2026.08.22 / 更新日:2026/08/22
【60代 歩くだけ 運動不足】ウォーキングだけで足りる?

60代、「歩くだけ」で運動不足は解消できる?
「毎日30分歩いているから、運動は十分ですよね?」
「1日6,000歩くらい歩けば筋トレは必要ありませんか?」
60代のお客様とお話をしていると、こうした質問をいただくことがあります。
結論から言うと、
歩くことは、とても大切です。
ただし、
「歩いているから、それ以外の運動は必要ない」とは限りません。
ウォーキングは心肺機能や日常の活動量を維持するうえで、とても取り入れやすい運動です。
一方で、60代から長く動ける身体を目指すなら、
筋力・バランス・柔軟性
といった別の要素も考える必要があります。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、高齢者には歩行などの身体活動だけでなく、筋力・バランス・柔軟性などを組み合わせた多要素な運動を週3日以上、筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されています。
つまり60代の運動不足解消は、
「歩く」+「身体を支える力をつくる」
という考え方がおすすめです。
60代のウォーキングは、まず続ける価値がある
最初にお伝えしたいのは、
今すでに歩いている方は、その習慣をやめる必要はない
ということです。
ウォーキングは、
- 特別な道具がいらない
- 日常生活に入れやすい
- 運動初心者でも始めやすい
- 自分のペースで調整しやすい
というメリットがあります。
「筋トレも必要らしいから、歩くのは意味がない」
と考える必要はありません。
むしろ、60代から身体を動かす習慣を作るうえで、歩くことは非常に良いスタートになります。
厚生労働省では、高齢者について歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上、約6,000歩以上に相当する量行うことを推奨しています。ただし、そこに届かなくても、今より少しでも身体活動を増やすことが勧められています。
だから、
「6,000歩に届かないから意味がない」
ではありません。
3,000歩なら3,500歩。
20分歩いているなら25分。
現在より少し増やす。
この積み重ねが大切です。
では、なぜ「歩くだけ」では足りないことがあるのか?
歩く動作はとても重要ですが、人間の身体に必要な能力は「前へ歩く力」だけではありません。
日常生活では、
椅子から立つ。
階段を上る。
荷物を持つ。
床から立ち上がる。
片脚で身体を支える。
転びそうになったときに身体を立て直す。
こうした動きも必要です。
そのため、
筋力、バランス、柔軟性、体幹機能
なども維持していく必要があります。
ウォーキングだけでは刺激が不足しやすい部分を、他の運動で補っていく。
これが60代の身体づくりでは重要だと私は考えています。
歩くだけでは不足しやすいもの①「筋力」
まず考えたいのが、
筋力です。
例えば階段を上るとき。
歩くことに慣れていても、脚の筋力が低下していれば、
「階段だけはきつい」
ということがあります。
椅子から立つ。
重い荷物を持つ。
坂道を歩く。
こうした動作には、日常の平地歩行以上の筋力が必要になります。
厚生労働省は、成人と高齢者に週2〜3日の筋力トレーニングを推奨しており、筋トレにはマシンやダンベルだけでなく、自分の体重を利用したスクワットなども含まれるとしています。
つまり、
「筋トレ=重いバーベル」ではありません。
60代なら、椅子から立つ運動からでも始められます。
60代におすすめしたい「椅子スクワット」
筋トレをしたことがない方に、
「今日からスクワット30回!」
と言う必要はありません。
まずは椅子を使います。
椅子へゆっくり座る。
足裏で床を押して立ち上がる。
これを5〜10回。
最初はその程度でも構いません。
大切なのは、
回数よりフォーム。
そして、
膝や腰に痛みが出ない範囲で行うことです。
「歩く+椅子スクワット」
だけでも、ウォーキングだけの運動習慣から一歩進めることができます。
歩くだけでは不足しやすいもの②「バランス能力」
60代から私が特に大切にしてほしいのが、
バランス能力です。
歩くこと自体にもバランスは必要ですが、日常生活ではもっと複雑な状況があります。
人を避ける。
方向転換する。
段差を越える。
階段を降りる。
片脚で靴を履く。
濡れた地面を歩く。
こうしたときには、
身体が傾いたときに立て直す能力
が必要になります。
厚生労働省でも、高齢者に対して筋力・バランス・柔軟性を組み合わせた多要素な運動を週3日以上行うことが推奨されています。
だから、
「毎日歩いているからバランストレーニングは不要」
と決める必要はありません。
自宅でできる簡単なバランストレーニング
例えば、
椅子や壁に手を添えた片脚立ち
です。
安全を確保したうえで、
左右10〜20秒程度。
慣れたら少しずつ時間を延ばします。
ただし、転倒リスクがある方は無理をしないでください。
私は60代の運動では、
できる運動を増やすことより、安全に続けられること
を優先しています。
歩くだけでは不足しやすいもの③「身体を支える体幹」
「体幹」というと、
プランク。
腹筋。
をイメージする方が多いかもしれません。
しかし体幹は、
歩く・立つ・物を持つときに身体を安定させる役割
にも関係しています。
例えば歩いていて、
上半身が左右へ大きく揺れる。
長く歩くと腰が疲れる。
立っているだけで背中が疲れる。
という方。
単純に、
「もっと歩けばいい」
ではなく、身体を支える力や姿勢も確認する価値があります。
歩くことは「有酸素運動」、筋トレは別の役割がある
ウォーキングと筋トレは、
どちらが優れているかを競うものではありません。
役割が違います。
ウォーキングでは、
長く身体を動かす力
を使います。
筋力トレーニングでは、
身体へ負荷をかけて筋肉へ刺激を与える
ことができます。
厚生労働省の情報でも、筋力トレーニングと有酸素性身体活動を組み合わせることで、さらなる健康増進効果が期待できるとされています。
つまり、
ウォーキング vs 筋トレ
ではなく、
ウォーキング + 筋トレ
という発想です。
60代なら「歩数」だけを目標にしない
スマートフォンやスマートウォッチを見ると、
「今日は5,000歩」
「昨日は8,000歩」
と数字が表示されます。
便利です。
ただ、数字だけを追いすぎないでほしいと思っています。
例えば毎日6,000歩歩いていても、
椅子から立つのが大変。
階段が怖い。
しゃがめない。
荷物を持つと腰が疲れる。
という状態なら、
歩数とは別の身体機能を確認する必要があります。
私は、
「何歩歩いたか」
だけではなく、
その身体で何ができるか
を見ることが大切だと思っています。
60代の運動不足解消には「日常生活」も含まれる
もう一つ大切なのが、
運動=ジムだけではない
ということです。
厚生労働省では、身体活動を、運動だけでなく家事・労働・移動などを含むものとして定義しています。
例えば、
買い物へ歩いて行く。
掃除をする。
庭仕事をする。
階段を使う。
少し遠いスーパーまで歩く。
これらも身体活動です。
「今日はジムへ行けなかったから0点」
ではありません。
私は50代・60代のお客様には、
日常の中に身体を動かす場面を増やす
ことも、とても大切だとお伝えしています。
60代におすすめする1週間の運動例
難しく考えなくても大丈夫です。
例えば、
月曜日
20〜30分ウォーキング
火曜日
椅子スクワット+軽い体幹運動
水曜日
散歩または買い物で身体を動かす
木曜日
20〜30分ウォーキング
金曜日
筋トレ+バランストレーニング
土曜日
趣味や外出を楽しむ
日曜日
身体の状態に合わせて休む
このように、
歩く日+筋肉を使う日+日常活動
を組み合わせます。
すべて完璧に行う必要はありません。
今の生活に入れられるものから始めてください。
「毎日歩いているのに疲れやすい」なら身体の使い方も確認する
ここも重要です。
毎日しっかり歩いている。
でも、
腰が痛い。
膝が疲れる。
前ももばかり張る。
片側の脚だけ疲れる。
という場合。
単純に、
「もっと歩けば慣れる」
とは限りません。
足首。
股関節。
骨盤。
姿勢。
体幹。
歩き方。
などに原因が隠れている可能性もあります。
だから私は、
運動量と身体の使い方を分けて考える
ことを大切にしています。
YAMATO355では「歩けるか」だけではなく「どう歩いているか」も見る
YAMATO355で私、田中ゆうやが身体を見るとき、
「1日何歩歩きますか?」
だけで終わりません。
実際に、
立つ。
歩く。
しゃがむ。
片脚になる。
といった動作を確認します。
そして、
股関節はどう動いているか。
足裏にどう体重が乗っているか。
左右差はないか。
姿勢はどうか。
呼吸はどうか。
などを見ます。
なぜなら、
歩くという結果だけではなく、その動きを作っている身体を見る必要がある
からです。
歩くだけで不足しているなら「もっと歩く」ではなく「違う刺激」を入れる
私はここを一番伝えたいと思っています。
例えば、
毎日40分歩いている。
それでも階段がつらい。
そんな方に、
「じゃあ60分歩きましょう」
だけでは足りない可能性があります。
必要なのは、
下半身へ筋力刺激を入れる。
体幹を使う。
バランスを練習する。
股関節を動かす。
など、
歩く以外の刺激
かもしれません。
身体づくりでは、
一つの運動をたくさんやることより、
今の身体に足りないものを補うこと
が大切です。
これが、私がパーソナルトレーニングで意識している考え方でもあります。
ただし「歩くだけではダメ」と否定しないでください
この記事を読んで、
「今まで歩いていたのは意味がなかったの?」
と思わないでください。
全くそんなことはありません。
歩く習慣がある。
これは大きな強みです。
その習慣を土台にして、
週2回程度、筋力トレーニングを追加する。
少しバランス運動をする。
ストレッチを入れる。
それだけで運動の幅が広がります。
私は、
「今までやってきたことを否定して、新しいことへ全部変える」
という指導はしたくありません。
今できていることを活かしながら、
足りないものを少し追加する。
そのほうが長く続けられると思っています。
公的機関の情報も確認しておきましょう
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人・高齢者それぞれについて身体活動や筋力トレーニングの考え方が示されています。
高齢者については、個人差を踏まえて強度や量を調整し、
今よりも少しでも多く身体を動かすこと
を基本としています。
具体的には、
歩行またはそれと同等以上の身体活動:1日40分以上(約6,000歩以上)
筋力・バランス・柔軟性などの多要素な運動:週3日以上
筋力トレーニング:週2〜3日
が推奨されています。推奨量に満たない場合でも、少しでも身体活動を行うことが勧められています。
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
よくある質問
Q. 60代は毎日歩けば運動不足を解消できますか?
歩くことは非常に重要ですが、それだけですべての身体機能を補えるとは限りません。筋力・バランス・柔軟性などの運動も組み合わせることがおすすめです。厚生労働省も高齢者に多要素な運動と筋トレを推奨しています。
Q. 60代は1日何歩くらい歩けばいいですか?
厚生労働省では、高齢者に歩行またはそれと同等以上の身体活動を1日40分以上、約6,000歩以上に相当する量を推奨しています。ただし、現在の活動量が少ない場合は無理をせず、今より少し増やすことから始めてください。
Q. ウォーキングをしていればスクワットは必要ですか?
全員に同じ運動が必要とは限りません。ただ、筋力トレーニングはウォーキングとは違う刺激を筋肉へ与えられます。厚生労働省では高齢者にも筋トレを週2〜3日推奨しています。
Q. 膝が痛くても歩いたほうがいいですか?
痛みの原因や程度によります。身体活動によって悪化する可能性のある痛みや変形がある場合は、無理に運動せず医師などの専門家へ相談することが推奨されています。
まとめ|60代は「歩くだけ」をやめるのではなく、歩く習慣にプラスする
60代、「歩くだけ」で運動不足は解消できる?
この質問に対して、私なら、
「歩くことはとても大切。でも、それだけですべてを補う必要はありません」
と答えます。
60代から意識したいのは、
① 歩く
② 筋力をつける
③ バランスを鍛える
④ 柔軟性を保つ
⑤ 日常生活でも身体を動かす
ことです。
今すでに毎日歩いているなら、
それは素晴らしい習慣です。
そこへ、
椅子スクワットを5〜10回。
片脚立ちを少し。
体幹トレーニングを少し。
とプラスしてみてください。
大切なのは、
たくさん運動することではなく、自分の身体に必要な刺激を入れること。
私、田中ゆうやがボディメンターとして大切にしているのも、
「歩いているから大丈夫」
「筋トレをしていないからダメ」
と一方的に決めつけないことです。
まず、
今何ができているのか。
何が足りないのか。
これから何ができるようになりたいのか。
を一緒に考えます。
60代からの運動は、
歩数を増やすためではなく、70代・80代になっても自分の足で行きたい場所へ行くため。
ウォーキングを土台にして、動ける身体を少しずつつくっていきましょう。
YAMATO355 田中(ボディメンター)


