2026.08.12 / 更新日:2026/08/12
【残暑バテ 筋肉量】タンパク質と自律神経から考える疲労対策

残暑バテ、実は「筋肉量」が原因かも?
8月も後半に入り、「夏も終わりに近づいているのに、なんだか身体が重い……」と感じていませんか?
朝起きてもスッキリしない。
少し動いただけで疲れる。
食欲が落ちてきた。
仕事に集中できない。
夜になっても身体がだるい。
こうした状態が続くと、「今年の夏は暑かったから仕方ない」と片付けてしまいがちです。
でも、私はパーソナルトレーナーとして身体を見ている中で、ここで一度考えてほしいことがあります。
それが、
「この夏、身体を動かす量が減っていなかったか?」
ということです。
暑いから外に出ない。
冷房の効いた部屋で座っている時間が増える。
食欲が落ちて、そうめんやパンなど簡単な食事が増える。
そして、運動もしなくなる。
この状態が続けば、筋肉を維持するための刺激や栄養が不足する可能性があります。
ただし、「筋肉量が少ないから残暑バテになる」と単純に断定することはできません。
残暑の疲労には暑さ、脱水、睡眠、食事、活動量などさまざまな要因が関係します。
だからこそ今回は、
「残暑バテを、筋肉・タンパク質・自律神経という3つの視点から考える」
というテーマで解説します。
残暑バテと筋肉量はどう関係する?
まず知っておきたいのが、筋肉は単に「身体を動かすための組織」ではないということです。
筋肉は、
- 身体を動かす
- 姿勢を維持する
- エネルギーを使う
- 熱を産生する
- 水分を含む組織として身体を支える
など、身体のさまざまな機能に関わっています。
特に暑い時期には、身体は体温を一定に保つためにさまざまな調節を行います。
厚生労働省も、高温多湿の環境では体内の水分・塩分バランスが崩れたり、身体の調整機能が破綻したりすることで、倦怠感や虚脱感、めまい、頭痛などの症状が起こることを説明しています。
つまり、
「夏の疲れ=気合いの問題」ではありません。
身体が暑さに対応するために、実際に負担を受けているのです。
暑いから運動しない → 筋肉への刺激が減る
残暑バテを考えるうえで、私が注目したいのが「活動量」です。
夏になると、
「暑いから今日は歩かない」
「ジムに行くのが面倒」
「家でずっとエアコン」
となりやすいですよね。
私自身も暑い日に外へ出ると、「今日はなるべく動きたくないな」と思うことがあります。
しかし、この状態が何週間も続けば、身体にとっては大きな変化です。
筋肉は、使わなければ維持しにくくなります。
特に50代、60代以降では、若い頃と同じように「少し休めば元に戻る」と考えず、日常的に筋肉へ適切な刺激を与えることを意識したいところです。
タンパク質不足も「夏の落とし穴」
もう一つ見逃せないのが食事です。
暑くなると食欲が落ち、
「冷たいものなら食べられる」
という状態になりませんか?
例えば、
- そうめん
- 冷やしうどん
- お茶漬け
- パン
- 果物
- アイス
など、食べやすいものに偏ってしまうことがあります。
もちろん、これらを食べてはいけないという話ではありません。
問題なのは、
「タンパク質が不足した状態が続いていないか?」
ということです。
筋肉を維持するためには、運動だけでなく栄養も必要です。
だから私は、夏に食欲が落ちている方には、
「ちゃんと食べてください」
とだけ言うのではなく、
「食べられる形でタンパク質をどう確保するか」
を一緒に考えます。
残暑バテ対策で意識したいタンパク質食品
例えば、
- 鶏肉
- 魚
- 卵
- 豆腐
- 納豆
- ヨーグルト
- 牛乳
- 大豆製品
などがあります。
食欲がないからといって、無理に大量に食べる必要はありません。
大切なのは、
「一度にたくさん」より「毎日の食事で確保する」
という考え方です。
特に朝食が、
「コーヒーだけ」
「パンだけ」
になっている方は、一度見直してみる価値があります。
自律神経も残暑の疲れと関係する?
ここで出てくるのが、
「自律神経」
という言葉です。
自律神経は、心拍、血圧、発汗、体温調節など、身体のさまざまな機能の調整に関わっています。
暑い環境では、体温を下げるために発汗や皮膚血流の変化などが起こります。
厚生労働省の資料でも、暑熱環境では自律神経の働きによって発汗や皮膚への血流増加などの体温調節反応が起こることが説明されています。
つまり暑い時期は、
身体が「暑さに対応する仕事」をしている
と考えることができます。
冷房と暑さの行き来で「なんとなく疲れる」
夏は、
外は猛暑。
室内は冷房。
また外へ出る。
そして冷房。
という環境を何度も行き来します。
さらに、
- 睡眠不足
- 冷たい飲み物の摂りすぎ
- 食事量の低下
- 運動不足
- 仕事のストレス
などが重なれば、「なんとなく身体が重い」という感覚につながることがあります。
だからこそ、残暑の時期は、
「自律神経を整える特別な方法」
を探すより、まず基本的な生活習慣を整えることが重要です。
残暑バテ対策① 水分補給を忘れない
まず基本になるのが水分です。
暑い環境では発汗によって水分や塩分が失われます。
厚生労働省も、熱中症対策として水分・塩分の補給や暑さ指数(WBGT)の活用などを呼びかけています。
特に、
「喉が渇いてから飲む」
だけではなく、暑い環境で活動する場合はこまめな水分補給を意識しましょう。
なお、持病や服薬などによって水分・塩分の摂り方に制限がある方は、医師など専門家の指示を優先してください。
残暑バテ対策② 運動を完全にゼロにしない
暑いからといって、運動を完全にゼロにする必要はありません。
もちろん、猛暑の時間帯に無理して屋外運動をする必要もありません。
室内で、
- 椅子からの立ち座り
- 軽いスクワット
- 壁を使った腕立て
- 軽いストレッチ
- 自宅でのウォーキング
など、身体の状態に合わせて動く方法があります。
大切なのは、
「激しく運動すること」ではなく「身体を使う習慣を切らさないこと」
です。
残暑バテ対策③ 筋肉を「鍛える」だけでなく「維持する」
夏の運動では、
「脂肪を燃やそう!」
と頑張りすぎる必要はありません。
特に疲れているときは、回復を無視した高強度トレーニングはおすすめできません。
むしろ、
筋肉に適度な刺激を入れて、食事と休養を確保する。
このバランスが重要です。
例えば週に数回、
- スクワット
- ヒップヒンジ
- ローイング系
- 軽いプレス系
などの筋力トレーニングを、自分の体力に合わせて行います。
「50代 基礎代謝を上げる運動」
残暑バテ対策④ 睡眠を優先する
「疲れているから運動しなきゃ」
と考える方もいます。
しかし、睡眠不足が続いているなら、まず睡眠環境を見直しましょう。
暑さで寝苦しい。
冷房を切ると暑い。
冷房をつけると寒い。
そんな状態では睡眠の質にも影響します。
寝室の温度・湿度、寝具、就寝時間などを調整して、身体が回復できる環境を作りましょう。
残暑バテ対策⑤ 「自律神経を整える」より生活を整える
「自律神経を整える方法」を検索すると、たくさんの情報が出てきます。
しかし、私はまず、
睡眠・食事・水分・運動・休養
を見直すことをおすすめします。
特殊な方法を探す前に、基本を整える。
これはトレーニングでも同じです。
身体を変えたいからといって、いきなり難しいことをする必要はありません。
YAMATO355では「夏の疲れ」も身体全体から考えます
YAMATO355で私が大切にしているのは、
「症状だけを見るのではなく、生活全体を見る」
ということです。
例えば、
「最近疲れやすい」
という相談があった場合でも、
運動だけを見るわけではありません。
- 睡眠
- 食事
- タンパク質
- 日常活動量
- 姿勢
- 呼吸
- 筋力
- 可動域
- ストレス
などを含めて考えます。
もちろん、トレーナーが病気を診断することはできません。
強い倦怠感、意識がぼんやりする、吐き気、めまい、異常な発汗など、熱中症を疑う症状がある場合は運動を中止し、涼しい場所で身体を冷やすなどの対応を行い、必要に応じて医療機関や救急への相談をしてください。厚労省も熱中症では倦怠感や虚脱感などが生じることを示しています。
「夏だから仕方ない」で終わらせない
私は、夏の終わりに、
「なんか身体が重い」
「今年は体力が落ちた気がする」
という方を見ると、少しもったいないと感じます。
なぜなら、それは身体からの
「ちょっと生活を見直してみよう」
というサインかもしれないからです。
残暑の時期は、無理に身体を追い込むタイミングではありません。
むしろ、
食べる。
寝る。
水分を摂る。
適度に動く。
筋肉に刺激を入れる。
という基本に戻る時期です。
公的機関の情報も確認しておきましょう
厚生労働省「熱中症関連情報」。
よくある質問
Q. 筋肉量が少ないと残暑バテしやすいですか?
筋肉量だけで残暑バテの有無を決めることはできません。ただし、筋肉は身体活動や熱産生などに関わるため、運動不足や栄養不足が続いている場合は、筋肉を含めた身体づくりを見直す価値があります。
Q. 夏バテしているときも筋トレした方がいいですか?
強い疲労や体調不良がある場合は無理をしないことが大切です。体調が良い日に、軽い運動から再開しましょう。
Q. タンパク質は何を食べればいいですか?
肉、魚、卵、乳製品、大豆製品などが代表的です。食欲が落ちている場合は、一度の食事量を増やすより、食べやすい食品を組み合わせる方法もあります。
Q. 残暑バテと熱中症は違いますか?
「夏バテ」「残暑バテ」は一般的な表現で、医学的な診断名ではありません。一方、熱中症は高温多湿環境などで体温調節機能が破綻することによって起こる状態で、重症化することがあります。強い症状がある場合は自己判断せず、適切な対応をしてください。
まとめ|残暑バテ対策は「筋肉・タンパク質・自律神経」をまとめて考える
残暑の疲れを感じたら、
「年齢のせい」
「暑かったから仕方ない」
だけで終わらせないでください。
まずは、
① 筋肉
暑さで活動量が落ちていないか確認する。
② タンパク質
食欲低下でタンパク質が不足していないか確認する。
③ 自律神経
睡眠・暑さ・冷房・ストレスなど、身体の調節に負担がかかっていないか見直す。
④ 水分
暑い環境ではこまめな水分補給を意識する。
⑤ 運動
無理のない範囲で筋肉に適切な刺激を入れる。
この5つを意識してみてください。
身体づくりは、夏だけ頑張るものではありません。
残暑を「身体を立て直すタイミング」に変える。
私は、それもパーソナルトレーニングの大切な役割だと思っています。
YAMATO355 田中(ボディメンター)
「運動を始めたいけれど、自己流では少し不安」
そんな方は、まず現在の身体の状態を知ることから始めてみてください。


