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田中雄也

2026.09.28 / 更新日:2026/09/28

【50代肩こりに筋トレは効果がある?】肩こりの改善について

デスクワーク中に首と肩のこりを感じる50代

 

50代の肩こりに筋トレは効果がある?

 

「最近、肩がずっと重い」

「デスクワークをしていると夕方には首から肩がガチガチになる」

「マッサージへ行くと楽になるけれど、数日するとまた元に戻る」

50代になると、このような肩周りの悩みを感じている方も多いのではないでしょうか。

 

そこで、

「肩こりには筋トレがいいらしい」

と聞いて、肩を鍛えようと考える方もいると思います。

では、本当に50代の肩こりに筋トレは効果があるのでしょうか。

結論から言えば、運動や筋力トレーニングが首・肩周辺の症状の改善に役立つ可能性はあります。

 

ただし、

「肩がこる=肩の筋肉が弱い=肩を鍛えれば解決する」

と単純に考えるのはおすすめしません。

 

なぜなら、私たちが普段「肩」と呼んでいる場所は、実際には首、肩甲骨、鎖骨、上腕骨、胸郭など、さまざまな場所が連動して動いているからです。

 

50代の肩こりを考えるときに大切なのは、

「どこの筋肉を鍛えるか?」の前に、「なぜこの人の肩周りへ負担が集まっているのか?」を見ること。

今回は肩関節の仕組みから、筋トレとの関係を考えてみましょう。

 

そもそも「肩」は一つの関節だけで動いていない

 

「肩関節」と聞くと、多くの方は腕の付け根にある一つの関節を想像すると思います。

しかし、腕を上げるという動作だけでも、上腕骨だけが動いているわけではありません。

上腕骨が動く。

肩甲骨が動く。

鎖骨も動く。

そして肩甲骨が乗っている胸郭も関係します。

 

つまり、肩周りは複数の構造が連動することで大きな可動域を生み出しています。

ここで知ってほしいのが、

「肩甲上腕リズム」

という考え方です。

 

腕を上げるときには、上腕骨だけが動くのではなく、肩甲骨も連動して動きます。

以前は「上腕骨と肩甲骨がおよそ2:1で動く」と説明されることが多く、肩関節を理解するうえで一つの目安として使われてきました。

ただし、実際の肩甲上腕リズムは一定ではありません。

腕を上げる角度や個人差、動作条件などによって変化します。

 

だから、

「2:1になっていないから肩が悪い」

と判断するのではなく、

上腕骨と肩甲骨がその人の動作の中でスムーズに協調できているか

を見ることが大切です。

肩こりを考えるときも、肩の上にある筋肉だけを見るのではなく、この連動を考える必要があります。

 

肩甲骨は「背中に固定されている骨」ではない

 

肩甲骨というと、背中にペタッと張り付いている骨のようなイメージがあるかもしれません。

しかし実際には、肩甲骨は胸郭の上を滑るように動きます。

腕を上げるときには上方へ回旋し、さらに傾きや内外への回旋など、複数の動きが組み合わさります。

 

つまり、

腕を動かすためには、肩甲骨も動く必要があります。

ここで重要になるのが胸郭です。

肩甲骨は胸郭の上に存在しているため、背中が丸まり、胸郭の位置や動きが変化すると、肩甲骨の動き方にも影響する可能性があります。

 

例えば一日中パソコンを使っている。

スマートフォンを見る時間が長い。

長時間同じ姿勢で座っている。

こうした生活では、肩だけでなく首、胸郭、肩甲骨周辺を含めて同じ姿勢が長く続きやすくなります。

その状態で、

「肩がこるから肩だけ鍛えよう」

としても、その人に必要な解決方法になっているとは限りません。

 

「巻き肩だから肩甲骨を寄せればいい」とも限らない

 

肩こりの方によく言われるのが、

「巻き肩ですね。肩甲骨を寄せましょう」

というアドバイスです。

確かに、肩甲骨周辺の筋肉を動かすことが有効な場合はあります。

 

しかし、

肩甲骨をずっと後ろへ寄せておくことが、良い姿勢というわけではありません。

 

肩甲骨は固定するためだけの骨ではなく、動くための骨でもあります。

腕を前へ伸ばすときには肩甲骨も動きます。

腕を上げれば肩甲骨は回旋します。

物を引けば肩甲骨の位置も変わります。

つまり大切なのは、

「肩甲骨を正しい位置に固定すること」より、「必要なときに必要な方向へ動けること」。

だと考えています。

 

50代の肩こりでも、

「肩甲骨を寄せるトレーニングをすればOK」

と一つの答えに当てはめるのではなく、その方がどの動きを苦手としているのかを見る必要があります。

 

肩関節は「よく動く」からこそ安定性も必要

 

肩関節には大きな特徴があります。

それは、非常に大きな可動域を持っていることです。

股関節も球関節ですが、肩関節は腕をさまざまな方向へ動かせるような構造になっています。

その一方で、大きく動けるということは、安定性を筋肉などに頼る部分も大きいということです。

 

そこで重要になるのが、

回旋筋腱板(ローテーターカフ)

です。

棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋などで構成され、上腕骨頭をコントロールしながら肩関節の安定に関わっています。

 

さらに肩周辺には、三角筋、大胸筋、広背筋、僧帽筋、前鋸筋など、多くの筋肉があります。

そして上腕二頭筋長頭腱のように、肩関節周辺を通る組織もあります。

つまり、

肩は「一つの筋肉を強くすれば安定する」という単純な構造ではありません。

大きな筋肉で腕を動かす力と、関節を安定させる筋肉、そして肩甲骨をコントロールする筋肉が協調する必要があります。

だから肩こりがある方に、

「肩が弱いからサイドレイズをしましょう」

だけでは十分ではないことがあります。

 

肩甲骨面を考えると「腕の上げ方」も一人ひとり違って見える

 

肩関節を考えるうえで、もう一つ知ってほしいのが、

肩甲骨面

という考え方です。

肩甲骨は身体の真横を向いているわけではなく、胸郭に沿った位置にあります。

そのため、腕を真横へ上げるだけではなく、肩甲骨の向きに沿ったやや前方の面で腕を上げる動作も、肩関節を評価するときには重要になります。

 

トレーニングでも、

「腕は絶対に真横へ上げる」

と全員に同じフォームを当てはめるのではなく、その人の肩甲骨や上腕骨の動きに合わせて角度を調整することがあります。

 

これも、

人間の身体は教科書の角度だけで動いているわけではない

ということです。

 

肩こりの人ほど「肩をすくめて頑張っている」ことがある

 

肩こりの方のトレーニングを見ていると、何をしていても肩が上がってしまう方がいます。

ローイングをしても肩をすくめる。

腕を上げても肩に力が入る。

プランクでも首周りがガチガチになる。

重い物を持つと、すぐ肩をすくめる。

こうした方に、

「肩が弱いからもっと鍛えよう」

と負荷を増やすと、今まで使いすぎていた場所をさらに使ってしまう可能性があります。

 

大切なのは、

力が足りないのか、それとも力の使い方が偏っているのか

を確認することです。

肩こりの方に必要なのは、単純な「筋力アップ」ではなく、

必要な筋肉を、必要なタイミングで使える身体にすること

かもしれません。

 

実は「呼吸」も肩こりを見るときに確認したい

 

肩こりと呼吸は、一見すると関係がないように感じるかもしれません。

でも私は、肩こりの方を見るときに呼吸も確認します。

呼吸では横隔膜が重要な役割を持っています。

ところが、呼吸が浅く、胸や首周辺を大きく使う呼吸パターンになっている場合、首・肩周辺の呼吸補助筋が繰り返し働くことがあります。

 

さらに、呼吸は体幹の安定とも関係しています。

横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋などが協調し、腹腔内圧を調整しながら身体の中心を支えます。

体幹が安定した状態で腕を動かすことができれば、上半身と下半身の力もつながりやすくなります。

 

反対に、

身体の中心が安定しない。

呼吸を止めて力む。

肩をすくめて身体を固定する。

こうした方法が習慣になっていると、首や肩周辺に余計な緊張が集まるケースもあります。

 

だから肩こりに対して、

「肩を揉む」

「肩を伸ばす」

「肩を鍛える」

だけではなく、

「ちゃんと呼吸できている?」

という視点も持ってほしいと思います。

 

では、50代の肩こりにはどんな筋トレをすればいい?

 

ここまで読むと、

「結局、何をすればいいの?」

と思いますよね。

肩こりに対する運動は、その人の状態によって変わります。

ただ、考え方としては、肩だけを鍛えるよりも、

肩甲骨を動かす。

肩関節を安定させる。

背中を使う。

胸郭を動かす。

体幹を安定させながら腕を動かす。

 

こうした要素を組み合わせていきます。

例えば、軽いローイング。

ゴムバンドなどを利用した肩の外旋運動。

壁を利用して腕と肩甲骨を動かす運動。

胸郭を動かすエクササイズ。

負荷を調整したプッシュ系の運動。

呼吸と体幹を意識した運動。

などがあります。

ただし、

「肩こりにはこの5種目をやれば治る」

というものではありません。

 

同じ肩こりでも、肩関節の動きが足りない方と、動きすぎて安定性が必要な方ではアプローチが変わる可能性があります。

だからこそ、まず身体を見る必要があります。

「ストレッチか筋トレか」ではなく両方を使い分ける

肩こりがあると、

「ストレッチと筋トレ、どちらをすればいいですか?」

と聞かれることがあります。

私は、どちらか一つを選ぶ必要はないと思っています。

 

例えば胸周辺の動きが少ない方には、ストレッチやモビリティエクササイズが必要かもしれません。

肩関節の安定性が不足している方なら、回旋筋腱板などを使う運動が必要かもしれません。

肩甲骨をうまく動かせない方なら、肩甲骨周辺の運動が必要かもしれません。

長時間座っている方なら、そもそも座りっぱなしを減らすことが重要かもしれません。

 

つまり、

「硬いから伸ばす」「弱いから鍛える」だけではなく、評価して必要なものを選ぶ。

これが大切です。

 

 

「この運動だけが絶対に一番良い」

とまでは言えません。

運動の種類や負荷、頻度、対象者によって研究結果にはばらつきがあります。

だから、

「肩こりには僧帽筋トレーニング」

「肩こりには肩甲骨を寄せる」

「肩こりには毎日ストレッチ」

と一つの方法だけを全員に当てはめるのではなく、

その人の身体、症状、生活、目的に合わせて運動を選ぶ

ことが大切です。

 

50代の肩こりでは「生活」も一緒に見直したい

 

週に1〜2回筋トレをしていても、それ以外の時間をずっと同じ姿勢で過ごしているのであれば、生活全体を見る必要があります。

例えば仕事で8時間座っている。

休憩中もスマートフォンを見る。

通勤中もスマートフォン。

帰宅後もソファでスマートフォン。

こうした生活の中で、

「週1回だけ肩を鍛えればすべて解決する」

とは考えにくいですよね。

そこで、

1時間座ったら少し立つ。

肩を軽く動かす。

昼休みに歩く。

仕事の合間に深呼吸する。

画面の高さを確認する。

同じ姿勢を長時間続けない。

こうした日常生活の工夫も組み合わせていきます。

肩こり改善のための身体づくりは、

ジムにいる60分だけではなく、残りの生活時間まで含めて考える。

これも大切だと思います。

 

「肩こり」だと思って自己判断しないほうがいいケースもある

 

肩や首が重いからといって、すべてを一般的な肩こりとして考えていいわけではありません。

例えば、

突然強い痛みが出た。

転倒や事故のあとから痛い。

腕や手に強いしびれがある。

握力が急に落ちた。

腕に力が入りにくい。

胸の痛みや息苦しさを伴う。

発熱など全身症状がある。

夜間の強い痛みが続く。

こうした症状がある場合は、自己流の筋トレで様子を見るのではなく、医療機関へ相談してください。

また、肩を動かしたときに強い痛みがある場合も、

「肩こりだから鍛えればいい」

と決めつけないことが大切です。

肩周辺には回旋筋腱板や上腕二頭筋長頭腱など、さまざまな組織があります。

「肩が痛い」と「肩がこる」は同じではありません。

ここは分けて考える必要があります。

 

 

YAMATO355では「肩がこる=肩を鍛える」とは考えません

名古屋・伏見のYAMATO355で、私、田中(ボディメンター)が肩こりのお客様を見るときも、

「肩がこっていますね。では肩を鍛えましょう」

とは、すぐに決めません。

まず、普段どんな生活をしているのかを聞きます。

仕事はデスクワークなのか。

一日何時間くらい座っているのか。

スマートフォンを見る時間は長いのか。

運動習慣はあるのか。

睡眠はどうなのか。

そして身体では、

首の動き。

肩関節の動き。

肩甲骨。

鎖骨。

胸郭。

呼吸。

体幹。

左右差。

腕を上げたときの動き。

などを確認します。

例えば腕を上げにくい方がいたとします。

そこで、

「肩が硬いからストレッチしましょう」

だけで終わらせません。

肩甲骨は動いているのか。

上腕骨との連動はどうなのか。

胸郭は動いているのか。

呼吸はどうなのか。

体幹を安定させながら腕を動かせているのか。

こうした部分を確認します。

 

そして、

評価 → アプローチ → 運動 → 再評価。

胸郭へアプローチして、もう一度腕を上げる。

肩甲骨周辺へアプローチして、もう一度動かす。

必要であれば回旋筋腱板のトレーニングを行い、再び確認する。

そこで、

「さっきより上げやすい」

「肩周りの力みが減った」

という変化があるのかを見ます。

これが、

身体の答え合わせ

です。

 

私は、お客様を「肩こり改善メニュー」に当てはめるのではなく、

なぜこの方の肩周りに負担が集まっているのかを考え、その方に必要な方法を一緒に探すこと

が大切だと思っています。

 

公的機関や研究の情報も確認しておきましょう

慢性的な首周辺の痛みに対する運動については、研究でも一定の有用性が示されています。

2023年のシステマティックレビュー・メタ解析では、慢性的な非特異的頸部痛に対して、レジスタンストレーニングや運動制御エクササイズなどが痛みや機能障害の改善に役立つ可能性が報告されています。

また、首の伸筋群を含む運動療法についても、痛みや機能障害を改善する可能性が報告されています。

ただし、研究によって対象者や運動方法が異なるため、

「肩こりにはこの筋トレを何回やれば必ず改善する」

とまでは言えません。

運動は有力な選択肢の一つですが、一人ひとりの症状や身体機能に合わせることが大切です。

 

よくある質問

50代の肩こりに筋トレは効果がありますか?

運動や筋力トレーニングは、慢性的な首・肩周辺の痛みや機能障害の改善に役立つ可能性があります。ただし、肩こりの原因は一つではないため、「肩を鍛えれば必ず改善する」という意味ではありません。

 

肩こりなら僧帽筋を鍛えればいいですか?

僧帽筋も肩甲骨の動きに関わる重要な筋肉ですが、僧帽筋だけを見ればよいわけではありません。肩甲骨、回旋筋腱板、胸郭、首、体幹なども含めて動きを確認することが大切です。

 

巻き肩なら肩甲骨を寄せる筋トレをすればいいですか?

肩甲骨を寄せる運動が役立つ方もいますが、肩甲骨は本来さまざまな方向へ動く骨です。「ずっと後ろへ寄せる」ことを目標にするのではなく、腕の動きに合わせて肩甲骨が適切に動けることを目指します。

 

肩こりにはストレッチと筋トレのどちらがおすすめですか?

どちらか一方と決める必要はありません。身体の状態によって、胸郭や筋肉の柔軟性を高める運動、肩関節を安定させる運動、肩甲骨を動かす運動などを組み合わせます。

 

まとめ|50代の肩こりは「肩を鍛える」前に身体全体を見る

50代になって肩こりを感じると、

「筋肉が落ちたからかな」

「肩を鍛えたほうがいいのかな」

と思うかもしれません。

確かに、筋トレや運動は肩こり改善の選択肢の一つになります。

でも、

肩がこる=肩が弱い

とは限りません。

肩は、

上腕骨。

肩甲骨。

鎖骨。

胸郭。

首。

そして体幹。

これらが連動して動いています。

だから肩こりを見るときも、

肩だけを揉む。

肩だけを伸ばす。

肩だけを鍛える。

ではなく、

「なぜ、この人は肩に負担が集まっているのか?」

を考える。

肩甲骨は動いている?

胸郭は動いている?

肩関節は安定している?

呼吸はできている?

体幹を使いながら腕を動かせている?

普段ずっと同じ姿勢になっていない?

こうして身体全体を見ていきます。

そして、

評価 → アプローチ → 運動 → 再評価。

身体の答え合わせをしながら、その方に必要な運動を探していく。

50代からの肩こり対策で大切なのは、

「肩を強くすること」だけではなく、「肩が頑張りすぎなくても動ける身体を作ること」。

私は、そのために筋トレを使ってほしいと思っています。

 

YAMATO355 田中(ボディメンター)

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