 推奨される身体活動 | 歩数に換算した目安 |
| 成人 | 歩行または同等以上の身体活動を1日60分以上 | 約8,000歩以上 |
| 高齢者 | 歩行または同等以上の身体活動を1日40分以上 | 約6,000歩以上 |
ここでいう高齢者は、主に65歳以上を想定しています。
したがって、50代や60〜64歳の方には成人向けの目安が参考になり、65歳以上では高齢者向けの目安が参考になります。
ただし、年齢だけで目標を決めるのではなく、健康状態や体力に応じて調整することが大切です。
Kennet Health Action Support System
7,000歩と8,000歩、どちらが正しい?
ここで疑問を感じる方もいると思います。
「2025年の研究では7,000歩。厚生労働省は8,000歩。結局どちらが正しいの?」
実は、この2つは目的が異なります。
2025年の研究は、歩数と病気・死亡リスクの関連を分析したものです。
一方、厚生労働省のガイドラインは、幅広い科学的知見をもとに、日常生活での身体活動や運動の推奨量を示しています。
そのため、どちらかが間違っているわけではありません。
大切なのは、7,000歩や8,000歩を達成できなければ健康効果がない、と考えないことです。
厚生労働省も、現在の身体活動量が少ない方は、今より少しでも多く身体を動かすことを推奨しています。
4.歩数が少ない人ほど、まずは小さな変化から
例えば、普段の歩数が2,000歩程度の方が、いきなり1万歩を目指したとします。
それまで運動習慣がなかった場合、歩く時間が急に増えることで疲労が強くなったり、足や膝に負担を感じたりすることがあります。
また、仕事や家事との両立が難しくなり、運動そのものが続かなくなる可能性もあります。
そのため、最初から大きな目標を設定する必要はありません。
例えば、現在の歩数が2,000歩程度であれば、まずは2,500〜3,000歩程度を目標にしてみる方法があります。
これは、すべての方に適した医学的な処方ではなく、活動量を少しずつ増やすための実践例です。
慣れてきたら、体調を確認しながら歩く時間や距離を増やしていきます。
重要なのは、他人の歩数と比較することではありません。
昨日までの自分より、少しでも身体を動かす機会を増やすことです。
5.ウォーキングだけで健康寿命は延びるのか?
ここでもう一つ考えておきたいことがあります。
それは、歩くことだけで、将来の身体機能を十分に維持できるのかという問題です。
ウォーキングは、日常生活に取り入れやすい身体活動です。
しかし、健康寿命を考えるうえでは、歩数だけでなく、筋力やバランス能力なども重要になります。
例えば、階段を上る。
椅子から立ち上がる。
重い荷物を持つ。
段差でバランスを崩さずに歩く。
こうした動作には、下半身の筋力や身体のバランス能力が関係しています。
厚生労働省のガイドラインでは、成人・高齢者ともに筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されています。
また、高齢者には筋力、バランス、柔軟性などを組み合わせた多要素な運動も推奨されています。
ウォーキングと筋力トレーニングは役割が違う
ウォーキングは、身体活動量を増やすための取り組みです。
一方、筋力トレーニングでは、筋肉に適切な負荷を与えることで、筋力の維持・向上を目指します。
どちらか一方だけが正解というわけではありません。
歩く習慣と筋力トレーニングを組み合わせることが、将来の身体づくりを考えるうえで役立ちます。
6.トレーナーとして考える、50代・60代の健康づくり
ここからは研究結果そのものではなく、パーソナルトレーニングを設計するうえでの考え方です。
私が大切だと考えるのは、運動量を増やすことだけを目的にしないことです。
例えば、同じ60代でも、普段からよく歩いている方と、ほとんど運動をしていない方では、必要な取り組みが異なります。
歩く習慣が十分にある方なら、筋力トレーニングを加えることが次の課題になるかもしれません。
反対に、運動習慣がない方なら、まずは日常生活で身体を動かす機会を増やすことが優先になるかもしれません。
また、筋力やバランス能力が低下している方では、歩数を増やす前に、安全に身体を動かせる環境を整えることも重要です。
これは、特定の姿勢や動作の問題が必ず病気や痛みを引き起こすという意味ではありません。
一人ひとりの体力や健康状態、運動経験を確認し、目的に合わせて運動内容を調整するという考え方です。
YAMATO355でも、身体の状態や目標に合わせたトレーニングを大切にしています。
7.今日からできる、歩く習慣を増やす5つの方法
特別な運動時間を確保しなくても、日常生活の中で身体を動かす機会を増やすことはできます。
① まずは自分の平均歩数を知る
スマートフォンや歩数計を使い、数日間の歩数を確認してみましょう。
毎日の歩数にはばらつきがあるため、1日だけで判断せず、できれば1週間程度の傾向を見ると参考になります。
ただし、歩数計の測定精度には機器や装着方法による違いがあります。
② 通勤や買い物で少し歩く
普段より少し遠い場所に車を停める。
近くの買い物は歩いて行く。
駅では階段を利用する。
このような工夫でも、日常の身体活動を増やすことができます。
階段の利用が難しい方は、無理をする必要はありません。
③ 座りっぱなしの時間を減らす
デスクワーク中心の方は、歩数が少なくなりやすい傾向があります。
仕事の合間に立ち上がる。
飲み物を取りに行く。
休憩時間に少し歩く。
こうした行動も身体活動の一部です。
④ 歩くことに加えて筋力トレーニングを行う
健康づくりでは、ウォーキングと筋力トレーニングを組み合わせることが推奨されています。
例えば、椅子からの立ち座りや、壁を使った腕立て伏せなど、自分の体力に合った運動から始める方法があります。
⑤ 歩数を増やすより、継続できる方法を選ぶ
毎日1万歩を達成しようとして、数日でやめてしまう。
それよりも、自分に合った活動量を無理なく続けることが大切です。
雨の日は室内で身体を動かす。
忙しい日は短時間だけ歩く。
疲れている日は休養を優先する。
その日の体調や生活に合わせて調整しましょう。
なお、心臓や呼吸器の病気、関節の問題、転倒リスクなどがある方は、運動量を急に増やさず、必要に応じて医療専門職に相談してください。
運動中に胸の痛み、強い息切れ、めまいなどが現れた場合は運動を中止し、医療機関で評価を受けてください。
8.まとめ|健康づくりは「1万歩達成」がゴールではない
今回お伝えしたかったのは、健康のために必ず毎日1万歩歩かなければいけないわけではない、ということです。
2025年の研究では、1日7,000歩程度でも健康との良好な関連が報告されています。
一方、日本のガイドラインでは、成人は約8,000歩、高齢者は約6,000歩に相当する身体活動が目安とされています。
しかし、これらはすべての人が必ず達成しなければならない数字ではありません。
現在の体力や健康状態に合わせて、少しずつ身体活動を増やしていくことが重要です。
そして、健康寿命を考えるなら、歩数だけに注目するのではなく、筋力やバランス能力などにも目を向けてみましょう。
大切なのは、何歩歩いたかだけではなく、これからも自分の身体で好きなことを楽しめるかどうか。
旅行に行く。
友人と出かける。
家族と買い物を楽しむ。
そんな日常を長く続けるために、今できることから始めてみませんか?
名古屋・伏見で健康づくりを始めたい方へ
ウォーキングを始めたいけれど、何から取り組めばいいか分からない。
運動不足を感じている。
将来のために筋力を維持したい。
そんな方は、運動経験や体力に合わせたパーソナルトレーニングも選択肢の一つです。
YAMATO355では、一人ひとりの目的や身体の状態に合わせたトレーニングを提供しています。
名古屋・伏見周辺で身体づくりを始めたい方は、お気軽にご相談ください。
2026.10.16 / 更新日:2026/10/16
【50代から筋肉が落ちる理由】年齢が原因?筋力低下を防ぐ習慣

50代から筋肉が落ちるのは年齢のせい?筋力低下の本当の理由と今からできる対策
「50代になってから、筋肉が落ちてきた気がする」
「昔と同じ生活なのに、身体が細くなった」
「階段を上るだけで、以前より疲れるようになった」
こんな変化を感じることはありませんか?
筋肉は年齢とともに減少する。
これは、健康に関する情報でよく聞く話です。
確かに、加齢によって筋肉量や筋力が低下する傾向はあります。
しかし、ここで一つ疑問があります。
筋肉が落ちるのは、本当に年齢だけが原因なのでしょうか?
同じ60代でも、元気に山登りを楽しむ方がいれば、階段を上るのがつらいと感じる方もいます。
もちろん、こうした違いをすべて筋肉だけで説明することはできません。
それでも、日頃の運動習慣や食生活が、身体機能の維持に関係していることは研究から分かっています。
今回は、筋肉が減少する仕組みと、50代・60代からでも始められる身体づくりについて考えていきます。
1.筋肉は何歳から落ち始めるのか?
筋肉の減少というと、60代や70代になってから始まるものだと思う方もいるかもしれません。
しかし、筋肉量の変化は、もっと若い年代から始まります。
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、骨格筋量の低下は25〜30歳頃から始まり、生涯を通して進行すると説明されています。
ただし、これはすべての人が30歳を境に急激に筋肉を失うという意味ではありません。
筋肉量や筋力の変化には個人差があり、運動習慣や健康状態によっても異なります。
筋肉量と筋力は同じではない
ここで理解しておきたいのが、筋肉量と筋力の違いです。
筋肉量とは、身体にどれくらい筋肉があるかという量のことです。
一方、筋力とは、筋肉が力を発揮する能力のことです。
筋力には、筋肉の大きさだけでなく、神経系による筋肉の動員や動作への慣れなども関係します。
そのため、筋肉量が多い人が、必ずしもすべての動作で高い筋力を発揮できるわけではありません。
50代以降の身体づくりでは、筋肉を増やすことだけでなく、必要な場面で力を発揮できる身体を維持することも重要です。
2.筋肉が減る原因は加齢だけではない
筋肉の減少には、加齢以外にもさまざまな要因があります。
代表的なのが、身体活動の不足、栄養状態、病気などです。
厚生労働省も、サルコペニアの主な要因は加齢である一方、活動不足や栄養不良、疾患が危険因子になると説明しています。
原因① 筋肉を使う機会が減っている
仕事ではパソコンを使い、移動は車や電車。
買い物や家事も便利になり、以前より身体を動かさずに生活できる環境が整っています。
こうした生活では、筋肉に十分な負荷がかかる機会が少なくなることがあります。
筋肉は、日常生活で使っていれば必ず維持できるというものではありません。
筋力を維持・向上させるには、その人に合った負荷を継続的に与えることが重要です。
原因② 食事から必要な栄養を摂れていない
筋肉づくりには、運動だけでなく栄養も必要です。
特に重要なのが、たんぱく質です。
肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などは、たんぱく質を摂取できる食品です。
ただし、たんぱく質を多く摂れば、必ず筋肉が増えるわけではありません。
摂取エネルギーが不足していたり、運動による刺激が足りなかったりすると、期待する変化が得られない場合もあります。
また、腎臓の病気などで食事制限が必要な方は、たんぱく質の摂取量について医療専門職に相談してください。
原因③ 病気や身体の不調によって活動量が減る
筋肉量の減少は、生活習慣だけで説明できるものでもありません。
病気や入院、長期間の安静などによって身体活動が制限されると、筋肉量や筋力が低下することがあります。
急激な体重減少や原因不明の筋力低下がある場合は、単なる加齢と決めつけず、医療機関で確認することが大切で
す。
3.「サルコペニア」は単なる筋肉不足ではない
近年、健康寿命に関する話題で「サルコペニア」という言葉を耳にすることが増えました。
サルコペニアとは、加齢などに伴って筋肉量や筋力が低下し、身体機能にも影響が生じる状態を指します。
単に筋肉が少ないという見た目だけで判断するものではありません。
評価には筋力、筋肉量、身体機能などの指標が用いられます。
例えば、握力や歩行速度、椅子から立ち上がる能力などが参考になります。
ただし、これらの動作が苦手だからといって、必ずサルコペニアというわけではありません。
正確な評価には、適切な基準に基づく測定が必要です。
厚生労働省の解説でも、サルコペニアは立ち上がりや歩行などの能力低下に関係する重要な状態として紹介されています。
4.50代から筋トレを始めても筋肉は変わるのか?
ここで気になるのが、年齢を重ねてから筋トレを始めても意味があるのか、ということです。
結論からいえば、50代・60代からでも筋力の向上は期待できます。
2026年3月に米国スポーツ医学会(ACSM)が発表した新しいポジションスタンドでは、筋力トレーニングによる筋力、筋肉量、身体機能への効果について、多数の研究が整理されています。
このレビューでは、筋トレを行わない場合と比較して、適切な筋力トレーニングが筋力や筋肥大などの改善につながることが示されています。
ただし、筋肉の増え方には個人差があります。
運動経験、栄養状態、健康状態、トレーニングの負荷や量などによって結果は変わります。
「50代から始めれば必ず筋肉が大きくなる」と約束できるものではありません。
それでも、年齢だけを理由に筋トレを諦める必要はないのです。
5.筋肉を維持したいなら、特に意識したい部位
身体には多くの筋肉があります。
その中でも、日常生活の動作に関係する筋肉を意識することが重要です。
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、生活の質に影響する筋肉として、大腿四頭筋、大臀筋、腹筋群、背筋群などが紹介されています。
例えば、大腿四頭筋は膝を伸ばす動きに関係します。
大臀筋は股関節を伸ばす動きに関係し、立ち上がりや階段を上る動作でも働きます。
背筋群や腹筋群は、体幹を支え、身体の姿勢や動作に関わります。
ただし、特定の筋肉だけを鍛えれば日常生活のすべての問題が解決するわけではありません。
身体は複数の筋肉や関節が協調して動いています。
そのため、筋肉を一つずつ考えるだけでなく、立つ、歩く、しゃがむ、物を持つといった動作にも目を向けることが大切です。
6.50代・60代から始める筋肉を守る3つの習慣
ここからは、日常生活で実践しやすい方法を紹介します。
習慣① 週2回を目安に筋力トレーニングを行う
WHOは、成人と高齢者に対して、主要な筋群を使う筋力トレーニングを週2日以上行うことを推奨しています。
ただし、運動経験がない方が、最初から高い負荷で行う必要はありません。
例えば、椅子からの立ち座り、壁を使った腕立て伏せ、ゴムバンドを使った運動などから始める方法があります。
最初は無理なくできる回数で行い、慣れてきたら少しずつ負荷を調整しましょう。
習慣② 毎日の食事でたんぱく質を意識する
筋肉づくりには、十分な栄養摂取が必要です。
朝食はパンとコーヒーだけ、昼食は麺類だけという生活が続いている場合、食事の内容を見直すきっかけになるかもしれません。
例えば、朝食に卵や納豆を加える。
昼食に魚や肉を取り入れる。
夕食で豆腐などの大豆製品を活用する。
特別な食品だけに頼るのではなく、普段の食事で必要な栄養を確保することが基本です。
習慣③ 日常生活でも身体を動かす
週2回の筋トレをしていても、それ以外の時間をほとんど座って過ごしている場合があります。
筋力トレーニングと日常の身体活動は、どちらも大切です。
エレベーターだけでなく階段を使う。
近くの買い物は歩いて行く。
仕事の合間に立ち上がる。
こうした活動を積み重ねることも、健康づくりの一部になります。
WHOも、身体活動が少ない方は少量から始め、徐々に頻度や強度を増やすことを勧めています。
7.トレーナーとして考える、50代からの筋肉づくり
ここからは研究結果そのものではなく、パーソナルトレーニングを設計するうえでの考え方です。
筋肉をつけたいという目的が同じでも、必要なトレーニングは一人ひとり違います。
例えば、筋肉を大きくして体型を変えたい方と、階段を楽に上れるようになりたい方では、目標が異なります。
また、同じスクワットでも、股関節や膝の動き、バランス能力、運動経験によって適切なフォームや負荷は変わります。
そのため、YAMATO355では、筋肉を鍛えることだけでなく、身体の動きや運動の目的を確認することを大切にしたいと考えています。
大切なのは、何歳だからこの運動をするという考え方ではなく、今の身体に何が必要なのかを考えること。
そして、運動を継続しながら、少しずつできることを増やしていくことです。
8.まとめ|筋肉が落ちるのは年齢だけの問題ではない
筋肉量や筋力は、年齢とともに低下する傾向があります。
しかし、その変化には運動習慣、栄養状態、病気など、さまざまな要因が関係します。
だからこそ、50代・60代になってからでも、生活習慣を見直す意味があります。
筋力トレーニングを取り入れること。
必要な栄養を摂ること。
日常生活でも身体を動かすこと。
この3つを意識してみてください。
筋肉を守ることは、これからの生活の選択肢を守ることにもつながります。
旅行を楽しむ。
自分の足で歩く。
好きな趣味を続ける。
そんな未来のために、今できることから始めてみませんか?
名古屋・伏見で身体づくりを始めたい方へ
YAMATO355では、運動経験や体力、目的に合わせたパーソナルトレーニングを提供しています。
筋力低下が気になる方、運動を始めたいけれど何から取り組めばよいか分からない方は、ぜひご相談ください。
2026.10.15 / 更新日:2026/10/15
【50代・60代の睡眠】8時間寝る必要はある?疲れが取れない原因

50代・60代の睡眠】8時間寝る必要はある?疲れが取れない原因と睡眠の質を高める方法
「健康のためには8時間寝た方がいい」
そんな話を聞いたことはありませんか?
健康に関する情報を調べると、睡眠は7〜8時間必要、夜10時には寝た方がいい、睡眠時間が短いと老化が進む、といった情報を目にします。
もちろん、睡眠が健康にとって重要なのは間違いありません。
しかし、ここで一つ疑問があります。
本当に、すべての人が8時間眠る必要があるのでしょうか?
例えば、50代・60代になると、次のような変化を感じる方もいるのではないでしょうか。
- 昔より早く目が覚めるようになった
- 夜中に何度か目が覚める
- 8時間寝ようとしても眠れない
- 長く寝たはずなのに疲れが残っている
こうした変化を、単純に「年齢のせいだから仕方がない」と考えてしまうのは、少し早いかもしれません。
今回は、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」を参考に、50代・60代の睡眠について考えていきます。
1.「8時間睡眠が理想」は本当なのか?
結論からお伝えすると、8時間睡眠がすべての人にとって最適というわけではありません。
厚生労働省が公表した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人に対して、個人差を考慮しながら6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保することを推奨しています。
ただし、これは「6時間寝れば誰でも十分」という意味ではありません。
必要な睡眠時間には個人差があります。
また、高齢者については、長すぎる床上時間を避けるため、寝床で過ごす時間を8時間未満にすることが一つの目安として示されています。
ここで重要なのは、「睡眠時間」と「寝床にいる時間」は違うということです。
例えば、夜10時に布団へ入り、朝6時に起きたとします。
寝床にいた時間は8時間です。
しかし、寝つくまでに30分かかり、夜中に何度か目が覚めていた場合、実際の睡眠時間は8時間より短くなります。
睡眠の評価では、この違いを理解することが大切です。
2.なぜ年齢とともに睡眠時間が短くなるのか?
50代・60代になると、若い頃と同じように眠れなくなったと感じる方がいます。
これは必ずしも異常なことではありません。
加齢に伴い、睡眠にはいくつかの変化が起こります。
代表的なのが、深い睡眠の減少です。
若い頃は、比較的まとまった深い睡眠が得られます。
しかし、年齢を重ねると深い睡眠の割合が減少し、物音や尿意などによって目が覚めやすくなる傾向があります。
また、体内時計の変化によって、早寝早起きになりやすくなることも知られています。
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、過去の研究を統合した結果として、40代の実際の睡眠時間は平均約6.5時間、60代では平均約6時間というデータが紹介されています。
ただし、これは各年代の平均値であり、健康のために必要な睡眠時間を示したものではありません。
平均より短いから問題、平均より長いから健康、という判断はできないのです。 Kennet Health Action Support System
3.長く寝ても疲れが取れないのはなぜ?
ここからが、今回の記事で特にお伝えしたい部分です。
睡眠について考えるとき、時間ばかりを気にしてしまうことがあります。
しかし、厚生労働省の睡眠ガイドでは、睡眠時間とともに「睡眠休養感」を重視しています。
睡眠休養感とは、簡単にいえば、
「朝起きたときに、しっかり休めたと感じられるか」
という感覚です。
例えば、同じ7時間睡眠でも、朝すっきり目覚める方もいれば、強い疲労感が残る方もいます。
その違いには、さまざまな要因が関係しています。
原因① 日中の身体活動が少ない
デスクワークや車移動が中心で、日中にあまり身体を動かさない生活を送っていると、睡眠の満足感が低下する可能性があります。
運動習慣と睡眠の関係を調べた研究では、定期的な身体活動が主観的な睡眠の質の改善につながることが報告されています。
ただし、運動すれば必ず眠れるようになるわけではありません。
運動量や強度、実施する時間帯、本人の体力によっても反応は異なります。
原因② 寝る前まで頭が休まっていない
仕事のメール、SNS、ニュース、動画。
現代では、寝る直前まで多くの情報に触れる機会があります。
就寝前に仕事や考え事が続き、心理的な緊張が高まっていると、寝つきに影響することがあります。
睡眠時間を確保するだけでなく、眠る前に心身を落ち着かせる時間をつくることも重要です。
原因③ アルコールやカフェインの影響
「お酒を飲むと眠くなるから、寝酒は睡眠にいい」
これも、見直したい考え方の一つです。
アルコールには一時的に寝つきを促す作用がありますが、睡眠の後半では中途覚醒が増え、睡眠の質が低下することがあります。
また、カフェインの影響には個人差があり、夕方以降に飲んだコーヒーが夜の睡眠に影響する場合もあります。
寝つきだけでなく、夜中に何度も目が覚める場合は、こうした習慣も確認してみましょう。厚生労働省
4.睡眠の質を高めるために、運動は役立つのか?
ここで、パーソナルトレーナーの立場から考えてみたいと思います。
身体づくりというと、筋肉を鍛えることや体重を減らすことに意識が向きがちです。
しかし、運動を長く続けていくためには、疲労と回復のバランスも大切です。
筋肉に刺激を与えるだけでなく、身体が回復する時間を確保することが、無理のないトレーニングにつながります。
そして、睡眠もその回復を支える重要な要素です。
厚生労働省の睡眠ガイドでは、適度な運動習慣が睡眠の質の改善に役立つ可能性が示されています。
ただし、運動による睡眠改善の効果は、すべての人に同じように現れるわけではありません。厚生労働省
トレーナーとして大切にしたい考え方
私が身体づくりで大切だと考えているのは、運動量を増やすことだけを目的にしないことです。
例えば、睡眠不足で疲労が強い日に、無理をして高強度のトレーニングを行う必要はありません。
その日の体調によっては、軽いウォーキングやストレッチ、負荷を抑えたトレーニングを選ぶ方が適切な場合もあります。
反対に、日中ほとんど身体を動かしていない方であれば、まずは活動量を少し増やすことから始めてもよいでしょう。
大切なのは、自分の身体の状態に合わせて、運動と休養を調整することです。
これはトレーナーとしての実践的な考え方であり、特定の運動方法がすべての人の不眠を改善するという意味ではありません。
5.50代・60代が今日からできる睡眠改善の5つの習慣
では、具体的に何から始めればよいのでしょうか。
最初から生活を大きく変える必要はありません。
できそうなことを一つ選び、続けてみることをおすすめします。
① 朝は光を浴びる
朝の光は、体内時計を整える手がかりになります。
起床後にカーテンを開けたり、短時間の散歩をしたりすることから始めましょう。
② 日中に身体を動かす
運動習慣がない方は、まず10〜15分程度のウォーキングから始めても構いません。
これは取り組みやすい開始例であり、睡眠改善に必要な最低時間という意味ではありません。
体力や持病に合わせて、無理のない範囲で行いましょう。
③ 夕方以降のカフェインを見直す
午後から夜にかけてコーヒーや濃いお茶を飲む習慣がある方は、量や時間帯を確認してみましょう。
特に寝つきが悪い方は、夕方以降をカフェインの少ない飲み物に変更する方法もあります。
④ 寝る前にリラックスする時間をつくる
就寝直前まで仕事やスマートフォンに集中するのではなく、落ち着いて過ごす時間を確保しましょう。
軽いストレッチや静かな音楽など、自分に合った方法で構いません。
⑤ 眠れないのに無理に布団に入り続けない
「8時間寝なければ」と考えすぎると、かえって眠ることへの緊張が高まる場合があります。
眠気がないときは、無理に寝ようとせず、静かな環境でリラックスして過ごす方法もあります。
ただし、慢性的な不眠がある方は、自己判断で睡眠時間を極端に制限せず、医療機関に相談してください。
これらの方法は、厚生労働省の睡眠ガイドで紹介されている生活習慣の考え方をもとにしています。厚生労働省
6.生活習慣を変えても眠れない場合は?
ここで注意していただきたいことがあります。
睡眠の問題が、すべて生活習慣だけで解決できるわけではありません。
特に50代以降では、睡眠時無呼吸症候群、不眠症、夜間頻尿、痛みを伴う疾患、更年期に伴う不調などが睡眠に影響する場合があります。
大きないびき、睡眠中の呼吸停止、日中の強い眠気などがある場合は、医療機関への相談が必要です。
また、慢性的な不眠症に対しては、認知行動療法(CBT-I)が初期治療として推奨されています。
睡眠の悩みが長期間続いている場合は、運動だけで解決しようとしないことも大切です。
7.まとめ|大切なのは8時間眠ることではなく、自分に必要な睡眠を知ること
今回お伝えしたかったのは、睡眠時間の数字だけで健康を判断しないということです。
8時間眠れる方もいれば、年齢とともに睡眠時間が短くなる方もいます。
もちろん、慢性的な睡眠不足を軽視してはいけません。
しかし、無理に8時間眠ろうとすることが、すべての方にとって正解とも限りません。
大切なのは、必要な睡眠時間を確保しながら、朝の休養感や日中の体調にも目を向けることです。
そして、睡眠を整えるためには、夜の過ごし方だけでなく、日中の活動も関係しています。
健康づくりは、運動・食事・睡眠のどれか一つだけで完成するものではありません。
身体を動かすこと。
必要な栄養をとること。
しっかり休むこと。
その積み重ねが、年齢を重ねても活動的に過ごせる身体づくりにつながります。
名古屋で身体づくりを始めたい方、運動習慣を見直したい方は、YAMATO355のパーソナルトレーニングもご活用ください。
一人ひとりの体力や目的に合わせて、無理のない身体づくりを考えていきます。
2026.10.14 / 更新日:2026/10/14
筋トレは週3回以上やらないと意味ない?50代から考えたい事実

筋トレは週3回以上やらないと意味がない?
50代から考えたい運動頻度の本当の話
「筋トレは週3回くらいやらないと効果がない」
「週1回しかジムに行けないなら、身体は変わらない」
「本気で身体を変えたいなら、もっと頻繁に鍛えるべき」
筋トレについて調べていると、このような情報を見かけることがあります。
確かに、身体づくりにおいてトレーニングの頻度は重要です。
でも、仕事や家庭の予定がある中で、毎週3回もジムに通うのは簡単ではありません。
特に50代・60代になると、仕事だけでなく、家族のことや体調面など、さまざまな事情があると思います。
「週3回もできないから、自分には無理かな」
そう感じて、運動を始める前から諦めてしまう方もいるのではないでしょうか。
では、本当に週3回以上トレーニングをしないと、身体は変わらないのでしょうか。
今回は、筋トレの効果を決めるのは本当に「週何回」という数字なのかを考えてみたいと思います。
なぜ「筋トレは週3回以上」という情報が広まっているのか?
まず、筋トレの頻度が重要だという考え方自体は間違いではありません。
筋肉や筋力を向上させるには、適切な刺激を繰り返し与える必要があります。
例えば、1年間に数回だけ筋トレをする場合と、毎週継続的に筋トレをする場合では、期待できる変化は異なります。
また、筋肉を大きくしたい方や、スポーツの競技力を高めたい方にとっては、トレーニングの量を確保することが重要になります。
そのため、週3回、週4回とトレーニングを行う方法が紹介されることもあります。
しかし、ここで一つ考えてみてください。
筋肉を大きくしたい20代と、階段を楽に上れる身体を維持したい60代では、同じ頻度が必要なのでしょうか。
目的が違えば、必要なトレーニングの内容も変わります。
筋トレの頻度を考える前に、まず確認したいのは「何のために筋トレをするのか」ということです。
厚生労働省は筋トレを週何回推奨している?
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人と高齢者に対して、筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されています。
ここで注目したいのは、「週3回以上が必須」とはされていないことです。
また、筋力トレーニングにはジムのマシンだけでなく、スクワットや腕立て伏せなど、自分の体重を利用した運動も含まれます。
つまり、必ずしも週に何度もジムへ通わなければならないわけではありません。
厚生労働省は、個人差を踏まえて運動の強度や量を調整し、今より少しでも多く身体を動かすことも勧めています。
大切なのは、推奨される回数を達成できないからといって、運動そのものを諦めないことです。
2026年の最新研究では、筋トレの頻度をどう考えている?
2026年3月、米国スポーツ医学会(ACSM)は、筋力トレーニングに関する新しいポジションスタンドを発表しました。
これは、137件のシステマティックレビュー、合計3万人以上の参加者に関する研究をまとめたものです。
その結果、筋力トレーニングは、運動をしない場合と比較して、筋力・筋肉量・歩行速度・バランス能力などの改善につながることが確認されました。
また、筋力の向上には週2回以上の実施が有利であることや、筋肉を大きくするためには週当たりのトレーニング量が重要であることも示されています。
一方、トレーニングの細かな設定の多くは、効果に一貫した大きな違いを生むわけではありませんでした。
この研究から考えたいのは、「週何回か」だけで効果が決まるわけではないということです。
ただし、週1回でも週3回と同じ結果になると証明されたわけではありません。
トレーニングの目的や量、負荷、経験によって結果は変わります。
筋トレは「頻度」だけでなく「1週間に何をしたか」が重要
ここで、二つのトレーニング方法を考えてみましょう。
Aさん:週3回、毎回10分の筋トレ
Bさん:週2回、毎回30分の筋トレ
どちらのほうが効果的だと思いますか?
実は、この情報だけでは判断できません。
なぜなら、筋トレの効果には、回数だけでなく次のような条件が関係するからです。
- どの筋肉を鍛えているのか
- どれくらいの負荷をかけているのか
- 何回・何セット行っているのか
- 以前より少しずつ負荷を高められているのか
- 疲労から回復できているのか
例えば、週3回ジムに通っていても、毎回同じ軽い運動だけを繰り返している場合、筋力向上の刺激として十分でないことがあります。
一方、週2回でも、適切な負荷を設定して継続できていれば、筋力向上は期待できます。
2023年に発表された大規模な研究レビューでも、さまざまな筋トレ方法が、運動をしない場合より筋力や筋肉量の改善に有効でした。
特定の方法だけが唯一の正解というわけではありません。
週1回しか筋トレできない場合は意味がない?
ここが、今回最も伝えたい部分です。
週1回しかできないからといって、筋トレをしない理由にはなりません。
もちろん、筋力や筋肉量を効率よく増やしたい場合は、週2回以上のトレーニングを検討したいところです。
しかし、これまでまったく運動していなかった方が、週1回でも身体を動かすようになることには意味があります。
特に運動初心者の場合、最初から理想的な頻度を目指すことで、生活に無理が生じることもあります。
例えば、仕事が忙しい方が「毎週月・水・金曜日に必ずジムへ行く」と決めたとします。
最初の1週間は頑張れても、残業や予定の変更が重なると、計画どおりに進まないかもしれません。
そのとき、
「今週は1回しかできなかった。もう意味がない」
と考えてしまうのは、もったいないと思います。
週1回から始めて、生活に余裕ができたら週2回に増やす。
そんな方法でも、運動習慣を育てることはできます。
ただし、週1回で得られる変化の大きさは、運動内容や個人の状態によって異なります。
50代・60代は、筋肉を大きくすることだけが目的ではない
筋トレというと、筋肉を大きくすることをイメージする方もいると思います。
しかし、50代・60代の身体づくりでは、それだけが目的ではありません。
例えば、
以前より階段を上るのがつらくなった。
旅行先で長時間歩くと疲れるようになった。
重い荷物を持つことが負担になってきた。
椅子から立ち上がるときに、少し力が必要になった。
こうした日常生活の変化に気づくこともあります。
筋力トレーニングには、筋肉を大きくすることだけでなく、身体機能を維持・向上させる役割があります。
厚生労働省の高齢者向けガイドでも、筋力トレーニングに加え、バランス能力や柔軟性などを含む多要素の運動が推奨されています。Kennet MHLW
だからこそ、50代・60代からのトレーニングでは、見た目だけでなく、「日常生活でどんな動きを楽にしたいのか」も考えてほしいと思います。
週2回から始めるなら、どんなトレーニングがいい?
ここからは、運動初心者の方に向けた一例を紹介します。
健康状態に問題がなく、基本的な運動を安全に行える方を想定した内容です。
1日目:下半身と上半身をバランスよく動かす
椅子からの立ち座り
椅子に座った状態から、ゆっくり立ち上がります。
太ももやお尻の筋肉を使う運動です。
壁を使った腕立て伏せ
壁に両手をつき、肘を曲げ伸ばしします。
床で行う腕立て伏せよりも負荷を調整しやすい方法です。
ゴムバンドを使ったローイング
ゴムバンドを引く動作で、背中や腕の筋肉を使います。
2日目:同じ動きを振り返りながら行う
2日目も、基本的には同じ運動から始めて構いません。
大切なのは、前回と比べてどうだったかを確認することです。
「前回より立ち上がりやすかった」
「動作が安定してきた」
「負荷が軽く感じるようになった」
そうした変化があれば、回数や負荷を少しずつ調整できます。
最初は各種目1セット、無理なくできる回数から始める方法もあります。
慣れてきたら、適切なフォームを保てる範囲でセット数や負荷を増やしていきましょう。
週2回行う場合は、月曜日と木曜日のように間隔を空けると、同じ筋肉を連日鍛えることを避けやすくなります。
なお、膝や腰に痛みがある方、持病がある方、転倒への不安がある方は、運動内容を個別に調整する必要があります。
トレーナーとして考える「筋トレの適切な頻度」
名古屋・伏見のYAMATO355で、僕が大切にしたいのは、トレーニングの回数を先に決めるのではなく、その方の目的や生活に合った方法を考えることです。
例えば、筋肉を大きくしたい方と、運動不足を解消したい方では、必要なトレーニングの組み立て方が違います。
仕事が忙しく、週1回しか時間を取れない方もいると思います。
一方、週3回の運動時間を確保できる方もいるでしょう。
どちらが優れているという話ではありません。
大切なのは、今の生活の中で実行できる方法を選び、身体の変化を確認しながら調整することだと考えています。
週1回から始める。
慣れてきたら週2回にする。
必要であれば、さらに回数やトレーニング量を増やす。
そのように段階的に取り組むことも、一つの方法です。
もちろん、身体を変えたいという目標がある以上、ただ運動を続けるだけでは十分でない場合もあります。
目標に対して負荷が足りなければ、運動内容を見直す必要があります。
だからこそ、「続けられること」と「結果につながること」の両方を考えることが大切なのだと思います。
「週何回やるか」より先に決めてほしいこと
筋トレを始める前に、一つだけ考えてみてください。
「3か月後、どんな身体の変化があったら嬉しいですか?」
階段を楽に上れるようになりたい。
疲れにくい身体になりたい。
今より筋肉をつけたい。
健康診断をきっかけに運動習慣をつくりたい。
目的によって、必要なトレーニングは変わります。
そして、最初から完璧な計画を立てる必要はありません。
週2回を目標にする。
難しい週は1回でも実施する。
運動した内容を記録する。
1か月後に、身体の変化や取り組みやすさを振り返る。
そうした積み重ねから、自分に合った運動習慣をつくっていきましょう。
まとめ|週3回できないから意味がない、は誤解
「筋トレは週3回以上やらないと意味がない」
この考え方は、正確ではありません。
筋トレの効果は、週何回行うかだけでなく、目的・負荷・運動量・継続期間などによって変わります。
健康づくりの目安としては、週2〜3日の筋力トレーニングが推奨されています。
しかし、最初からその回数を達成できなくても、運動を始める意味はあります。
週1回しかできないから諦めるのではなく、週1回から始めてみる。
そして、身体の変化を確認しながら、必要に応じて運動量を増やしていく。
その考え方が、これから身体づくりを始める方にとって大切だと思います。
運動の目的は、決められた回数を達成することだけではありません。
これから先も、自分の足で歩き、好きな場所へ出かけ、日常生活を楽しめる身体を維持すること。
そのために、今の自分にできることから始めてみませんか。
YAMATO355 田中(ボディメンター)
2026.10.13 / 更新日:2026/10/13
【50代は痩せにくい?】代謝が落ちるから痩せない常識を検証

50代になると代謝が落ちるから痩せない?本当に年齢だけが原因なのか
「昔と同じ量しか食べていないのに太るようになった」
「若い頃は少し食事を減らせば痩せたのに、50代になってから体重が落ちない」
「年齢とともに代謝が落ちるから、仕方ないですよね」
こんな話を聞いたことはありませんか?
健康やダイエットの情報を調べると、「40代・50代になると基礎代謝が低下する」という説明をよく見かけます。
では、50代で痩せにくくなるのは、本当に代謝だけが原因なのでしょうか。
実は、この説明には少し注意が必要です。
年齢による身体の変化はあります。しかし、50代になった瞬間に代謝が急激に落ちるわけではありません。
そして、痩せにくさの原因を年齢だけで説明すると、見落としてしまうことがあります。
今回は、トレーナーの視点から「50代は代謝が落ちるから痩せない」という常識を考えてみます。
「基礎代謝が落ちる」という話は間違いなのか?
まず、基礎代謝とは何でしょうか。
基礎代謝とは、安静にしていても生命を維持するために必要なエネルギー消費のことです。
呼吸をする。
心臓を動かす。
体温を維持する。
身体のさまざまな組織を働かせる。
こうした活動にもエネルギーが必要です。
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、一般的に加齢とともに基礎代謝量が低下し、その主な要因の一つとして筋肉などの除脂肪量の減少を挙げています。
つまり、「年齢とともに代謝が落ちる」という説明には根拠があります。
しかし、ここで知ってほしい研究があります。
実は、20〜60歳の代謝は想像ほど変わらない?
2021年に科学誌『Science』で発表された研究では、生後8日から95歳までの6,000人以上を対象としたエネルギー消費のデータが分析されました。
https://www.science.org/doi/10.1126/science.abe5017?referrer=https%3A%2F%2Fgemini.google.com%2F
研究では、体格や除脂肪量などを考慮した1日のエネルギー消費量は、20〜60歳の成人期には比較的安定していることが示されました。
大きな変化が見られたのは、主に乳幼児期、成長期、そして高齢期です。
ここで重要なのは、
「50代になったから、身体そのものの代謝機能が急激に低下する」とは限らない
ということです。
ただし、この研究は「50代でも誰もが同じカロリーを消費する」という意味ではありません。
身体の大きさや筋肉量、日常の活動量によって、実際の消費エネルギーは異なります。
また、安静時代謝の加齢変化については研究間で違いも報告されています。
だからこそ、「代謝が落ちるから仕方ない」と一言で片づけるのは早いと思います。
では、なぜ50代になると太りやすく感じるのか?
考えられる理由の一つが、日常生活の変化です。
例えば、20代の頃は仕事でよく歩いていた。
休日はスポーツをしていた。
友人と外出する機会も多かった。
でも50代になって、
デスクワークが増えた。
車での移動が多くなった。
休日は疲れて家で過ごす。
階段よりエレベーターを使う。
そんな変化があれば、ジムに通っていなくても、日々のエネルギー消費量が変わる可能性があります。
食事の量が昔と同じでも、活動量が減っていれば、体重が増えやすくなる場合があります。
また、筋肉量の変化や、食事・飲酒・睡眠などの習慣も関係します。
もちろん、ホルモンの変化や薬の影響、病気などが体重変化に関係する場合もあります。
つまり、
「50代だから痩せない」のではなく、「50代になって変わった身体と生活の条件」を見直す必要がある
ということです。
「痩せたいなら食べる量を減らす」だけでいい?
ここにも、よくある落とし穴があります。
体重が落ちない。
だから食事を減らす。
それでも変わらない。
さらに食事を減らす。
こうした方法を繰り返してしまう方もいるかもしれません。
減量には、長期的に摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスを調整することが重要です。
しかし、食事を極端に減らせばいいわけではありません。
必要な栄養が不足すれば、体調や筋肉の維持に影響する可能性があります。
特に50代以降は、体重の数字だけでなく、筋力や日常生活での動きやすさにも目を向けたいところです。
体重が減ることと、健康的に身体が変わることは、必ずしも同じではありません。
50代から身体を変えるために、最初に確認したい3つのこと
1.普段の活動量は減っていないか?
最初に見直したいのは、ジムでの運動時間だけではありません。
日常生活でどれくらい歩いているか。
長時間座り続けていないか。
休日はどのくらい身体を動かしているか。
厚生労働省も「今より少しでも多く身体を動かす」ことを推奨しています。
最初から毎日1万歩を目指す必要はありません。
今の生活から、少し増やせる活動を探してみましょう。
2.筋肉を維持するための運動ができているか?
50代からの身体づくりでは、体重を減らすことだけでなく、筋肉を維持することも重要です。
筋力トレーニングには、筋力や身体機能の維持・向上を助ける役割があります。
厚生労働省は、成人の筋力トレーニングを週2〜3日推奨しています。
ただし、運動経験や健康状態によって適切な内容は異なります。
最初は無理のない負荷から始め、少しずつ調整していくことが大切です。
3.食事を減らす前に、食事の内容を確認しているか?
食事量を減らす前に、普段何を食べているかを確認してみてください。
主食を極端に抜いていないか。
たんぱく質を含む食品を十分に摂れているか。
野菜などの食品を組み合わせているか。
間食や飲み物、お酒も含めて、普段の食習慣はどうなっているか。
食事の内容を把握することは、自分に合った改善方法を考える第一歩になります。
トレーナーとして考える「50代のダイエット」
名古屋・伏見のYAMATO355で、僕が大切にしたいのは、年齢だけでトレーニング方法を決めないことです。
同じ50代でも、運動経験や生活環境は人によって違います。
普段からよく歩いている方もいれば、長時間座って仕事をしている方もいます。
筋トレを続けている方もいれば、何十年も運動から離れている方もいます。
だから、
「50代だから代謝を上げましょう」
と決める前に、
「今の生活で、身体を変えるために見直せることは何だろう?」
と考えたいのです。
運動を増やすことが必要な人。
筋力トレーニングを始めることが必要な人。
食事内容を見直すことが必要な人。
まずは睡眠や生活リズムを整えたほうが取り組みやすい人。
身体を変える方法は、一つではありません。
よくある質問
Q.50代になると基礎代謝は必ず落ちますか?
一般に年齢とともに基礎代謝量が低下する傾向はあります。ただし、体格や筋肉量などを考慮すると、20〜60歳のエネルギー消費は比較的安定しているとする大規模研究もあります。年齢だけで個人の代謝量を判断することはできません。
Q.筋肉をつければ痩せやすくなりますか?
筋肉量はエネルギー消費に関係しますが、筋肉を少し増やしただけで消費カロリーが劇的に増えるわけではありません。筋トレには、筋力や身体機能を維持するという重要な価値もあります。
Q.50代からダイエットを始めても遅くありませんか?
遅くありません。ただし、極端な食事制限や急激な減量を目指すのではなく、健康状態や生活に合った方法を選ぶことが大切です。
Q.以前と食事量が変わらないのに急に太った場合は?
活動量や生活習慣の変化だけでなく、薬や病気などが関係する場合もあります。急な体重増加、むくみ、強い疲労などがある場合は、医療機関へ相談してください。
まとめ|50代だから痩せない、と決めつけない
「50代になると代謝が落ちるから痩せない」
この言葉には、正しい部分もあります。
でも、それがすべてではありません。
年齢による変化はある。
筋肉量の変化もある。
活動量の変化もある。
食生活の変化もある。
だからこそ、
「年齢のせいだから仕方ない」と諦める前に、今の身体と生活を知ること。
そこから始めてみてほしいと思います。
身体を変えるために必要なのは、無理な食事制限でも、いきなり激しい筋トレをすることでもありません。
今の自分に必要なことを見つけ、続けられる方法で取り組むことです。
50代からでも、身体づくりは始められます。
そして大切なのは、体重の数字だけでなく、これからも動きやすく、好きなことを楽しめる身体を目指すことだと思っています。
YAMATO355 田中(ボディメンター)
2026.10.08 / 更新日:2026/10/08
【体を本気で変えたい】筋トレ始める前に知ってほしい考え方

体を本気で変えたい。行動する前に知っておくべき考え方
「今年こそ痩せたい」
「筋肉をつけたい」
「50代になって体型が変わってきた」
「健康のために運動を始めたい」
そう思って、
ジムに入会する。
YouTubeで筋トレを調べる。
プロテインを買う。
食事制限を始める。
最初の1〜2週間は、かなり頑張れる。
でも仕事が忙しくなる。
飲み会が入る。
疲れてジムへ行けない日が出てくる。
一度休んだら、次に行くのが少し面倒になる。
そして、気づいたらやらなくなっている。
そんな経験はないでしょうか。
でも僕は、これを単純に
「意志が弱いから」
とは考えていません。
むしろ身体を本気で変えたい人ほど、最初から頑張りすぎてしまうことがあります。
週5回ジムへ行く。
食事を急に変える。
お酒をやめる。
毎日体重を測る。
夜はストレッチする。
1ヶ月で○kg落とす。
全部を一気に始める。
そして、どれか一つできなくなると、
「また続かなかった」
と自分を評価してしまう。
身体づくりで最初に知ってほしいのは、
結果を出す人=最初から完璧にできる人ではない
ということです。
1.「やる気があるうちに頑張る」が最初の落とし穴
身体を変えようと思った直後は、モチベーションがあります。
だから、
「明日から毎日運動します」
「週5回ジムへ行きます」
「食事も全部変えます」
と決めてしまいます。
でも、今の生活にはすでに、
仕事。
家事。
家族。
友人。
趣味。
睡眠。
休息。
さまざまな予定があります。
そこへ突然、大量のトレーニングや食事管理を追加すれば、当然負担も増えます。
大切なのは、
「どれだけ頑張れるか?」ではなく「この生活で、どれだけ続けられるか?」
です。
週5回を2週間でやめるより、週2回を半年続けられるほうが身体を変えられる可能性は高まります。
最初の目標は、自分の限界を試すことではありません。
トレーニングがある生活に慣れること。
まずここからでいいと思います。
2.結果だけを目標にすると、途中で苦しくなる
「3ヶ月で5kg痩せる」
「ウエストを10cm減らす」
「昔の体型に戻る」
こうした目標を持つこと自体は悪くありません。
問題は、それだけを毎日の評価基準にしてしまうことです。
身体の変化は一直線ではありません。
体重も日々変動します。
筋肉も数回トレーニングしただけで突然大きくなるわけではありません。
頑張っているのに、鏡では変化が分からない時期もあります。
そこで、
「こんなに頑張っているのに変わらない」
となると、モチベーションが落ちてしまいます。
だから結果目標とは別に、
行動の目標
を持ってみてください。
「今週2回ジムへ行けた」
「以前より階段を使った」
「スクワットのフォームが安定した」
「夜更かしを1日減らせた」
「食事を一食だけ整えられた」
身体の変化がまだ見えない時期にも、前進しているものはあります。
結果だけではなく、結果につながる行動も評価する。
これは長期的な身体づくりでは大切な考え方です。
3.「何をやるか」より先に「何が邪魔になるか」を考える
身体を変えるとき、多くの人が最初に調べるのは、
「痩せる筋トレ」
「おすすめのジム」
「腹筋メニュー」
「プロテイン」
などだと思います。
でも、僕ならもう一つ考えてほしいことがあります。
「自分が3ヶ月後にやめているとしたら、原因は何だろう?」
仕事が忙しくなる?
残業したらジムへ行けない?
休日は予定を入れたい?
疲れていると面倒になる?
家からジムが遠い?
一人だとサボってしまう?
最初から頑張りすぎる?
ここを先に考えます。
例えば仕事帰りに家へ帰ると出られなくなる人なら、職場から直接行く。
平日は時間が読めない人なら、休日を軸にする。
1時間取れないと諦める人なら、「30分でも行く」を選択肢にする。
一人だと続かないなら、誰かに見てもらう。
身体づくりは、
問題が起きない計画を作ることではなく、問題が起きたときの対処法まで作っておくこと
が大切です。
4.「休んだ=失敗」にしない
これは僕自身、最近かなり実感しました。
現在、僕も3ヶ月という期間を決めて、自分の身体を変えることに挑戦しています。
今回はダイエットではなく増量です。
週5回トレーニングする時間を作っています。
でも、仕事をしながら週5回の時間を確保するのは、思っていた以上に大変でした。
そして途中で風邪をひき、トレーニングが一度止まりました。
体調が戻れば簡単に元の生活へ戻れると思っていました。
ところが、
一度途切れたトレーニング習慣へ戻すのには、想像以上にエネルギーが必要でした。
トレーナーで、何をすればいいか分かっている僕でもそうでした。
この経験から、「継続」の意味を以前より考えるようになりました。
継続とは、
一度も休まないことではない。
毎週完璧にできることでもない。
休んでも、また戻ってくること。
これも継続なのだと思います。
旅行。
仕事。
体調不良。
家族の予定。
人生には必ず予定外があります。
身体づくりだけをして生活することはできません。
だから最初から、
「崩れたらどう戻るか?」
まで考えておく。
これだけでも身体づくりへの向き合い方は変わります。
5.情報を増やしすぎない
今は、身体を変えるための情報が簡単に手に入ります。
SNSを開けば、
「これだけで痩せる」
「腹筋より○○」
「40代はこれをやれ」
「プロテインは必要」
「プロテインはいらない」
「有酸素運動は必要」
「有酸素運動はいらない」
正反対の情報が流れてくることもあります。
すると、
月曜日はスクワット。
火曜日に別の動画を見てメニュー変更。
水曜日には食事法を変更。
翌週には別のダイエット方法。
これでは、何が自分に合っていたのか判断する前に方法が変わってしまいます。
身体づくりで大切なのは、
最新情報を一番多く知っていることではありません。
自分に必要なことを選び、一定期間続け、変化を確認し、必要なら修正することです。
情報収集より、
実行 → 記録 → 確認 → 修正
を増やす。
このほうが身体は変わりやすくなります。
6.「正しい方法」は、その人によって変わる
同じ「痩せたい」でも、
運動経験がない50代の方。
学生時代にスポーツをしていた方。
膝に不安がある方。
仕事で毎日1万歩歩く方。
一日中デスクワークの方。
全員に同じ方法が最適とは限りません。
例えばSNSで、
「スクワットは絶対にやるべき」
と言われていたとしても、その人の体力や身体の状態によって深さや負荷、頻度は変わります。
ダイエットも同じです。
誰かが成功した食事方法を、そのまま自分へ当てはめれば成功するとは限りません。
だから僕は、
「正しい方法を探す」より「自分に合う方法を探す」
ことが大切だと考えています。
そして、その方法が本当に合っているのかは、
実際にやってみて、身体の反応を確認する。
これが必要です。
7.一人で頑張ることを「正解」にしない
今回、自分自身の身体づくりをしていて、もう一つ気づいたことがあります。
僕自身もトレーナーですが、今回の挑戦では自分を見てくれるトレーナーがいます。
知識がないからではありません。
自分一人で身体づくりをすると、
今日の内容はこれでいいのか。
疲れているけれどどうしよう。
順調なのか。
計画を変えたほうがいいのか。
こうした判断を全部自分でしなければいけません。
でも、自分の目標を理解してくれている人がいると、
進捗を確認してもらえる。
相談できる。
必要なら計画を修正できる。
そして何より、
「一人で全部考えなくていい」という安心感があります。
これは実際に「指導する側」から「指導される側」になって改めて感じました。
パーソナルトレーニングの価値は、種目を教えてもらうことだけではないのだと思います。
目標までの道から外れそうになったときに、
一緒に現在地を確認できる人がいること。
これも一つの価値だと思います。
身体を変えるために必要なのは「根性」より「仕組み」
ここまでをまとめると、身体を変えるために必要なのは、
「もっと頑張ること」
だけではありません。
やる気がなくても行ける環境を作る。
無理のない頻度から始める。
結果だけではなく行動も見る。
できない日のルールを作る。
一度休んでも戻る。
必要なら人に頼る。
そして定期的に方法を見直す。
つまり、
身体づくりを「意志の強さ」から「仕組み」に変えていく。
これが継続するための一つのポイントです。
行動科学でも「やる気だけ」の問題とは考えません
身体活動の行動変容では、行動は単純なモチベーションだけで決まるものではないと考えられています。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも紹介されているCOM-Bモデルでは、行動には「能力」「機会」「モチベーション」が関係すると整理されています。
つまり、
「運動したい」という気持ちがあっても、
時間がない。
近くに運動できる場所がない。
何をすればいいか分からない。
身体に不安がある。
こうした条件が重なれば、行動するのは難しくなります。
運動習慣形成を扱った2023年のメタ分析でも、習慣形成を狙った介入は身体活動習慣を改善し、特に問題解決を含む介入との関連が示されました。ただし、研究数は10件であり、「この方法なら誰でも必ず習慣化できる」とまで言えるものではありません。
だから、
続かなかった=自分は意志が弱い
ではなく、
続かなかった=続けにくくなった理由を探す
と考えてみてください。
「本気」とは、毎日100%頑張ることではない
身体を本気で変えたい。
そう思ったとき、
食事も完璧。
筋トレも完璧。
睡眠も完璧。
毎日100%。
そんな生活を想像するかもしれません。
でも僕は、
本気=毎日100%
ではないと思っています。
身体を変えるには時間がかかります。
だから必要なのは、
100%の日。
60%の日。
30%の日。
休む日。
いろいろな日がありながらも、目標とのつながりを切らないことです。
今日できなかったら、
「終わった」
ではなく、
「次はいつ戻ろう?」
と考える。
その積み重ねの先に身体の変化があります。
YAMATO355で最初に大切にしたいこと
名古屋・伏見のYAMATO355で身体づくりを始めるときも、
いきなり、
「週3回トレーニングしてください」
「これを全部やりましょう」
と決めることが正解だとは考えていません。
何を変えたいのか。
なぜ変えたいのか。
仕事はどのくらい忙しいのか。
これまで運動が続かなかったとしたら、何が原因だったのか。
身体に不安はないか。
どのくらいなら生活の中に入れられそうか。
そうしたことを考えながら、身体づくりを始めたいと思っています。
そして実際に始めたら、
身体を見る。
トレーニングする。
変化を見る。
必要なら修正する。
最初に決めた計画を守ることより、目標に近づくように計画を変え続けること。
これもパーソナルトレーニングの役割だと思っています。
公的機関や研究の情報も確認しておきましょう
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に対して「今よりも少しでも多く身体を動かす」ことを基本とし、筋力トレーニングは週2〜3日が推奨されています。
重要なのは、同時に、
個人差を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組む
という考え方が示されていることです。
また、運動継続に関するレビューでは、継続を左右する要因は本人だけではなく、運動内容、支援者、アクセス、費用など多面的で、自己効力感を高めることや行動的な支援なども検討されています。
身体づくりを、
「やる気があるか、ないか」
だけで考えない。
これは研究を見ても大切な視点だと思います。
よくある質問
筋トレが何度も続かないのは意志が弱いからですか?
そうとは限りません。仕事、時間、アクセス、運動量、目標設定、身体的不安など、さまざまな要因があります。「なぜ自分はダメなのか」ではなく、「どこで続けにくくなったのか」を振り返ってみてください。
本気で身体を変えるなら週何回トレーニングすればいいですか?
目的や運動経験、体力、生活によって異なります。回数だけを増やすより、継続でき、適切に負荷を調整できることが重要です。厚生労働省は成人の筋力トレーニングを週2〜3日推奨していますが、個人差を踏まえて調整することも明記しています。
体重が変わらなければ、やり方をすぐ変えたほうがいいですか?
短期間の体重変化だけで判断するのはおすすめしません。目的に応じて、体重、身体の見た目、トレーニング内容、扱える負荷、食事、日常活動など複数の指標を確認し、一定期間の変化から判断していきます。
一度挫折してしまいました。最初からやり直しでしょうか?
いいえ。身体づくりは「一度休んだら終了」というものではありません。体調や生活状況を確認し、必要なら以前より低いハードルから再開してください。戻ってくることも継続の一部です。
まとめ|身体を本気で変えるなら「始め方」より「続け方」を考えよう
身体を変えようと思ったとき、
多くの人は、
「何をすれば一番早く変わる?」
と考えます。
でも、本当に考えてほしいのは、
「どうすれば、この行動を続けられるだろう?」
ということです。
最初から完璧を目指さない。
結果だけで自分を評価しない。
自分が挫折しそうな理由を先に考える。
情報に振り回されない。
自分に合った方法を探す。
一度止まっても戻る。
必要なら誰かの力を借りる。
そして、身体の変化を確認しながら方法を修正する。
僕自身、現在3ヶ月の身体づくりに挑戦していて、
「知っていること」と「実際に続けること」は全く違う
と感じています。
だから今は、お客様に簡単に
「時間を作りましょう」
とは言いたくありません。
その代わり、
「今の生活の中で、どうすれば続けられるかを一緒に考えましょう」
と伝えたいです。
身体を本気で変えるということは、
短期間、自分を追い込むことではありません。
自分の身体と生活に向き合い、うまくいかない日にも方法を変えながら前へ進み続けること。
始める前に、この考え方を知っているだけでも、
身体づくりは少し違うものになると思います。
YAMATO355 田中(ボディメンター)
2026.10.07 / 更新日:2026/10/07
健康寿命はトレーニングだけで伸びる?50代から見直す生活習慣

健康寿命はトレーニングだけで伸びるのか?
「健康のために筋トレを始めようと思っています」
「年齢を重ねても、自分の足で歩き続けたい」
「将来、家族に迷惑をかけないように身体を鍛えたい」
50代・60代のお客様と身体づくりについて話すとき、こうした将来への思いが話題になることがあります。
健康寿命という言葉も、以前より身近になりました。
では、ここで一つ質問です。
健康寿命を延ばすためには、トレーニングさえ頑張っていればいいのでしょうか?
僕はパーソナルトレーナーです。
当然、筋力トレーニングには大きな価値があると考えています。
でも、だからこそ伝えたいことがあります。
筋肉を鍛えることと、健康に人生を楽しみ続けることは、同じではありません。
週に何回も筋トレしていても、睡眠が不足していたり、食事が偏っていたり、日々の生活に無理があったりすれば、身体づくりはうまく進まないことがあります。
一方で、ジムに通っていなくても、日常的によく歩き、食事や睡眠を大切にし、人との交流を楽しんでいる方もいます。
健康寿命を考えるとき、僕たちは「筋トレを何回するか」だけでなく、もっと広い視点で健康を見る必要があると思っています。
そもそも健康寿命とは何でしょうか?
健康寿命とは、一般的に健康上の問題によって日常生活が制限されることなく生活できる期間を意味します。
平均寿命が「何歳まで生きるか」を示すのに対し、健康寿命は「健康上の制限を受けずに生活できる期間」に注目した指標です。
ただし、健康寿命は一人ひとりの将来を予測する時計ではありません。
「健康寿命が73歳だから、73歳を過ぎると動けなくなる」という意味でもありません。
僕が健康寿命について考えるとき、思い浮かべるのは数字よりも日常の場面です。
70代になっても、友人と旅行へ行ける。
80代になっても、自分の足で買い物へ行ける。
孫と公園で遊べる。
好きな場所へ、自分の意思で出かけられる。
健康寿命を考えることは、これから先もどんな生活を送りたいかを考えること。
僕はそう捉えています。
筋トレは健康寿命を支える大切な要素
まず、筋力トレーニングの価値を整理しましょう。
年齢を重ねると、筋肉量や筋力、瞬間的に力を発揮する能力などが低下しやすくなります。ただし、変化の程度には個人差があります。
筋肉は、単に見た目を良くするためだけのものではありません。
椅子から立ち上がる。
階段を上る。
買い物袋を持つ。
床から物を拾う。
つまずいたときに姿勢を立て直す。
こうした日常生活の動作を支えています。
だからこそ、50代から筋肉を鍛える意味があります。
将来の生活に必要な身体機能を維持・向上させるためです。
ただし、ここで一つ考えてほしいことがあります。
スクワットが上手にできるようになったとして、その人の健康がすべて整ったと言えるでしょうか?
もちろん、そうとは限りません。
身体を動かす力があっても、生活習慣や健康状態にはさまざまな要素が関わっています。
筋トレは重要ですが、健康寿命を決める唯一の要素ではないのです。
1.食事|筋肉をつくるだけでなく、身体を維持するために
トレーニングを頑張っている方ほど、食事を軽く考えてほしくありません。
筋肉に負荷をかけても、必要な栄養やエネルギーが不足していれば、身体づくりに支障が出ることがあります。
特に50代以降は、体重を減らすことばかりを目標にしない視点も必要です。
体重が落ちたとしても、筋肉まで大きく減ってしまえば、必ずしも望ましい変化とは言えません。
大切なのは、たんぱく質だけを大量に摂ることでも、特定の健康食品を取り入れることでもありません。
主食、主菜、副菜などを組み合わせながら、必要なエネルギーと栄養を確保することです。
僕自身、現在3ヶ月間の増量に挑戦しています。
今回は痩せるのではなく、筋肉をつけて身体を大きくすることが目標です。
実際に取り組んでみると、トレーニングの時間だけでなく、毎日の食事まで考え続けることの大変さを感じます。
身体づくりは、ジムの中だけで完結しません。
トレーニングは身体に刺激を与える時間。食事は、その身体を日々支える時間。
両方を考える必要があると改めて感じています。
2.睡眠|頑張ることと、回復することはセット
もう一つ、僕自身が身体づくりを通して実感しているのが回復の重要性です。
現在、週5回のトレーニングに挑戦していますが、仕事との両立は簡単ではありません。
トレーニングの疲労が翌日の仕事に残り、多少影響することもありました。
以前より強く感じるのは、
トレーニングを増やせば、必ず身体に良いというわけではない
ということです。
睡眠は身体の回復だけでなく、日中の集中力や気分、さまざまな健康機能にも関係します。
もちろん、必要な睡眠時間や疲労からの回復には個人差があります。
それでも、疲れているのに毎日無理をしてトレーニングすることを、健康づくりの成功だとは考えていません。
今日は十分に動ける日なのか。
疲労が強い日なのか。
睡眠が不足していないか。
場合によっては、運動量を減らすことや休むことも必要です。
健康になるために始めた運動が、毎日の生活を苦しくしていないか。
この視点を忘れたくないと思っています。
3.日常の身体活動|ジムにいない時間のほうが長い
仮に週2回、1時間ずつ筋トレをしたとします。
とても良い習慣です。
でも、一週間には168時間あります。
そのうち筋トレしているのは2時間です。
残りの時間をどう過ごしているかも、健康を考えるうえで重要になります。
例えば、ジムで筋トレをしていても、仕事中は長時間座りっぱなし。
休日もほとんど動かない。
近くへの移動もすべて車。
そんな生活では、日常の身体活動を増やす余地があるかもしれません。
逆に、散歩を楽しむ。
買い物へ歩いて行く。
家事でこまめに動く。
階段を使う。
こうした日常の活動も、健康づくりの大切な一部です。
筋トレとウォーキングは、どちらか一方を選ぶものではありません。
筋力を維持するための運動と、日常的に身体を動かす習慣。
それぞれに役割があります。
週に何回ジムへ行ったかだけでなく、普段どれくらい身体を使っているか。
50代からの健康づくりでは、こちらも確認していきたいところです。
4.人とのつながり|健康は身体の中だけで決まらない
健康寿命について考えるとき、僕が特に大切だと思うのが、人とのつながりです。
少し想像してみてください。
70代になっても筋力があり、長い距離を歩ける。
でも、一緒に出かける人がいない。
外へ出る楽しみも少ない。
もしそんな状態だったら、筋力があることだけで満足できるでしょうか。
もちろん、一人の時間を楽しむことも大切です。
誰もが多くの人と交流する必要があるわけではありません。
それでも、家族や友人との交流、趣味の仲間、地域での活動などは、人生の充実に関わる要素です。
世界保健機関(WHO)も、健康的に年齢を重ねることを、身体機能だけではなく、自分が大切にする活動を続けられる能力や生活環境との関係で捉えています。
僕がトレーニングを通して実現したいのも、筋肉を増やすことだけではありません。
例えば、身体を鍛えたことで旅行へ行く自信がついた。
歩くことへの不安が減って、友人との外出が楽しみになった。
新しい趣味を始めるきっかけになった。
そんな変化があれば、トレーニングの価値はさらに大きくなると思います。
筋肉は人生を楽しむための手段であって、人生の目的そのものではない。
僕はそう考えています。
5.健康状態を知ること|運動で解決できないこともある
最後に、トレーナーとして忘れてはいけないことがあります。
それは、身体の不調をすべて運動で解決しようとしないことです。
血圧や血糖、脂質の異常などは、自覚症状が乏しい場合があります。
身体を動かせているからといって、健康状態に問題がないとは限りません。
また、首や腰が痛い、疲れが抜けない、息切れが強いといった症状についても、原因は一つではありません。
運動が役立つ場合もありますが、医療的な確認が必要な場合もあります。
健康診断や必要な医療相談を受け、自分の健康状態を把握することも健康づくりの一部です。
トレーニングでできることと、医療で確認すべきことを区別する。
これも、長く健康に生活するために大切な考え方だと思います。
50代から始めるなら、全部を完璧にする必要はありません
ここまで読んで、
「筋トレも、食事も、睡眠も、歩くことも、人との交流も……全部頑張らないといけないの?」
と思った方もいるかもしれません。
でも、僕はそうは考えていません。
むしろ、健康のために毎日たくさんのルールを作ってしまうと、続けること自体が負担になる場合があります。
まずは、自分の生活を振り返ってみてください。
運動不足を感じているなら、今より少し歩く。
筋力の低下が気になるなら、無理のない筋トレを始める。
睡眠不足が続いているなら、夜の過ごし方を見直す。
食事が偏っているなら、普段の食事を一つ整えてみる。
外出する機会が少ないなら、興味のある活動を探してみる。
大切なのは、すべてを一度に変えることではありません。
自分にとって今、何を変えることが必要なのかを知ること。
その小さな行動を、長い時間をかけて積み重ねることが健康づくりにつながります。
YAMATO355が目指すのは、筋トレの先にある生活
名古屋・伏見のYAMATO355で、僕が大切にしていることがあります。
それは、トレーニングをすること自体を最終的なゴールにしないことです。
もちろん、筋肉をつけたい方には筋力トレーニングを行います。
姿勢や動きに課題を感じている方には、身体の状態を確認しながら必要な方法を考えます。
その日の状態によっては、ストレッチや整体を取り入れることもあります。
でも、その先にあるものを大切にしたいのです。
旅行へ行きたい。
孫と遊びたい。
趣味を続けたい。
仕事を元気に続けたい。
これからも自分の足で歩きたい。
その人によって、健康でいたい理由は違います。
だから僕は、最初に「何kg持ち上げたいですか?」と聞くだけではなく、
「これから先、どんなことを楽しみたいですか?」
という会話も大切にしていきたいと思っています。
筋トレの回数や重さは、目標へ向かうための指標の一つです。
本当に大切なのは、トレーニングによって生活がどう変わっていくか。
身体を鍛えることを通して、人生の選択肢を減らさない。
それが、僕の考える健康寿命を意識した身体づくりです。
公的機関や研究の情報も確認しておきましょう
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されています。
高齢者では、筋力トレーニングに加えて、バランス運動や柔軟性などを含む多要素な運動を週3日以上行うことも推奨されています。
また、長時間座り続けないことや、現在の身体活動量から少しでも増やすことが大切とされています。
WHOは健康的な加齢を、身体と心の能力だけでなく、住まいや社会とのつながり、生活環境も含めて考えています。
社会的な要因と高齢期の身体・精神機能との関連を調べた2024年のシステマティックレビューでも、身体活動や社会参加などとの関連が報告されています。ただし、観察研究が中心であり、社会参加を増やせば必ず健康寿命が何年延びると断定できるものではありません。
これらの情報からも、健康寿命を考えるときには筋トレだけに注目せず、日常生活や周囲の環境を含めて考えることが重要だと分かります。
よくある質問
Q1.筋トレをすれば健康寿命は延びますか?
筋力トレーニングは、筋力や身体機能の維持・向上に役立ち、健康づくりの重要な要素です。ただし、筋トレを行えば個人の健康寿命が必ず何年延びると保証できるわけではありません。食事、睡眠、生活習慣、病気の予防や管理なども重要です。
Q2.50代から筋トレを始めても遅くありませんか?
遅くありません。50代からでも、体力や健康状態に合わせた筋力トレーニングを始める意義があります。最初から重い負荷を扱う必要はなく、現在の身体に合った方法から始めることが大切です。
Q3.ウォーキングだけでは健康寿命対策として不十分ですか?
ウォーキングには大切な役割がありますが、筋力やバランス能力などを維持するためには、筋力トレーニングやその他の運動も組み合わせることが推奨されています。体力や持病などに応じて調整してください。
Q4.健康寿命のために、最初に何を始めればいいですか?
まず現在の生活習慣を振り返ることをおすすめします。身体活動が少なければ歩く時間を増やす、筋力の低下が気になるなら筋トレを始めるなど、自分の状態に合った一歩を選びましょう。
まとめ|健康寿命を延ばすために、筋トレの先を考えよう
健康寿命は、トレーニングだけで決まるものではありません。
筋肉を鍛えることは大切です。
でも、食事も大切。
睡眠も大切。
日常的に身体を動かすことも大切。
人とのつながりや、健康状態を把握することも大切です。
僕はトレーナーとして、これからも筋力トレーニングの価値を伝えていきたいと思っています。
ただ、その理由は「筋肉をつけることが正しいから」だけではありません。
筋肉を使って、これからも好きなことを楽しんでほしいからです。
70代になっても旅行へ行く。
80代になっても自分の足で出かける。
家族や友人との時間を楽しむ。
自分の意思で、やりたいことを選ぶ。
そんな未来を目指すために、今から身体づくりを始める。
そして、ジムで過ごす時間だけでなく、毎日の生活も少しずつ整えていく。
健康寿命のためのトレーニングは、筋肉を増やすことがゴールではなく、その筋肉でどんな人生を送りたいかが大切なのだと思います。
YAMATO355 田中(ボディメンター)
2026.09.29 / 更新日:2026/09/29
【秋の食事】揚げ物・お酒が増えても罪悪感なし!楽しむ食べ方

揚げ物・お酒が増える秋、罪悪感なく楽しむ食べ方3選
秋になると、食事がおいしく感じますよね。
涼しくなって外食する機会が増えたり、友人や会社の仲間と飲みに行ったり、休日には秋の味覚を楽しんだり。
唐揚げ。
天ぷら。
焼き鳥。
秋刀魚。
炊き込みご飯。
ビール。
日本酒。
食事を楽しむ機会が増えてくる季節です。
一方で、50代のお客様とお話をしていると、
「昨日飲みに行ったから、今日は食べないようにします」
「揚げ物を食べてしまったので太りますよね?」
「ダイエット中なのに飲んでしまいました」
と、食べたあとに罪悪感を持っている方もいます。
でも私は、身体づくりをするからといって、
「揚げ物禁止」「お酒禁止」「外食禁止」
にする必要はないと思っています。
もちろん、食べる量や飲酒量が増え続ければ、体重管理や健康面へ影響する可能性があります。
だからといって、
食べてしまった。
↓
罪悪感を持つ。
↓
翌日は極端に食事を減らす。
↓
お腹が空いて、また食べすぎる。
という流れになってしまったら、長く続けられる食生活とは言いにくいですよね。
大切なのは、
「食べないこと」ではなく「どう食べるか」。
今回は、揚げ物やお酒を楽しむ機会が増える秋に知ってほしい、3つの食べ方についてお話しします。
そもそも「一回食べたから太る」と考えなくていい
ダイエット中の方ほど、
「昨日食べすぎたから太った」
と考えてしまいます。
特に外食の翌日に体重計へ乗って、1kg近く増えていると、
「やっぱり昨日の揚げ物だ」
「お酒を飲んだから太った」
と焦る方もいると思います。
ただ、翌日の体重変化をそのまま「体脂肪が増えた」と考える必要はありません。
外食では塩分や炭水化物の摂取量が普段より多くなったり、食事そのものの重量や体内の水分量などが変わったりします。
アルコールを飲んだ翌日も、身体の水分状態などによって体重は変動します。
つまり、
「体重が増えた=その分すべて脂肪になった」
ではありません。
だから、一回の外食だけを見て一喜一憂するのではなく、
1日ではなく、数日から数週間の食生活を見る。
この視点を持ってみてください。
身体づくりは、一食で決まるものではありません。
普段の食事、運動、日常活動、睡眠などが積み重なっていきます。
秋の食事を楽しむためにも、まず「一回食べたら終わり」という考え方を手放すことから始めてみましょう。
① 揚げ物を食べるなら「揚げ物だけの食事」にしない
秋になると食べたくなるものの一つが揚げ物です。
唐揚げ、天ぷら、とんかつ、フライ。
「ダイエット中だから食べない」
と我慢している方もいると思います。
でも、揚げ物を完全に禁止する必要はありません。
考えてほしいのは、
「揚げ物を食べるか、食べないか」より、「揚げ物をどんな食事の中で食べるか」。
です。
例えば、
唐揚げ+フライドポテト+ビール。
これだと揚げ物が中心になりやすく、食事全体のエネルギー量も大きくなりやすいですよね。
一方で、
唐揚げを楽しみながら、野菜や海藻、きのこ類などを使った副菜を加える。
豆腐や刺身なども組み合わせる。
ご飯も「食べてはいけない」と極端に抜くのではなく、自分に合った量にする。
このように考えると、同じ「唐揚げを食べる」という食事でも全体のバランスは変わります。
大切なのは、
好きなものを食事の中心100%にしないこと。
です。
秋の味覚を楽しみながら、それ以外の料理でバランスを取る。
私は、この考え方のほうが長く続けやすいと思っています。
最初に「何を追加するか」を考える
ダイエットというと、
「何を減らそう?」
と考えます。
ご飯を減らす。
脂質を減らす。
お酒を減らす。
お菓子を減らす。
もちろん、必要に応じて量を調整することはあります。
でも最初から「減らすこと」ばかり考えると、食事がどんどん窮屈になります。
そこで、
「この食事に何を追加したらバランスが良くなる?」
と考えてみてください。
揚げ物だけなら野菜料理を追加する。
麺だけなら、たんぱく質源になる料理も考える。
居酒屋なら枝豆、冷奴、刺身、焼き魚なども選択肢に入れる。
こうすると、
「唐揚げを食べてしまった」
ではなく、
「唐揚げも楽しみながら、食事全体を整えた」
と考えられます。
身体づくりは、禁止する食品を増やすことではありません。
自分で食事のバランスを調整できるようになることも、身体づくりの一つです。
② お酒を飲む日は「お酒+つまみ」をセットで考える
秋は飲み会や外食が増える方もいると思います。
ここでよくあるのが、
「糖質が少ないお酒なら大丈夫ですよね?」
という質問です。
しかし、お酒を考えるときに、糖質だけを見ればいいわけではありません。
アルコールそのものにもエネルギーがあります。
さらに、お酒を飲む場面では、
唐揚げ。
フライドポテト。
締めのラーメン。
ピザ。
デザート。
など、食事量も増えやすくなります。
そのため、
「何を飲んだか」だけではなく、「飲みながら何を食べたか」
まで見ることが大切です。
例えば居酒屋へ行ったとき。
最初から揚げ物ばかり注文するのではなく、刺身、冷奴、枝豆、焼き魚、野菜料理なども選ぶ。
そのうえで、
「唐揚げも食べよう」
「今日は日本酒も楽しもう」
という選択をする。
これなら、
「身体づくり中だから何も食べられない」
という状態にはなりません。
お酒と一緒に水も飲む
飲酒するときには、水分補給も意識してください。
お酒を飲みながら水も飲む。
一杯飲んだら、次に水やノンアルコール飲料を挟む。
こうすると、飲酒のペースをゆっくりにするきっかけにもなります。
また、
「何杯までなら絶対に安全」
という飲酒量が全員に共通して存在するわけではありません。
アルコールによる健康影響は、飲酒量だけでなく、年齢、性別、体質、持病、服薬などによっても異なります。
厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」でも、飲酒量を純アルコール量で把握し、健康状態などを踏まえて飲酒について判断することが重要とされています。
だから、
「このお酒なら太らない」
ではなく、
自分がどのくらい飲んでいるのかを知ること。
そして、
飲まない日も作ること。
これも身体づくりでは大切です。
③ 食べすぎた翌日は「罰を与える」のではなく「いつもの生活に戻す」
秋の外食で最も気をつけてほしいのが、実は食べている最中よりも翌日です。
「昨日飲んだから朝食を抜こう」
「昨日揚げ物を食べたから今日はサラダだけ」
「昨日食べすぎたから2時間走ろう」
このように、食べたことへの罪悪感から極端な行動を取る方がいます。
でも私は、
食べすぎた翌日は、身体へ罰を与える日ではない
と思っています。
大切なのは、
いつもの生活に戻すこと。
です。
朝起きる。
水分を取る。
普段通り食事をする。
野菜やたんぱく質なども取りながら食事を整える。
少し歩く。
いつものトレーニングをする。
そして夜はしっかり寝る。
これでいいのです。
「昨日食べたから今日は食べない」
という極端な調整をすると、夕方になって強い空腹を感じ、また食べすぎることもあります。
すると、
食べる。
↓
後悔する。
↓
我慢する。
↓
空腹になる。
↓
また食べる。
という流れになりやすくなります。
それよりも、
「昨日は楽しんだ。今日はいつもの生活に戻そう」
と切り替える。
このほうが、長期的には身体づくりを続けやすくなります。
「運動で昨日食べた分を消費しよう」と考えなくていい
これもよくある考え方です。
「昨日食べた唐揚げを消費するために走ります」
「ビールを飲んだから今日は筋トレを倍やります」
運動をすること自体は良いことです。
でも、
食べたことへの罰として運動する
という考え方には注意してほしいと思います。
運動は、食べたものを帳消しにするためだけに行うものではありません。
筋力を維持する。
体力をつける。
身体機能を維持する。
ストレスを発散する。
睡眠につなげる。
将来も自分の足で動ける身体を作る。
トレーニングには、もっといろいろな意味があります。
だから、
「昨日食べたから運動しなきゃ」
ではなく、
「身体を整えるために、今日もいつも通り身体を動かそう」
くらいでいいと思います。
秋に太りやすい原因を「食欲」だけにしない
秋になると、
「食欲の秋だから太った」
と言う方がいます。
もちろん、食事量が増えることは体重増加の一因になります。
でも、生活全体を見てみると、それだけではないことがあります。
夏は外出していたのに、涼しくなって家で過ごす時間が増えた。
仕事が忙しくなり歩数が減った。
飲み会が増えた。
睡眠時間が短くなった。
筋トレへ行く回数が減った。
間食が少しずつ増えた。
一つ一つは小さな変化でも、それが積み重なることがあります。
だから、
「秋になって太った」
↓
「食事を減らそう」
だけではなく、
食事・運動・日常活動・睡眠をセットで振り返る。
この視点を持ってみてください。
50代だからこそ「一生続けられる食べ方」を考える
20代の頃なら、
「来月までに3kg落としたい」
と短期間だけ食事を我慢することもできたかもしれません。
でも50代からの身体づくりでは、私は少し違う考え方をおすすめしています。
それは、
「この食生活を10年後も続けられるか?」
です。
唐揚げを一生食べない。
お酒を飲む機会をすべて断る。
友人との外食へ行かない。
旅行へ行っても食べたいものを我慢する。
もちろん本人が望んでそうするなら問題ありません。
でも、
「健康になるために人生の楽しみを全部なくす」
必要はありません。
健康な身体を作る目的の一つは、
人生を楽しむこと
でもあると思います。
友人と食事へ行く。
家族と旅行へ行く。
秋の味覚を楽しむ。
たまにはお酒を飲む。
そして普段は身体を動かし、食事を整える。
このバランスを自分で作れるようになる。
50代からは、
「食べない身体づくり」より「食べても戻せる身体づくり」
を考えてみてください。
YAMATO355では「食べてはいけないもの」を増やすだけの指導はしません
名古屋・伏見のYAMATO355で、私、田中(ボディメンター)がお客様と身体づくりを考えるときも、
「揚げ物禁止です」
「お酒禁止です」
「炭水化物を食べないでください」
と、食品を禁止するところから始めるわけではありません。
まず、その方の生活を見ます。
朝食は食べているのか。
昼食はどんなものを選んでいるのか。
夕食は何時なのか。
お酒は週何回なのか。
外食はどのくらいあるのか。
間食はどんなときに増えるのか。
睡眠は取れているのか。
普段どのくらい歩いているのか。
筋トレはできているのか。
そこまで見て、
「どこを変えれば、一番無理なく身体が変わりそうか?」
を考えます。
例えば、週に一度の友人との飲み会を楽しみにしている方から、その時間まで取り上げる必要があるとは限りません。
飲み会は楽しむ。
その代わり、普段の食事を整える。
日常の歩数を増やす。
筋トレを続ける。
睡眠を確保する。
翌日はいつもの食生活へ戻す。
そのほうが、その方の人生には合っているかもしれません。
私は、
お客様を食事メニューに当てはめるのではなく、その方の生活に身体づくりを合わせること
が大切だと思っています。
公的機関の情報も確認しておきましょう
厚生労働省は、飲酒について「純アルコール量」に着目して自分の飲酒量を把握することや、飲酒前または飲酒中に食事を取る、水などを飲む、飲酒しない日を設けるといった行動を紹介しています。
また、飲酒量が少ないほど飲酒によるリスクが少なくなるという考え方を示しており、年齢、性別、体質、疾病などによってアルコールの影響には個人差があります。
「この量なら誰でも安全」と考えるのではなく、自分自身の飲酒状況や健康状態を確認することが重要です。
まとめ|秋の食事は「我慢」ではなく「戻せる習慣」を作る
揚げ物やお酒が増える秋。
身体づくりをしていると、
「食べていいのかな」
「飲んだら太るかな」
と不安になることもあると思います。
でも、一回の食事だけで身体づくりの成功・失敗が決まるわけではありません。
大切なのは3つです。
① 揚げ物を食べるなら、揚げ物だけの食事にしない。
② お酒は、お酒だけでなく一緒に食べるものまで考える。
③ 食べすぎた翌日は、極端に減らさずいつもの生活へ戻す。
そして、もう一つ覚えておいてほしいことがあります。
「楽しんだ食事に、罪悪感までセットにしなくていい。」
秋刀魚を食べる。
旅行先でおいしいものを食べる。
友人と乾杯する。
家族と外食する。
それも人生の一部です。
大切なのは、楽しんだあとに、
「もうダメだ」
ではなく、
「おいしかった。明日からまたいつも通りに戻そう」
と言えること。
50代からの身体づくりは、一時的なダイエットではありません。
これから10年、20年と続く生活の中で、食事を楽しみながら健康な身体を作っていく。
我慢できる人になるのではなく、自分でバランスを取れる人になる。
そんな食生活を、秋から始めてみてください。
YAMATO355 田中(ボディメンター)



