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田中雄也

2026.09.14 / 更新日:2026/09/14

【60代 自分の足で歩く】80代まで歩き続けるために必要な筋肉

田中ボディメンターが60代の歩行を評価する様子

 

60代から「自分の足で歩き続ける」ために必要な筋肉

 

「最近、歩くスピードが遅くなった」

「階段で脚が疲れる」

「何もないところでつまずくことが増えた」

「旅行へ行っても、以前ほど歩けなくなった」

60代になると、このような身体の変化を感じる方もいると思います。

 

そこで、

「脚の筋肉をつけなきゃ」

とスクワットを始める方も多いでしょう。

もちろん筋力トレーニングは大切です。

しかし、70代・80代になっても自分の足で歩き続けるためには、

「太ももだけを鍛える」では不十分です。

 

歩くという動作では、

お尻
太もも
ふくらはぎ
すね
足部
体幹

などが連動しています。

 

そして、筋力だけでなく、

バランス・関節の動き・身体全体の連動

も重要です。

 

今回は「歩くために必要な筋肉」という視点から、60代から意識したい身体づくりについて解説します。

 

① お尻の筋肉|身体を前へ運ぶ土台

まず重要なのが、

お尻の筋肉です。

代表的なのが大臀筋や中臀筋です。

大臀筋は股関節を伸ばす動きなどに関わり、立ち上がる・階段を上るといった動作でも働きます。

中臀筋など股関節周辺の筋肉は、歩行時に片脚になったときの骨盤や身体の安定にも関係します。

考えてみると、歩いている時間の中には、

右脚で身体を支える → 左脚で支える

という片脚支持の瞬間が繰り返しあります。

 

そのため、

「両脚でスクワットができる」

だけでなく、

片脚になったときに身体を安定させられるか

も重要です。

 

お尻を鍛えるなら、

ヒップリフト。

椅子からの立ち上がり。

安全な場所での片脚立ち。

などから始める方法があります。

 

② 太ももの筋肉|立つ・座る・階段を支える

 

次に、

太ももの筋肉。

特に大腿四頭筋は膝を伸ばす動きに関わります。

 

椅子から立つ。

階段を上る。

しゃがんで立つ。

こうした日常動作にも重要です。

そのため、

「最近、椅子から立つときに手を使うようになった」

「階段で脚が疲れやすくなった」

という場合、下肢の筋力や動作を一度確認してみてもいいでしょう。

 

ただし、

立ちにくい=大腿四頭筋が弱い

と単純には決められません。

 

足首。

股関節。

骨盤。

体幹。

バランス。

なども関係します。

ここが、60代からの身体づくりで大切なポイントです。

 

③ もも裏|脚を後ろへ運ぶ動きを支える

 

太ももの前側だけではありません。

太ももの後ろ側にある、

ハムストリングス

も股関節や膝の動きに関係しています。

歩く動作では、

前へ脚を出す。

地面に着く。

身体がその脚の上を通過する。

後ろへ蹴り出す。

そして次の一歩へ。

という連続した動きが起こっています。

 

だから、

「前ももを鍛えれば歩ける」

というわけではありません。

身体の前側と後ろ側を含め、下半身全体を使えることが重要です。

ヒップリフトなどは、お尻とともにもも裏を使う練習として取り入れやすい種目です。

 

④ ふくらはぎ|最後の一歩を支える

 

歩くために意外と見落とされるのが、

ふくらはぎです。

歩行では足が地面についたあと、身体を前方へ進めて次の一歩につなげていきます。

このとき足首周辺やふくらはぎの筋肉も働きます。

簡単なトレーニングなら、

カーフレイズ(かかと上げ)

があります。

壁や安定した椅子につかまり、

かかとをゆっくり上げる。

ゆっくり下ろす。

まず10回程度。

これだけでも構いません。

ただし、回数だけではなく、

右と左で差はないか。

足首に痛みはないか。

バランスを大きく崩さないか。

も確認しましょう。

 

⑤ すね・足首・足部|「つまずかない」ためにも重要

 

「最近、何もないところでつまずく」

という60代の方には、

すね・足首・足部

にも注目してほしいと思います。

歩くときは、足を前へ運ぶだけではありません。

つま先が床へ引っかからないように足首をコントロールし、着地したあとも身体を支える必要があります。

例えば、すね側にある前脛骨筋は足首を上げる動きに関係します。

 

ただし、

つまずく=前脛骨筋が弱い

とも限りません。

 

股関節で脚を持ち上げにくい。

歩幅が小さい。

姿勢が変化している。

バランスが低下している。

視覚や神経系など別の要因がある。

こうした可能性もあります。

 

急につまずくことが増えた、片側だけ脚が上がりにくい、しびれ・脱力などを伴う場合は、「筋力低下だろう」と自己判断せず、医療機関へ相談してください。

 

⑥ コア|歩くためには「脚以外」も重要

 

そして忘れてほしくないのが、

コア(体幹)です。

歩いているとき、脚だけが動いているわけではありません。

右脚が前へ出る。

反対側の腕が振られる。

骨盤や胸郭が動く。

その中で身体の中心をコントロールしています。

体幹の安定には、

横隔膜。

腹横筋。

多裂筋。

骨盤底筋群。

なども関係します。

 

だから、

「歩けなくなってきた→脚だけ鍛える」

ではなく、

脚を動かせる土台として体幹がどう働いているか

も見ていくことが重要です。

 

コアが強いというのも、

お腹をガチガチに固められることではありません。

身体の中心を安定させながら、手足を動かせること。

歩行はまさに、その繰り返しです。

大切なのは「筋肉」ではなく筋肉同士の連動

 

ここまで、

お尻。

太もも。

もも裏。

ふくらはぎ。

すね。

コア。

と紹介しました。

 

ただ、今回一番伝えたいのは、

「どの筋肉が一番重要?」だけで考えないことです。

歩く動作は、一つの筋肉だけでは成立しません。

 

例えば、

足が地面につく。

足首・膝・股関節で身体を受け止める。

片脚で身体を支える。

身体を前へ運ぶ。

反対側の脚を前へ出す。

これを無意識に繰り返しています。

つまり必要なのは、

筋肉の強さ+関節の動き+バランス+全身の連動。

だから、

「歩くために大腿四頭筋を鍛えましょう」

だけではなく、

実際にどう歩けているのかを見る

ことが大切です。

 

自宅ならこの3つから始める

 

60代で運動習慣がなかった方なら、難しい運動から始める必要はありません。

まずおすすめしたいのは次の3つです。

 

① 椅子から立つ

安定した椅子から、

ゆっくり立つ → ゆっくり座る。

まず5〜10回。

太ももだけでなく、お尻や体幹を使って立つ練習にもなります。

 

② かかと上げ

壁や椅子につかまり、

かかとを上げる → ゆっくり戻す。

10回程度から。

ふくらはぎや足首周辺を使います。

 

③ 片脚立ち

転倒しないよう、必ず壁や安定した椅子の近くで行います。

片脚を少し浮かせ、

まず5〜10秒程度。

左右を比較してみましょう。

ふらつくこと自体が「ダメ」なのではありません。

今の自分の身体を知ること

が目的です。

 

「毎日1万歩」だけではなく筋トレも組み合わせる

 

健康のために、

「毎日歩いているから大丈夫」

という方もいると思います。

歩くことはとても大切です。

しかし、60代以降の身体づくりでは、

歩く+筋力トレーニング+バランス

という視点を持ってみてください。

 

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、高齢者には歩行などの身体活動だけでなく、筋力・バランス・柔軟性などを含む多要素な運動と筋力トレーニングが推奨されています。

 

歩くための身体を作るには、

歩く練習だけでなく、「歩く身体を支える機能」も維持する。

この考え方が大切です。

 

YAMATO355では「歩けない=脚が弱い」と決めません

名古屋・伏見のYAMATO355で、私、田中(ボディメンター)が60代のお客様を見るときも、

「脚が弱っていますね。スクワットしましょう」

とすぐには決めません。

まず、

歩幅。

歩くスピード。

左右差。

片脚での安定性。

足首。

膝。

股関節。

骨盤。

姿勢。

呼吸。

体幹。

などを確認します。

例えば、

足首へのアプローチをしたあとに歩く。

「さっきより歩きやすい」

股関節を動かしたあとに歩く。

「脚が前へ出やすい」

体幹を使う練習をしたあとに片脚立ちをする。

「さっきより安定する」

このように、

評価 → アプローチ → 運動 → 再評価

を繰り返します。

 

いわば、

身体の答え合わせです。

「この筋肉が弱いから、この種目」

だけではなく、

なぜ今の歩き方になっているのか?

を一緒に探していく。

70代・80代になっても自分の足で歩くためには、この考え方が大切だと思っています。

 

公的機関の情報も確認しておきましょう

厚生労働省の高齢者向けガイドでは、個人差を踏まえて無理のない範囲から始めることを前提に、歩行または同等以上の身体活動を1日40分以上(約6,000歩以上)、筋力・バランス・柔軟性などを含む多要素な運動を週3日以上、さらに筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨しています。

また、厚生労働省は、筋トレについて特定の部位だけでなく、胸・背中・上肢・腹部・臀部・下肢など、大きな筋群を全身まんべんなく鍛える考え方を示しています。

つまり、

「歩くためには脚だけ鍛えればいい」

ではありません。

歩く。

筋肉を鍛える。

バランスを保つ。

身体を動かす。

これらを組み合わせることが、これからの身体づくりにつながります。

厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」

 

よくある質問

 

Q. 60代は毎日何歩くらい歩けばいいですか?

厚生労働省では、高齢者について歩行または同等以上の身体活動を1日40分以上、約6,000歩以上に相当する量を推奨しています。ただし、現在ほとんど運動していない方が突然6,000歩を目指す必要はありません。「今より少しでも多く」から始めましょう。

 

Q. 歩くだけでも足腰は鍛えられますか?

歩くことは重要な身体活動ですが、60代以降は筋力トレーニングやバランス運動なども組み合わせることが推奨されています。

 

Q. スクワットだけやれば大丈夫ですか?

スクワットは有効な選択肢の一つですが、それだけですべてを補えるわけではありません。お尻・ふくらはぎ・体幹、バランス、実際の歩行なども含めて考えましょう。

 

Q. 何もないところでつまずくのは筋力低下ですか?

筋力が関係する場合もありますが、それだけとは限りません。急に増えた、片脚だけ動かしにくい、しびれや脱力などがある場合は医療機関へ相談してください。

 

まとめ|60代から鍛えたいのは「歩くためのチーム」

自分の足で歩き続けるために必要なのは、

① お尻
② 太もも
③ もも裏
④ ふくらはぎ
⑤ すね・足首・足部
⑥ コア

です。

でも、本当に重要なのは、

この6つをバラバラに考えないこと。

歩くときには、それぞれがチームのように連動します。

だから60代からは、

「どの筋肉を鍛えればいい?」

からもう一歩進んで、

「自分の身体は今、どう歩いている?」

を確認してほしいと思います。

筋トレの目的も、脚を太くすることだけではありません。

スーパーへ買い物に行く。

友人と出かける。

孫と遊ぶ。

旅行先を歩き回る。

自分で階段を上る。

そして70代・80代になっても、

「行きたい場所へ、自分の足で行く」。

そのための筋肉を、60代の今から少しずつ貯めていきましょう。

 

YAMATO355 田中(ボディメンター)

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