2026.08.24 / 更新日:2026/08/24
【60代 足腰が弱ったサイン】見逃したくない5つの変化と対策

60代になって足腰が弱ったと感じる5つのサイン
「最近、階段が少しきつくなった」
「椅子から立つときに、手をつくようになった」
「歩くスピードが以前より遅くなった気がする」
60代になると、こうした変化を感じる方は少なくありません。
そして多くの方が、
「まあ、年齢だから仕方ないか」
と考えてしまいます。
もちろん、加齢に伴って身体機能は少しずつ変化します。
ただ私は、パーソナルトレーナーとして60代のお客様を見ていると、足腰の変化は「年齢だから」で終わらせるのではなく、身体を見直すサインとして捉えてほしいと感じます。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、高齢者には歩行などの日常的な身体活動に加えて、筋力・バランス・柔軟性を含む多要素な運動や筋力トレーニングが推奨されています。
今回は、60代になって「足腰が弱ったかもしれない」と感じたときに確認してほしい5つのサインを紹介します。
60代 足腰が弱ったサイン
① 椅子から立つときに手を使うようになった
最初に確認してほしいのが、
椅子からの立ち上がり
です。
以前は何も考えず立っていたのに、
最近は、
- 机に手をつく
- 太ももを手で押す
- 勢いをつけて立つ
- 一度では立てない
ということが増えていませんか?
椅子から立ち上がる動作では、
- お尻
- 太もも
- 体幹
- 足首
などを使います。
特に下半身の筋力が低下すると、自分の身体を持ち上げることが大きな負荷になります。
ただし私は、
「立てない=太ももの筋力不足」
とすぐには決めつけません。
股関節が動きにくい。
足首が硬い。
身体を前へ移動する動作が苦手。
体幹が安定しない。
こうした要素でも、立ち上がりにくくなることがあるからです。
大切なのは、
結果だけではなく、なぜその動きになっているのかを見ること。
です。
サイン② 階段を上ると脚がすぐ疲れる
2つ目は、
階段です。
「駅ではエスカレーターを使うことが増えた」
「2階へ行くだけなのに脚が重い」
「手すりを使うようになった」
という変化があれば、一度足腰を見直してみましょう。
階段では、平地歩行よりも自分の身体を上方向へ持ち上げる必要があります。
そのため、
- 大臀筋
- 大腿四頭筋
- ハムストリングス
- ふくらはぎ
など、下半身の筋力が必要です。
また、脚の筋力だけではなく、
心肺機能や日常の活動量
も関係します。
普段ほとんど歩かない。
階段を使わない。
長時間座っている。
という生活が続けば、いざ階段を上ったときに以前より大きな負担を感じることがあります。
サイン③ 歩くスピードが遅くなった
3つ目は、
歩く速さの変化
です。
家族や友人と歩いていて、
「最近、置いていかれることが増えた」
「信号を渡り切るのが少し不安」
「以前より歩幅が小さくなった」
と感じることはありませんか?
歩行は、
脚を前へ出すだけの動作ではありません。
片脚で身体を支える。
反対側の脚を前へ出す。
身体のバランスを取る。
地面を押して前へ進む。
という動作を連続して行っています。
だから、
筋力+バランス+関節の動き
が必要です。
厚生労働省でも、高齢者には筋力だけでなく、バランスや柔軟性などを組み合わせた多要素な運動を週3日以上行うことが推奨されています。
「歩いているから大丈夫」
だけではなく、
どう歩けているか
も確認してみてください。
サイン④ 何もないところでつまずくことが増えた
4つ目は、
つまずき
です。
「段差がないのにつまずいた」
「カーペットに足が引っかかった」
「以前より足が上がっていない気がする」
という場合。
もちろん、一度つまずいただけで筋力低下と判断することはできません。
しかし、頻度が増えているなら、
- 足を持ち上げる力
- 股関節の動き
- 足首の動き
- バランス能力
- 歩幅
などを確認する価値があります。
厚生労働省のガイドでも、身体機能が低下している高齢者については、安全に配慮し、転倒等に注意することが示されています。
私は60代からのトレーニングでは、
筋肉を大きくすることだけではなく、「転ばない身体」をつくること
も重要だと考えています。
サイン⑤ 外出そのものが億劫になってきた
5つ目は、少し意外かもしれません。
「出かけるのが面倒になった」
という変化です。
以前なら、
買い物へ行く。
旅行へ行く。
友人と出かける。
散歩する。
ということが普通だったのに、
「疲れそうだから今日はやめておこう」
と思うことが増えていませんか?
これは単純に筋力だけの問題とは限りません。
ただ、
身体を動かすことが以前より大きな負担になる
↓
外出が減る
↓
さらに身体活動量が減る
↓
もっと身体を動かすのが億劫になる
という悪循環に入ることがあります。
私は、ここがすごく大切だと思っています。
足腰を鍛える目的は、
スクワットを何kgできるようになることではありません。
旅行へ行く。
買い物を楽しむ。
孫と遊ぶ。
趣味を続ける。
そうした日常を守るためです。
60代で足腰が弱ったと感じたら、何から始めればいい?
ここまで読んで、
「自分にも当てはまるものがある」
と思った方もいるかもしれません。
でも、
いきなり毎日スクワット100回
を始める必要はありません。
むしろ、60代からは
現在の身体に合った負荷から始めること
が大切です。
私なら、まず次の3つから始めます。
① 椅子からの立ち座り
椅子へゆっくり座る。
足裏で床を押して立つ。
5〜10回から。
日常生活に近い動作なので、運動初心者にも取り入れやすい方法です。
ただし、
膝が痛い。
腰に強い違和感がある。
という場合は無理をしないでください。
② ウォーキング
厚生労働省では、高齢者について、歩行またはそれと同等以上の身体活動を**1日40分以上(約6,000歩以上)**行うことを推奨しています。推奨量に満たなくても、少しでも身体活動を行うことが勧められています。
だから、
今2,000歩なら、
いきなり6,000歩ではなく、
まず2,500歩。
10分歩いているなら、
15分。
というように、
今より少し増やす
ところからで十分です。
③ 軽い筋力・バランストレーニング
厚生労働省は高齢者に、
筋力トレーニングを週2〜3日
そして、
筋力・バランス・柔軟性などの多要素な運動を週3日以上
行うことを推奨しています。
例えば、
椅子スクワット。
安全な場所で片脚立ち。
軽いかかと上げ。
体幹運動。
などを組み合わせます。
「歩いているから大丈夫」とも「筋トレだけでいい」とも限らない
60代からの身体づくりでは、
ウォーキングか筋トレか、
どちらか一方を選ぶ必要はありません。
歩くこと。
筋肉を使うこと。
身体のバランスを保つこと。
関節を動かすこと。
これらを組み合わせます。
つまり、
ウォーキング+筋力+バランス
です。
私はこの考え方のほうが、70代・80代まで長く動ける身体づくりにつながると思っています。
YAMATO355では「足腰が弱った=筋力不足」と決めつけません
例えば、
「最近、椅子から立ちにくくなりました」
というお客様が来られたとします。
そこで私は、
「脚が弱いですね。スクワットしましょう」
とは、すぐには言いません。
まず、
姿勢。
股関節。
足首。
呼吸。
体幹。
左右差。
立ち上がるときの重心移動。
などを確認します。
なぜなら、
同じ「立ちにくい」という結果でも、原因は一人ひとり違う
からです。
そして必要に応じて身体を整え、
もう一度動いてもらいます。
「最初より立ちやすいです」
という変化があれば、
そこからトレーニングへつなげます。
私は、この
評価 → アプローチ → 運動 → 再評価
という「身体の答え合わせ」を大切にしています。
60代の足腰づくりは「筋肉をつけるため」だけではない
筋肉を鍛えることは大切です。
でも私は、もっとその先を見てほしいと思っています。
例えば、
「旅行先で階段を気にしなくなった」
「駅まで歩いても疲れにくい」
「孫と公園へ行ける」
「買い物へ一人で出かけられる」
「70代になっても趣味を続けられる」
こうした変化です。
60代からの身体づくりは、
10年後の行動範囲を守るための準備
だと思っています。
公的機関の情報も確認しておきましょう
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人・高齢者それぞれについて身体活動や筋力トレーニングの考え方が示されています。
高齢者については、個人差を踏まえて強度や量を調整し、
今よりも少しでも多く身体を動かす
ことが基本です。
また、
歩行またはそれと同等以上の身体活動を1日40分以上(約6,000歩以上)、筋力・バランス・柔軟性などの多要素な運動を週3日以上、筋力トレーニングを週2〜3日
行うことが推奨されています。
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
よくある質問
Q. 60代で足腰が弱るのは普通ですか?
加齢による身体機能の変化はあります。ただし、活動量や運動習慣にも左右されるため、「60代だから仕方ない」と決めつける必要はありません。
Q. 毎日歩けば足腰は十分鍛えられますか?
歩くことは重要ですが、筋力・バランス・柔軟性なども必要です。厚生労働省も、高齢者にはウォーキングだけでなく筋トレや多要素な運動を推奨しています。
Q. スクワットは毎日やったほうがいいですか?
毎日高負荷で行う必要はありません。厚生労働省では筋力トレーニングを週2〜3日推奨しています。現在の体力や運動経験に合わせて調整しましょう。
Q. 急に歩きにくくなった場合も筋力低下でしょうか?
急激な変化、強い痛み、しびれ、めまい、息切れなどがある場合は、単なる筋力低下と自己判断せず医療機関へ相談してください。
まとめ|60代で足腰が弱ったと感じたら「できなくなったこと」をサインにする
60代になって足腰が弱ったと感じる5つのサインは、
① 椅子から立つときに手を使う
② 階段ですぐ脚が疲れる
③ 歩くスピードが遅くなる
④ つまずくことが増える
⑤ 外出が億劫になる
です。
一つ当てはまったからといって、必ず筋力低下しているとは限りません。
しかし、
「昔と何か違う」
という感覚は、自分の身体を見直すきっかけになります。
私はボディメンターとして、
「できなくなりましたね」
で終わらせるのではなく、
「これから何をできるようにしていきましょうか?」
という視点を大切にしています。
60代からの運動は、
若い頃へ戻るためではありません。
70代、80代になっても、自分の足で行きたい場所へ行くため。
最近少し足腰が弱ったと感じたなら、
今日から椅子から5回立つ。
少し歩く。
身体を動かす。
その小さな一歩から始めてみてください。
YAMATO355 田中(ボディメンター)


