2026.08.20 / 更新日:2026/08/20
【60代 体力が落ちた】まず見直す3つ|無理なく体力を取り戻す

60代で体力が落ちたと感じたら、最初に見直したい3つ
「最近、階段を上るだけで疲れる」
「旅行へ行っても、以前ほど歩けなくなった」
「休日に出かけるのが少し億劫になった」
「夕方になると体力が残っていない」
「昔と比べて明らかに身体が重い」
60代になって、こうした身体の変化を感じていませんか?
すると、
「もう60代だから仕方ない」
と思ってしまう方もいると思います。
でも、私はパーソナルトレーナーとして50代・60代のお客様と接している中で、この言葉を聞くと少しもったいないと感じます。
もちろん年齢による身体の変化はあります。
しかし、「60代=体力が落ちるから何をしても仕方ない」ではありません。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、高齢者は個人差を踏まえて強度・量を調整しながら、今より少しでも多く身体を動かすことが推奨されています。さらに筋力トレーニングは週2〜3日、筋力・バランス・柔軟性などを含む多要素な運動は週3日以上が推奨されています。
大切なのは、
「もっと頑張らなきゃ」と焦ることではなく、なぜ体力が落ちたように感じるのかを一度整理すること。
私なら、まず次の3つを見直します。
① 日常の活動量
② 下半身を中心とした筋力
③ 睡眠・食事を含めた回復力
順番に見ていきましょう。
60代で体力が落ちたら①「日常の活動量」を見直す
最初に確認してほしいのは、
「運動しているか?」ではなく「1日の中でどれくらい身体を動かしているか?」
です。
ここは意外と見落とされます。
例えば、
車で買い物へ行く。
エレベーターを使う。
自宅ではテレビを見る。
仕事をしている方なら、デスクに長時間座る。
休日も疲れて家で過ごす。
一つひとつは普通の生活です。
しかし積み重なると、
「身体を動かさなくても生活できる環境」
になっていることがあります。
「運動していない」より「動かなくなった」に注目する
「60代になって急に体力がなくなった」
と感じていても、実際には50代頃から少しずつ活動量が減っているケースがあります。
以前は駅まで歩いていた。
休日はよく出かけていた。
階段を普通に使っていた。
買い物にも歩いて行っていた。
それが少しずつ、
車。
エスカレーター。
ネットショッピング。
自宅で過ごす時間。
に変わっていく。
身体を使う機会が減れば、それまで普通にできていたことにも負担を感じやすくなります。
だから私は、
「ジムへ行っていないからダメ」ではなく、「普段どれくらい動いているか?」
から確認します。
60代は「いきなり1万歩」を目指さなくていい
ここで、
「じゃあ明日から1万歩!」
と考える必要はありません。
厚生労働省は高齢者について、歩行またはそれと同等以上の身体活動を**1日40分以上(約6,000歩以上)**行うことを推奨していますが、同時に、推奨値に満たなくても少しでも身体活動を行うことを勧めています。
つまり重要なのは、
0から100にすることではなく、今より少し増やすこと。
例えば現在3,000歩なら、
まず3,500歩。
慣れたら4,000歩。
「夕食後に10分だけ歩く」
でも構いません。
体力づくりは、
頑張れる量ではなく、続けられる量から。
私はこの考え方を60代のお客様には特に大切にしています。
60代で体力が落ちたら②「筋力」を見直す
2つ目は、
筋力です。
ただし、
「60代だから重いダンベルを持ちましょう」
という話ではありません。
私が特に見てほしいのは、
日常生活を支える下半身・体幹の筋力
です。
例えば、
椅子から立ち上がる。
階段を上る。
電車で立つ。
買い物袋を持つ。
床から立ち上がる。
旅行先を歩く。
これらの動作には筋力が必要です。
だから筋力が落ちてくると、
以前と同じ生活をしているだけなのに、身体への負担が大きく感じる
ことがあります。
「疲れやすい=持久力」だけではない
体力というと、
「心肺機能」
「ウォーキング」
「ランニング」
をイメージする方が多いと思います。
もちろん持久力も重要です。
しかし、
筋力も体力の重要な要素です。
例えば脚の筋力が十分なら、階段を上るという動作にも余裕があります。
反対に筋力が低下すると、同じ階段でも自分にとって相対的に大きな負荷になります。
だから、
「体力が落ちたからウォーキングだけ」
ではなく、
歩く+筋肉を使う
という考え方を持ってほしいのです。
60代から筋トレを始めても遅くない
「筋トレは若い人がやるもの」
と思っていませんか?
厚生労働省は、高齢者についても週2〜3日の筋力トレーニングを推奨しています。
しかも筋トレは、
マシン。
バーベル。
重いダンベル。
だけではありません。
自分の体重を利用したスクワットなども筋力トレーニングに含まれます。
運動初心者なら、
椅子から立つ → 座る
でもスタートできます。
例えば、
椅子から5回立つ。
休む。
もう5回行う。
最初はそれでもいいのです。
ただし「スクワット100回」は必要ありません
体力が落ちたと感じると、
「筋肉をつけなきゃ!」
と焦る方もいます。
そして、
毎日スクワット100回。
毎日筋トレ。
いきなり長時間ウォーキング。
となってしまう。
私はおすすめしません。
厚生労働省のガイドでも、筋力トレーニングは週2〜3日とされており、無理をせず休養日を設ける考え方が示されています。
60代からは、
「たくさんやった人が勝ち」ではなく、「身体に合った運動を継続できた人が強い」
くらいに考えてみてください。
60代で体力が落ちたら③「回復力」を見直す
そして3つ目。
ここはトレーニング以上に見落とされやすい部分です。
回復できていますか?
ということ。
運動を頑張る。
たくさん歩く。
筋トレをする。
もちろん重要です。
しかし身体づくりは、
運動だけでは完成しません。
運動によって身体へ刺激を与えたら、睡眠や食事を通じて回復する時間も必要です。
「寝ている」と「回復できている」は少し違う
例えば、
「7時間寝ています」
という方でも、
夜中に何度も目が覚める。
朝起きても身体が重い。
寝る直前までスマートフォン。
夕食が遅い。
生活リズムがバラバラ。
という状態かもしれません。
体力づくりというと運動ばかりに目が向きますが、
「どう動くか」と同じくらい「どう休むか」も考える。
私はここもお客様にお伝えしています。
60代は「食べる量を減らす」だけに注意
さらに、食事です。
60代になると、
「太りたくない」
「昔より食べられなくなった」
という理由で、食事量が少なくなっている方もいます。
しかし身体を動かし、筋肉を維持するためには栄養が必要です。
特に、
たんぱく質だけを単独で考えるのではなく、主食・主菜・副菜を含めた食事全体
を確認してください。
「体重を減らすこと」だけを目的にして、
食べない。
動かない。
筋肉も使わない。
となってしまえば、体力づくりとは逆方向になる可能性があります。
だから私は60代のお客様には、
「体重を何kgにするか?」だけではなく「その身体で何ができるようになりたいか?」
を聞くようにしています。
60代の体力づくりは「筋力・バランス・柔軟性」を組み合わせる
60代では、
「ウォーキングだけ」
「筋トレだけ」
と一つに絞る必要はありません。
厚生労働省は高齢者に対し、筋力・バランス・柔軟性などを組み合わせた多要素な運動を週3日以上行うことを推奨しています。
例えば、
月曜日:軽いスクワット+ウォーキング
火曜日:散歩+ストレッチ
水曜日:休養
木曜日:筋トレ+バランス運動
金曜日:散歩
土曜日:趣味や外出
日曜日:身体の状態に合わせて休養
このように、
「身体を動かす日」と「回復させる日」を生活の中に作る
という方法もあります。
60代で特に大切にしたい「バランス能力」
もう一つ、60代からぜひ意識してほしいのが、
バランス能力
です。
若い頃のトレーニングでは、
「筋肉を大きくする」
「重いものを持つ」
に注目しやすいですよね。
しかし60代以降では、
歩く。
方向を変える。
段差を越える。
片脚になる。
身体を立て直す。
こうした能力も重要です。
だからこそ、
筋力+バランス+柔軟性
を組み合わせて考える。
これは厚生労働省の高齢者向けガイドとも一致する考え方です。
「体力が落ちたから、とにかく鍛える」は少し待ってください
ここまで読むと、
「やっぱり筋トレしないと!」
と思うかもしれません。
でも、私はここで一度身体を見てほしいと思っています。
例えばスクワットをしたとき、
膝に違和感がある。
腰ばかり疲れる。
太ももの前しか使えない。
しゃがめない。
左右で動きが違う。
という場合。
その状態で、
回数だけ増やす
ことが最適とは限りません。
「筋力不足」だと思っていたものが、
実は、
股関節。
足首。
姿勢。
呼吸。
身体の使い方。
などに関係している場合もあります。
だからYAMATO355では、
評価 → アプローチ → 運動 → 再評価
という流れを大切にしています。
YAMATO355のハイブリッド整体という考え方
YAMATO355では、
骨格アライメント調整 × ウエイトトレーニング
を組み合わせた「ハイブリッド整体」という考え方を取り入れています。
ただ身体をほぐして終わる。
ただ筋肉を鍛えて終わる。
ではありません。
身体の状態を確認する。
必要に応じて整える。
その状態で正しく身体を動かす。
そしてもう一度、
「最初より動きやすくなったか?」
を確認する。
私はこの身体の答え合わせを大切にしています。
田中ゆうやが60代の方に「まず頑張りましょう」と言わない理由
私はボディメンターとして、
「体力が落ちました」
と相談された方に、
「じゃあ今日から週3回筋トレしましょう!」
とは、すぐに言いません。
まず知りたいのは、
なぜ体力が落ちたと感じているのか。
いつ頃からなのか。
普段どれくらい歩くのか。
どんな生活をしているのか。
何ができなくなったのか。
そして、
これから何ができるようになりたいのか。
です。
「体力をつけたい」の先にあるものを見る
例えば、
「体力をつけたい」
という60代のお客様がいたとします。
でも話を聞いてみると、
本当の目的は、
「秋に妻と旅行へ行きたい」
かもしれません。
「孫と遊びたい」
かもしれません。
「ゴルフを70代になっても続けたい」
かもしれません。
「階段を普通に上りたい」
かもしれません。
私は、
体力をつけること自体がゴールではない
と思っています。
体力は、
自分の人生でやりたいことを続けるための土台
です。
ここを忘れないようにしたいのです。
60代で体力が落ちたと感じたら「測る」ことも大切
人間の感覚は意外と曖昧です。
「最近、体力が落ちた気がする」
と思っていても、
何が落ちたのか分からない。
そこで、
現在地を確認する
ことをおすすめします。
例えば、
何分歩くと疲れるか。
椅子から何回立てるか。
階段を何階まで楽に上れるか。
片脚で安定して立てるか。
スクワットはどんなフォームになるか。
こうした簡単な指標でも構いません。
そして1〜2カ月後に、
もう一度確認する。
これも「答え合わせ」です。
「なんとなく良くなった」
ではなく、
「前よりここができるようになった」
と分かると、運動を続けるモチベーションにもなります。
60代の体力低下で注意したいこと
ただし、
すべての体力低下を運動不足や筋力低下で説明することはできません。
例えば、
急に体力が落ちた。
以前と比べて極端に疲れる。
息切れが強い。
胸部の違和感がある。
動悸やめまいがある。
食欲低下や意図しない体重減少がある。
体調不良が長く続いている。
こうした場合は、
「60代だから」「運動不足だから」と自己判断せず、医療機関へ相談してください。
トレーナーの役割は病気を診断することではありません。
私は、
運動でサポートできることと、医療機関へつなぐべきことを区別する
ことも、お客様ファーストの大切な部分だと考えています。
今日から始めるなら、この3つだけ
この記事を読んで、
「結局何をすればいいの?」
と思った方へ。
難しく考えなくて大丈夫です。
まずは、
① 今より10分多く歩く
いきなり6,000歩を目指すのではなく、現在より少し増やす。
② 椅子から5〜10回立つ
膝や腰に問題がなければ、丁寧に立つ・座るを繰り返してみる。
③ 今日30分早く寝る
運動だけではなく、回復する時間を確保する。
これくらいからで構いません。
60代からの体力づくりは、
「できるか・できないか」ではなく、「できる量から始める」
ことが大切です。
60代から取り戻したいのは「若さ」ではなく「行動できる身体」
私は60代のお客様に、
「20代の身体に戻りましょう」
とは言いません。
目指したいのは、
今より生活に余裕のある身体
です。
旅行へ行ける。
買い物を楽しめる。
階段を上れる。
趣味を続けられる。
友人と出かけられる。
家族と遊べる。
「疲れるからやめておこう」
ではなく、
「行ってみよう」
と思える。
私は、これこそ60代から体力をつける大きな意味だと思っています。
公的機関の情報も確認しておきましょう
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人・高齢者それぞれについて身体活動や筋力トレーニングの考え方が示されています。
高齢者については、個人差を踏まえて強度・量を調整し、可能なものから始めることを基本として、
・歩行または同等以上の身体活動:1日40分以上(約6,000歩以上)
・筋力・バランス・柔軟性などの多要素な運動:週3日以上
・筋力トレーニング:週2〜3日
などが推奨されています。推奨量に届かない場合でも、少しでも身体活動を行うことが勧められています。
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
よくある質問
Q. 60代で体力が落ちるのは仕方ないですか?
加齢による身体の変化はありますが、すべてを年齢だけで説明することはできません。普段の活動量、筋力、食事、睡眠なども確認してみましょう。
Q. 60代から筋トレを始めても遅くありませんか?
年齢だけを理由に諦める必要はありません。厚生労働省も高齢者に週2〜3日の筋力トレーニングを推奨しています。ただし、現在の体力や健康状態に合わせて無理のない内容から始めることが重要です。
Q. ウォーキングだけでも体力はつきますか?
ウォーキングは身体活動を増やす良い方法ですが、60代以降では筋力やバランス、柔軟性も重要です。ウォーキングだけに限定せず、筋力トレーニングや多要素な運動を組み合わせる考え方がおすすめです。
Q. 運動経験がほとんどありません。何から始めればいいですか?
まず現在の活動量を把握して、少しだけ増やすことから始めてください。厚生労働省も「今よりも少しでも多く身体を動かす」という考え方を示しています。
まとめ|60代で体力が落ちたら「年齢」より先に3つを見直す
60代で体力が落ちたと感じたら、最初に見直してほしいのは3つです。
① 日常の活動量
② 下半身を中心とした筋力
③ 睡眠・食事を含めた回復力
「60代だから仕方ない」
と考える前に、
今、何歩歩いているのか。
筋肉を使っているのか。
しっかり回復できているのか。
一度確認してみてください。
そして大切なのは、
一気に全部変えないこと。
今日10分歩く。
椅子から5回立つ。
少し早く寝る。
そのくらいからでもいいのです。
私、田中ゆうやがボディメンターとして大切にしているのも、
「できないことを指摘する」のではなく、「今できることから一緒に増やしていく」
という考え方です。
60代から体力をつける目的は、若い頃に戻ることではありません。
70代、80代になっても、自分がやりたいことを自分の身体で楽しむため。
「最近、体力が落ちたな」
その気づきは、身体づくりを始める良いタイミングかもしれません。
YAMATO355 田中(ボディメンター)


