2026.09.09 / 更新日:2026/09/09
【60代 スクワット 注意点】始める前に確認したい5つのこと

60代がスクワットをする前に確認したいこと
「足腰が弱ってきたからスクワットを始めよう」
「60代になったら脚を鍛えたほうがいいと言われた」
そんな方は多いと思います。
スクワットは、立つ・座るといった日常動作にもつながるトレーニングです。
しかし、
「足腰を鍛えるなら、とりあえずスクワットを30回」
と始めるのはおすすめしません。
特に、しばらく運動していなかった60代の方なら、
何回できるかより先に、スクワットできる身体の状態なのか
を確認することが大切です。
今回は、スクワットを始める前に自宅でも確認してほしい5つのポイントを紹介します。
① まず「椅子から立つ」を確認する
スクワットを始める前に、まず試してほしいのが、
椅子からの立ち上がりです。
安定した椅子に座り、可能であれば手を使わずゆっくり立ってみてください。
このとき、
勢いをつけないと立てない。
膝に手をついてしまう。
左右どちらかへ大きく傾く。
膝や腰に痛みがある。
といったことがないか確認します。
ただし、
立ちにくい=脚の筋力不足
とすぐに判断する必要はありません。
椅子から立つためには、太ももだけでなく股関節や足首、体幹なども関係します。
いきなりスクワットを何十回もするより、
まず日常動作の「立つ」がどうなっているかを見る。
これが最初のチェックです。
② 膝に痛みや違和感がないか
次は膝です。
「スクワットをすると膝が痛いけど、筋力が弱いから我慢して続けています」
という方がいます。
しかし、
痛みを我慢して回数を増やす必要はありません。
軽く膝を曲げたときに、
膝が痛い。
引っかかる感じがする。
腫れている。
左右で感覚が大きく違う。
といったことがあれば、一度立ち止まります。
また、
「膝が痛い=膝だけが悪い」
とも限りません。
スクワットは、
足部。
足首。
膝。
股関節。
骨盤。
体幹。
などが連動する動作です。
そのため、膝だけを見るのではなく、
身体全体の動きの中で膝にどんな負担がかかっているか
を見ることが重要です。
強い痛みや腫れなどがある場合は、自己判断でスクワットを繰り返さず、必要に応じて医療機関へ相談してください。
③ 足首が動くか確認する
意外と見落とされやすいのが、
足首です。
スクワットでしゃがむときには、足首も動きます。
足首の動きが十分でないと、
かかとが浮く。
身体が大きく前へ倒れる。
バランスを崩す。
などが起こることがあります。
簡単に確認するなら、壁や椅子など安全な場所につかまり、かかとを床につけたまま軽くしゃがんでみます。
深くしゃがむ必要はありません。
このとき、
かかとがすぐ浮かないか。
足首につまり感がないか。
右と左で違いがないか。
を見てみましょう。
スクワットがうまくできないと、
「脚が弱いから」
と思いがちですが、
実は足首の動きが関係しているケースもあります。
④ 股関節を使ってしゃがめるか
次は、
股関節です。
スクワットは膝だけを曲げる運動ではありません。
股関節も曲げながら、身体全体でしゃがみます。
ところが、
「スクワット=膝を曲げる」
という意識が強いと、膝だけで動こうとする場合があります。
まずは壁や安定した椅子の近くで、
お尻を少し後ろへ引きながら軽くしゃがむ
動きを試してみてください。
そのとき、
股関節が動いているか。
前ももだけが極端に疲れないか。
腰に強い負担を感じないか。
左右差がないか。
を確認します。
「お尻を鍛えたいからスクワット」
という考え方だけではなく、
そもそも股関節を使ってしゃがめているか
を先に確認することが大切です。
⑤ 呼吸を止めすぎていないか
最後に確認したいのが、
呼吸と体幹です。
スクワットをするとき、
「力を入れなきゃ」
と思うあまり、
息を止めて身体をガチガチにしてしまう方がいます。
もちろん、筋力トレーニングでは体幹を安定させることが重要です。
身体の中心では、
横隔膜。
腹横筋。
多裂筋。
骨盤底筋。
などが協調し、呼吸や腹圧を通じて体幹の安定に関わります。
つまりスクワットは、
脚だけのトレーニングではありません。
身体の中心を安定させながら、股関節・膝・足首などを連動させる運動でもあります。
初心者の場合は、必要以上に息を止めて力まず、まず軽い負荷で自然に動ける範囲から練習してみましょう。
「膝がつま先より前に出たらダメ」は本当?
スクワットについて調べると、
「膝をつま先より前に出してはいけない」
という情報を見ることがあります。
しかし、これを全員に当てはめる必要はありません。
しゃがむ深さや身体の比率、足首・股関節の動きなどによって、スクワット中の膝の位置は変わります。
重要なのは、
「膝がつま先を越えたか」だけで良い・悪いを判断しないこと。
例えば、
痛みはないか。
かかとは安定しているか。
膝とつま先の方向はどうか。
股関節も使えているか。
身体が大きく崩れていないか。
などを総合的に見ます。
フォームは、
一つのルールに身体を当てはめるものではなく、その人の身体に合わせて考えるもの
だと思っています。
スクワットは深くしゃがまなくてもいい
60代の運動初心者なら、
最初から深いスクワットを目指す必要もありません。
例えば、
椅子を後ろに置き、
椅子に座る → 立つ
という動作から始められます。
5回程度やってみて、
膝はどうか。
腰はどうか。
息切れはどうか。
翌日に強い疲労が残らないか。
を確認します。
問題がなければ、
5回から8回。
8回から10回。
というように少しずつ調整します。
深さ・回数・負荷は後から増やせます。
最初に優先したいのは、
安全に身体をコントロールできることです。
60代は「スクワット30回」より「5回を丁寧に」
SNSやYouTubeでは、
「毎日スクワット30回!」
「100回チャレンジ!」
といった内容もあります。
でも60代から筋トレを始める場合、
回数だけを目標にする必要はありません。
例えば30回できても、
後半は膝が内側へ入る。
腰が大きく丸まる。
かかとが浮く。
左右に身体が傾く。
という状態なら、一度フォームを確認したほうがいいでしょう。
それより、
5回を丁寧に行う。
そして、
「さっきより安定してしゃがめた」
という身体の変化を積み重ねていく。
私はそのほうが大切だと思います。
YAMATO355では「スクワットが苦手=脚が弱い」と決めません
名古屋・伏見のYAMATO355で、私、田中ゆうや(ボディメンター)が60代のお客様のスクワットを見る場合も、
「しゃがめないですね。脚を鍛えましょう」
とすぐには決めません。
まず、
膝や腰に痛みはないか。
足首は動くか。
股関節は動くか。
骨盤はどう動いているか。
呼吸はどうか。
体幹は安定しているか。
左右差はないか。
などを確認します。
なぜなら、
スクワットは全身の連動を見ることができる動作の一つだからです。
例えば足首へアプローチしたあと、もう一度しゃがんでもらう。
呼吸や体幹を整えて、もう一度確認する。
股関節の動きを確認して、再びスクワットする。
そこで、
「さっきよりしゃがみやすい」
となれば、身体を考えるヒントになります。
YAMATO355では、
評価 → アプローチ → 運動 → 再評価
という流れを大切にしています。
スクワットという種目に身体を無理やり当てはめるのではなく、
その方が安全に動ける方法を一緒に探す。
これが私がボディメンターとして大切にしている考え方です。
公的機関の情報も確認しておきましょう
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、高齢者に対して筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されています。
さらに、筋力だけでなく、バランスや柔軟性などを含めた多要素な運動を週3日以上行うことも推奨されています。
つまり60代からの身体づくりは、
スクワットだけを毎日たくさんやればいい
というものではありません。
筋力。
バランス。
柔軟性。
ウォーキングなどの身体活動。
これらを自分の身体に合わせて組み合わせることが重要です。
よくある質問
Q. 60代はスクワットを何回すればいいですか?
一律に「○回」と決める必要はありません。初心者なら椅子を使った立ち座りを5〜10回程度から試し、フォームや疲労、翌日の身体の状態を確認しながら調整する方法があります。
Q. スクワットで膝がつま先より前に出ても大丈夫ですか?
膝がつま先より前に出ることだけでフォームの良し悪しは判断できません。痛み、足首や股関節の動き、かかとの安定、膝の方向などを含めて確認することが大切です。
Q. 膝が痛い場合もスクワットしたほうがいいですか?
痛みの原因や程度によって異なります。強い痛みや腫れがある場合は無理に続けず、必要に応じて医療機関へ相談してください。
Q. 毎日スクワットしたほうが足腰は強くなりますか?
毎日強い負荷で行う必要はありません。厚生労働省では高齢者の筋力トレーニングを週2〜3日推奨しています。ウォーキングやバランス運動なども組み合わせて考えましょう。
まとめ|60代のスクワットは「何回やる?」より「しゃがめる身体か?」から
60代がスクワットを始める前に確認したいのは、
① 椅子から立てるか
② 膝に痛みがないか
③ 足首が動くか
④ 股関節を使えるか
⑤ 呼吸・体幹が安定しているか
です。
そして、
「膝をつま先より前に出してはいけない」
「毎日30回やらなければいけない」
といった一つのルールだけに身体を合わせないこと。
大切なのは、
今の自分の身体で、無理なくコントロールできるか。
です。
スクワットの目的は、
100回できるようになることではありません。
椅子から楽に立つ。
階段を上る。
買い物へ行く。
旅行を楽しむ。
70代・80代になっても、自分の足で生活する。
そのための筋力と身体機能を維持していくことです。
だから60代からは、
「スクワットを何回やる?」より「今の身体はどう動いている?」
そこから身体づくりを始めてみてください。
YAMATO355 田中(ボディメンター)


